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早く成果をあげる3つのポイント

■仕事やプロジェクトで成果をあげるタイミング
 新しい仕事やプロジェクトに携わると慣れるまでに時間がかかります。成果をあげようと思ってもなかなか上手くいかず、もどかしい時間を過ごす場合が多いです。特に、組織やチームで新しい仕事をしようとすると避けては通れないことです。これからの時代は、一つの会社で一つの仕事を何十年も続けるというスタイルは考えにくいです。新しいプロジェクトに取り組むことや、あるいは新しい会社に入って新しい仕事をやる機会がどんどん増えてくると思います。数年や短い場合は数ヶ月単位で、新しい仕事やプロジェクトに携わっていくことが普通になると思います。ですから、いかにして新しい取り組みにおいて成果を上げるかを考えることはとても大切です。今回は、プロジェクトにおいてチーム形成がいかになされるのかをはじめに紹介し、その上でメンバーとして、新しい仕事やプロジェクトにおいて効果的に成果を上げるための3つのポイントをお話したいと思います。

■タックマンモデル
 まずは新しいプロジェクトにおいてどのようにしてチーム形成がなされていくのかというモデルについてご紹介したいと思います。このモデルはタックマンモデルと呼ばれています。心理学者の タックマンにより提唱され、チーム形成には5つの過程があるとしています。そして、それぞれの過程において、生産性も異なるという考え方です(下記の図ではオレンジの線が各過程での生産を示しています)。

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【形成期】
・チームが作られた直後
・目的やメンバーを把握してない
・お互いを知ることが必要
【混乱期】
・個々人が成果を上げようとする
・しかし、互いに連携しない
・チームの生産性が最も低くなる
【統一期】
・スキルや性格が明確になる
・役割をはっきりさせていく
・リーダーシップが求められる
【機能期】
・メンバーの役割と作業が明確
・メンバー間の連携もスムーズ
・チームの生産性がもっと高い
【散会期】
・目的を達成
・チームは解散
・次のプロジェクトへ・・・
 このようにチーム形成には5つの過程があるとされています。タックマンモデルは人が集まって新しい取り組みをする多くのケースで適用できます。チーム形成には5つの過程がある中で、個人として、どのようにすれば素早く成果をあげることができるのでしょうか?タックマンモデルを踏まえると、個人が成果をあげるためには3つのポイントがあります。

■早く成果をあげる3つのポイント
①過程があることを知る
 まず一つ目のポイントというのは、タックマンモデルの形成期や混乱期のように、いくら頑張ってもチームとして生産性が上がらない期間があることを理解することです。つまり、個人としていくら一生懸命やったとしても、それが成果に繋がりにくい時期が必ずあることを前もって知っておくことが必要です。そして、形成期や混乱期において成果が上がらなくても、モチベーションを下げないようにすることが大切です。最初は成果が出なくて当たり前だという気持ちで、仕事をするとちょうど良いのかなと思います。そして、それまでの経験や知識が役に立たない場合もありますので、素直な気持ちで周りの人の話を聞くということも重要です。妙にプライドを持ちすぎて、過去のやり方に固執すると成果が上がるまでに逆に時間が掛かるので注意が必要です。

②まわりの期待値を知る
 二つ目のポイントは周りの期待を知るということです。仕事において成果を上げるということは、顧客や上司などキーとなる人物の期待を理解して、その期待を満たすということです。ですから、成果を上げるためには、自分が何を期待されているのかをしっかりと理解することが重要です。期待を理解するためには、自分が提示しようとしているアウトプットが相手の期待と合致しているのかを確かめることが必要です。そのためには、自分のアウトプットのイメージを相手に伝えて、認識が合っているかということをすり合わせることが極めて重要です。

③淡々とやるべきことをやる
 相手の期待値と相手が求めているアウトプットを理解できれば、そのアウトプットを提示すれば良いということになります。そしてアウトプットを示すときには、Quick & Dirtyでなるべく早い段階でアウトプットを提示することが好ましい場合が多いです。そうすることで、最終的なアウトプットのイメージが大きくずれるということがなくなり、アウトプットが及第点に達する可能性が高まります。また、新しい仕事では、なかなか及第点に達するようなアウトプットを出せないことも多いです。そのような時も焦らずに淡々と、周りの期待値を理解し、そしてアウトプットの認識をすり合わせ、また次のアウトプットを提示することを繰り返していくことが、素早く成果を出すための一番の近道になります。

 以上が新しい仕事やプロジェクトにおいて早く成果を上げるためのポイントです。どのような仕事やプロジェクトにおいても、なかなか成果が上がらない時期があるということがタックマンモデルで理解でると思います。ですから、成果が上がらない時期があったとしてもモチベーションを下げずに、周りの期待値を理解して、淡々とやるべきことをやっていくことが成果を上げていくための王道といえます。

(第27回 2021/9/28)


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