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(選挙)第3話 #子育て政策聞いてみた ~統一地方選2019

2018年~2019年3月にかけて、8つの首長選で実施された #子育て政策聞いてみたでしたが、2019年4月にもう一段、新たな階段を上ります。その舞台が、「統一地方選挙」 そうです、複数の自治体で同時に行われる選挙に対して、「#子育て政策聞いてみた」を実施することにしたのです。候補者の数が多いことはもちろん、日本全国の様々な地域で選挙が行われるのが統一地方選。ここから、miracoの「#子育て政策聞いてみた」が東京近郊だけでなく、様々な地方での活動へ、少しづつ広がっていきます。
また、ともに活動しているmiracoファミリーの中から、初めて議員になる仲間が出たのも、この統一地方選でした。


統一地方選、さあ、どうする?

2019年には、miracoにとって4年に1度の大きなイベントがありました。もちろん、オリンピックではありません。ある意味、私たちの生活にとってはオリンピックよりも影響が大きい可能性もあるイベント、それが統一地方選です。
統一地方選とは、「地方公共団体の長と議会の議員の選挙を、全国的に期日を統一して行う日のこと」で、日本全国様々な地方自治体において、首長選挙や議会議員選挙が執り行われるのです。
18年、19年とおよそ3か月に1回のペースで、どこかの首長選に対して活動をしてきたmiracoでしたが、目の前にあるこの大きなイベントに対しては、もちろんアクションしたい!という気持ちと、この規模感で出来るのか?という不安とが、入り混じった状態でした。
なにせ、miracoはその当時(今もあまり変わりませんが) コアメンバーと言われる中心メンバーは10名ほど。全員が仕事や育児をしながら活動をしていて、「できる人が、できるときに、できることを」がモットーです。メンバーはほとんどが東京都内に住んでいるので、実際に候補者に突撃するといっても、首都圏が精いっぱいなのは目に見えていました。
さて、どうしたものか…

仲間を増やすために

そこで考えたのは、それなら地方にいる人に、一緒に活動してもらうのはどうだろう?ということでした。
メンバーの1人が好きな言葉として紹介してくれたのですが、アフリカのことわざに、「早く行きたければ一人で行け、遠くへ行きたければみんなで行け」という言葉があるそうです。この「遠くへ行きたければみんなで行け」をやってみようと思ったのが、この統一地方選のタイミングでした。
今まで直接miracoと接点がなかったとしても、政治に対して何かしたい!と思っている人は、日本のあちこちにいるのでは…と考えたのです。

とはいえ、なんとなく政治のことは話題にしづらいと感じる人が多い日本において、「一緒に政治家(候補者)に突撃しようぜ!」といって、「いいね!」と言ってくれる人なんて、一体どのくらいいるのでしょうか。
子育てに関する活動をしている団体は、それなりにありましたが、政治に対して働きかけることを活動の中心においている団体は、ほとんどありません。私たちも常々、自分たちのことを「変な人の集まり」と自称しているので、そう簡単に仲間が見つかると思えるほど、楽観的にもなれませんでした。

アクションキットの作成

そこで考えたのは、いかに参加のハードルを下げるかということでした。ただ漫然と「#子育て政策聞いてみた に参加しませんか?」というのではなく、どういうアクションなのか、具体的にはどういうステップで行うのか…という、How Toの部分をWebで公開することにしました。
候補者の方にアンケートを取るためのアクションキットを作り、希望される個人や団体に配布して、使ってもらえるようにするとともに、アンケートの渡し方、回収するタイミング、結果のまとめと公開の方法など、その時点でのmiracoの経験もまとめて、お伝えすることにしました。
その結果、大阪と東京で、miraco以外の団体の方による「#子育て政策聞いてみた」が実施されることとなり、結果もそれぞれの団体のHPなどで公表いただきました。

#子育て政策聞いてみた 参加フォーム

活動が広げる嬉しさと難しさ

この時に手を挙げて参加してくれたメンバーとは、その後も関係性が継続しているというのも、嬉しい点の一つです。miracoメンバーだけだと、ついつい(居住地である)東京や首都圏の話題が中心になってしまいますが、他の地域にはその地域なりの課題や先進事例があるので、それを共有しあい、学びあうことで、お互いの活動が発展していけるのも、「仲間と行く」ことの良さ、楽しさだなと感じています。

一方で、仲間を増やそうと実施したアクションは、次なる課題と対面する機会にもなりました。一つ目は、仲間を増やすことの難しさです。前のセクションでも書いたとおり、この選挙では、東京と大阪で新たな2団体とのコラボレーションが生まれました。
これ自体はとても嬉しく、素晴らしい出来事だったのですが、一方で数としては、たった2つです。やはり、候補者に突撃するというスタイルが難しいのか。それとも、そもそも政治家と接点を持つことを避けたいと思う人が多いのか。この時感じた課題感は、4年後の統一地方選で、新たな形のアクションキットに反映されることになります。

共有することの大切さ

仲間が増え、突撃をするメンバーが増えることは、機動力と対応できる地域の広さという意味で、大きなプラスを生みました。例えば、「今日の午後、〇〇駅前で街頭演説やってるって!」というような情報をSNSでキャッチしたときに、自宅が近い、職場が近いというメンバーや、今日は動けるよ!というメンバーがいる可能性は、人数が増えれば増えるほど広がっていくからです。
一方で、想定していなかった反応に直面にすることもありました。当時、私たちはアンケートを直接候補者に届け、それを一定期間の後に回収するというスタイルをとっていました。一定期間のうちに回収するので、それまでに回答を準備してほしいというお願いを候補者の方にお伝えするのですが、中にはその意図が上手く伝わらずに、陣営の方からお叱りをいただいたケースがあります。
選挙期間中は特に、候補者の方もその陣営も非常に緊張感の高い中で選挙戦を戦っています。私たちも当然それを理解した上でお願いをしているつもりでした。しかし、言葉の選び方や、アンケートの渡し方などに対し「失礼ではないか?」というコメントを頂いたことがありました。

これは、候補者の方に接する際の注意点などを、細かく共有していった方が良いということへの気づきでもありました。
毎週のように会話をしているメンバー間では、暗黙のうちにそういった「温度感」を共有出来ていましたが、仲間が増えるにつれ、直接会ったことがなく、この活動に賛同してくれる方も出てきます。私たちがその方の普段の立ち居振る舞いや雰囲気を知っているとは限りません。
私たちのやり方が正解というつもりはなく、ただ私たちが過去に経験したこと、失敗したことを予め共有しておくことで、候補者の方も突撃参加者の方も、より気持ちよく活動が出来る可能性があるのでは?と思ったのです。

志を共有する仲間たちの躍進

最後にもう一つ。この統一地方選は、私のように有権者として活動した(突撃した)メンバーがいただけでなく、「政治に対してアクションしたい」という思いをさらに強めて、実際に出馬し、候補者(つまりは、突撃される側)となったmiracoメンバーもたくさんいました。そして、嬉しいことにこのタイミングで複数名の議員が誕生することになったのです。
彼らは皆、それぞれの思いを真剣に語り、アンケートにも誠実に答えてくれました。残念ながら、誰かの言葉を借りているだけだなとか、当たり障りのない言葉で濁そうとしているな…と感じる候補者も少なからず見受けられる中、そういった思いをもつ候補者が有権者の代理人として議会に参加することは、有権者としても、友人としても、嬉しいものです。
こうして、「子ども、子育てを政治・政策の真ん中に置く」という志を共有する仲間が、様々な選挙区において議員として活動し始めることになり、その活躍は今も続いています。

このように、2019年の統一地方選は、私たちmiracoにとって、そして「#子育て政策聞いてみた」の活動にとって、様々な気づきと学び、そして大きな飛躍をもたらしたのでした。
そして更に大きなアクションに向かっていくことになります。そのお話は、第4話で…。
(文責:はるな)

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