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こども家庭庁に「要望書:こども基本法の周知徹底を全自治体首長・議会にお願いします」を提出しました

埼玉県議会において、児童虐待禁止条例改正案(以下、条例案)が提出され、多くの懸念が示された結果、埼玉県自由民主党県議団は2023年10月11日に条例案を撤回するという事態が発生しました。その時のオンライン署名についての動きは「#STOP! 埼玉県 子どもだけの登下校禁止条例!!署名⇒記者会見 怒涛の6日間ルポ」をご覧ください。

本記事では、前述の記事でも少し紹介した、こども家庭庁に提出した要望書の全文を掲載します。

皆さんがお住まいの自治体・議会で、条例案、こども計画、こども政策をはじめ、こども自身に関わることについて、拙速に進められることがないよう、市民である私たちも内容を理解し、行政や議会をウォッチしていきましょう。

要望書全文

令和5年10月11日

内閣府特命担当大臣(こども政策担当)
加藤鮎子様
こども家庭庁長官
渡辺由美子様

要望書:こども基本法の周知徹底を全自治体首長・議会にお願いします
―こども若者、子育て当事者の意見表明・参画および意見反映の実現、
こども自身の安全安心の確保のために、社会全体でこどもを守る環境整備を―

野沢ココ(署名呼びかけ人)
天野妙(みらい子育て全国ネットワーク代表)

埼玉県議会において、児童虐待禁止条例改正案(以下、条例案)が提出され、多くの懸念が示された結果、埼玉県自由民主党県議団は条例案を撤回しました。
 改正案は、小学校3年生以下のこどもたちだけでの登下校・公園あそびやおつかいを禁止し、こどもを家に残してのゴミ捨ても「放置」とし、県民に通報義務を課すなど、子育て世帯の実態を考慮しない規定が行われていました。
もちろん、虐待を防止し、こどもたちを不慮の事故から守ることは私たち子育て当事者も重視していますし、社会をあげて実現されるべき大切なことだと受け止めています。
 しかしながら、子育て支援策の拡充もなしに、県民による親子の通報を一方的に義務付けようとした埼玉県議会の条例案は、埼玉県にとどまらず、全国の多くのこどもや子育て当事者に強い不安を与えました。
また埼玉県自由民主党県議団は条例案について、パブリックコメントを実施したと議会で説明していましたが、その内容は今もあきらかにされていません。
こども基本法に規定される「こども若者、子育て当事者の意見表明・参画および意見反映」が、埼玉県議会で実現されていれば、このような事態は起きなかったと考えます。
埼玉県議会だけでなく、他の自治体や議会において同様の事態が生じたり、繰り返されないためにも、以下の事項について要望いたします。



1.こども基本法の周知徹底を全自治体首長・議会にお願いします

2.その際に、自治体・議会における条例案、こども計画、こども政策をはじめ、こども自身に関わることについては、こども基本法に則り、こども若者、子育て当事者の意見表明・参画および意見の尊重の手続きを明確化し、その手続きを実現くださるようお願い申し上げます。
 登下校や公園遊び、おつかい等は、子育て家族にとっても、こども自身の成長にとっても大切な経験です。こども基本法では、こども自身の主体性を尊重し、こどもの権利と最善の利益を実現する視点が重要であることを、全ての自治体・議会にお示しいただくようお願い申し上げます。

3.こども自身の安全安心の確保のために、社会全体でこどもを守る環境整備をお願い申し上げます。子育て支援の充実、外遊び環境の安全確保や、虐待が起こらないようにしていく仕組みこそが必要です。こども家庭庁はじめ関係省庁、全自治体・議会でのお取組みをお願いいたします。

以上

PDF版

関連情報

サポートしてくださった末冨芳先生による記事「【速報】#埼玉県虐待禁止条例 10万署名の子育て当事者が #自民党 #こども家庭庁  に要望したこと」もあわせてご覧ください。

こども家庭庁によるこども基本法の様々な資料もぜひ参考にどうぞ!(やさしい版、動画などもありますよ)
https://www.cfa.go.jp/policies/kodomo-kihon/

追記

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