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夢で逢いましょう〜祖父が枕元にやってきた

【ミラクルでワンダフルな世界へようこそ!このページは、ちょっと変わったノンフィクション物語。不思議な扉を開けて、このワンダーランドを愉しんで頂けましたら嬉しいです☆~Fumiko~】

2005年、亡くなった祖父の四十九日が近いある夜のことでした。

寝ていると、何だか呼ばれるような気配を感じたのです。

目を開けると、そこに背広を着た祖父が立ったているではありませんか…

いや、

正確には、
立っているのか座っているのかわかりません。
上半身しか見えないのです。

暗い中、ボォーっと浮いている感じ。

おじいちゃんっ子だった私は
嬉しくて、嬉しくて。

でも話すことができません。
口が開かないのです。

おじいちゃんは、私の顔をジッーっと見ながら、一言。

『人間、死ぬのは怖く無いぞ』

…ただ、この一言だけ言って、
煙のように消えてしまいました。

ええ〜、ええ〜〜
それだけ?!

もっと話したかった!!!
(…というのが正直な印象)

生前、死んだらみんなのところに行くからなぁ

と言っていた祖父。

祖母、父母や弟達に聞いたら、
結局〝出てきた〟のは
私のところだけだったらしいのです…
(生前、一緒に過ごした時間が長かったからでしょうか)

それにしても
『人間、死ぬのは怖く無いぞ』
って。

真面目に、たった一言。

ヒトはこの世に生を受けると、
あとは死に向かって生かされています。

死は今世のゴール。
確かに死が恐怖であれば、
ゴールに怯えて毎日を生きていかなくてはならなくなります。

でも死は怖くない。
だから、
〝思う存分、今世(今生)を楽しんで全うしなさい〟

そんな風に、おじいちゃんは伝えたかったのかなぁなんて思います。

紳士服の仕立て屋をしていた祖父。

既製品とは違い、その人に合う服を一から製図して仕立てていました。

作っていたのは服だけではありません。
料理をしたり、
日曜大工もし、無い物は自分で作り、
工夫しながら作り上げていく…

そんな職人気質の血、創作の血は
私にもしっかりと受け継がれました。

それだけではありません。

小さい時は絵本の読み聞かせではなく、 
おじいちゃんの創作昔ばなしで眠りにつき、

手当て(ヒーリング)や見えない世界の話など(しかもどんな話もおどろおどろしくない)
色々なことを教えてくれました。

ハンチング帽を被り、
ネクタイの代わりにループタイ、 
自分で仕立てた舶来生地のジャケットを着こなすような、
そんな自慢のお洒落なおじいちゃんでした。

上半身のおじいちゃんは、
夢だったのか、幻だったのか…
それは夢のまた夢…

あなたが夢で逢いたい人は誰ですか?

FUMIKO


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