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本性


--------降る雨の正体を暴け無い。--------

2023年6月12日に産まれ
2024年6月17日、371日間という活動に
孔雀座は幕を下ろした。



このバンドの一員でいながら
俺はどんな自分に成りたいか、どう在るべきか。
自らの正体、一つのバンドとして。
そして一人の人間として。

そんな事を追い求めて暴いてみせる事を一つのモットーにして時に暗闇を手探りで唄い廻っていたように思える。



完璧な人間なんていない、じゃあ自分はどう在りたい?俺達はどう在るべきか?と、
自問自答を静かに自らの心の内で抱きながら、藻掻きながら過ごす日々だった。



相も変わらず散らかった部屋は
昨日までと何も表情は変わらない。
壁に立てかかったギターも繋ぎっぱなしのヘッドホンの表情だって何も変わらない。


俺は本当に一つ何かを失ったのだろうかとまだ気が付くことさえ出来ていない。

東京は今、丁度雨降りの午後。


俺は俺の為だけに唄っている。
なんて話した事を覚えている。


いつの間にかそうではなくなっていって、
烏滸がましいけど人の背中を少しだけ押してあげられるようなそんな唄が唄いたいと。

こんなポンコツ人間が言えた事じゃないけど
生き続けたいと願う唄を。

その時点でもう俺は自分だけの為だけに唄っているのでは無かったんだなと感じる。



短命だったと云われる活動の中で
見出すべき正体とは何なのかと思考を繰り返す日々があった。


もしも出会う事が無ければ、
そして交わる事が無ければ
俺はまた彷徨ったまま
只々、月日を垂れ流して
伝える事が出来ず脳味噌の中からも
この心情は霞んでいってしまうだろう。


その前に舞台の上では上手く話しきれなかった事を伝えたい。


そんな想いから今この文章を綴っている。


包み隠さず本音を吐露してしまうと、
心の霧はまだ晴れる事は無い。

あなたの手を引けなかった事を
未だに悔やんでいる。


もしも出会う事が出来なければ
よくもまぁ、あんなに堂々と「愛してる。」
だなんて臭いセリフを吐く事は出来なかっただろう。

それ程に愛されている喜びを一人一人に返したいと思えた。

濁りない愛ほど、誰かに伝えようとすることは難しくて、でも言葉にしなければ伝わらないから息を吸って、声に乗せて、言葉を伝える勇気を教えてくれたのは紛れもなく今日までに出会ってくれたあなただったんだよ。


暴くべき正体とは
きっと今、此処に綴る言葉。


後ろ指を刺されたって
無様でも不器用でも格好悪くても
滑稽だと笑われて生きてやろうぜ。


それが正義できっといつか強さに成るはず。


もう自分の弱さとか明日が来るという後ろめたさにいつまでも好きにはさせない。


それでも弱さを抱きしめて
強さを生かして、今を生きて欲しい。


弱くてもいい。
脆くてもいいよ。


今を苦しんで悩んで、
今を愛して未来を望んで。

自分なりに見出す事が出来た
この正体という形が
あなたの夜明けになる事を願っている。

あなたのこれからに幸あれ🎌

愛を込めて。

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