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佐渡金山は世界遺産になれるのか?



世界遺産とは

Wikipediaからの引用ですが、世界遺産とは文化遺産や自然遺産など、人類が共有すべき顕著な普遍的価値を持つ物件を指します。遺跡や建物などが対象となるので、美術品や仏像などの動産は対象にはなりません。

「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」(世界遺産条約)に基づいて世界遺産リスト(世界遺産一覧表)に登録された、文化財景観自然など、人類が共有すべき「顕著な普遍的価値」を持つ物件

世界遺産 - Wikipedia

途中で基準が変わったりしていますが、10個の審査基準のうち1つ以上の基準を満たす必要があります。適用される基準によって、「自然遺産」「文化遺産」「複合遺産」に区別されます。

1978年に最初の世界遺産がリストに登録されて以来、現在では約1,200件の遺産が登録されています。そのうち、日本は1993年に「法隆寺地域の仏教建造物」「姫路城」「白神山地」「屋久島」の4件が登録され、現在では、25件の遺産が登録されています。

世界遺産登録までの手続き

世界遺産登録までの手続きは、ざっくり言うと

①「世界遺産暫定一覧表」を世界遺産委員会に提出
②「推薦書」を世界遺産委員会に提出(各国年1件まで)
③国際記念物遺跡会議(ICOMOS)による審査・勧告
④UNESCO世界遺産委員会で世界遺産登録可否を決定(推薦翌年)

の4つのステップを経て決定されます。

佐渡金山は「佐渡島の金山」として、2010年に①の暫定一覧表に掲載され、2023年に②の推薦書が提出されました。

そして、先月に③の勧告がなされたところです。

ICOMOSの勧告は4つの種類があります。
・記載:世界遺産一覧表に記載。
・情報照会:追加情報の提出を求めた上で、翌年の委員会以降の審議に回す。
・記載延期:より綿密な調査や推薦書の本質的な改定を行い、推薦書の再提出が必要。
・不記載:世界遺産一覧表に不記載。

今回、佐渡金山は「情報照会」の勧告がなされました。

今年の世界遺産委員会は、令和6年7月 21 日~31 日にインドで開催される予定です。まさに今日からです!!
上記のイコモスの勧告を踏まえ、最終的に世界遺産への登録の可否が決定されます。
昨年の世界遺産委員会では、「情報照会」と勧告された案件はすべて世界遺産に登録されたようなので、佐渡金山の世界遺産登録も可能性は高いと思います

佐渡金山を見た感想

世界遺産委員会に推薦書が提出されたことや、子どもたちが行きたがったこともあり、今年4月に佐渡島へ行ってきました。
まだ、ICOMOSの勧告が出る前のことだったので、自分なりに候補地を見ることができれば…との思いで、1泊2日の弾丸旅に繰り出しました。

佐渡金山の構成遺産は、①西三川砂金山、②相川鶴子金銀山の大きく2つ。
そのうち、②のエリアにある相川金銀山は「道遊の割戸」に代表される観光スポットにもなっています。見学用の坑道も整備されており、お土産屋さんの2階には当時の歴史を学ぶスペースもありました。
私が行ったときは、坑道内でMR体験をすることができ、新しい観光スポットの活用方法を知ることができました。
ただ、MRグラスをかけていると違う世界が見えるので、佐渡金山として見学するためにはもう一周する必要がありますが。。。笑

一方、①の西三川金山については1872年に閉山したこともあり、鉱山跡としての遺跡というよりは、「砂金山由来の農山村景観」を見学するものになります。
レンタカーでそれらしき場所まで訪れたのですが、それらしい目印もなく場所を探すのもなかなか大変で、さらに候補地までの道が曲がりくねった細い道で、本当に合っているのかヒヤヒヤしながらたどり着きました。
虎丸山の砂金流し跡を見て、ようやくここが候補地なんだと実感しました。

両方のエリアを訪れた感想ですが、②については歴史的な重要性があり、それを訪れた者に伝える環境がきちんと整備されていると感じることができました。
①については、資料等を読むと歴史的な重要性は一定程度理解できるものの。その価値を伝える形・ストーリーがきちんと整備されていないように感じます。

なので、範囲を絞った登録という結果も有りうるのではないか、と考えています。
今日からの世界遺産委員会でどのように議論され、結果が出るのか、ドキドキしながら待ちたいと思います。

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