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拝啓 22歳の貴女へ

“双極性障害2型とADHD,ASD傾向”
6年前の冬、そう診断され絶望の淵にいた貴女へ。

安心してほしい。まだ私は生きています。
アラサーを目前に、今までになく希望を持って。

今日は貴女に生きる希望を持ってほしくて、こっそり未来から手紙を書いています。
本当は小学校や中学校で教えてもらいたかった内容だけど、希死念慮を抱いて苦しんでいる貴女が、少しでも生きることの重みから解放されることを願っています。

未来から、愛を込めて。

①「死にたい」は「生きたい」の裏返し

2018年9月末。京都に住んでいた貴女は体調を崩した。
月に一度は必ず東京に行くほど関東が大好きなミーハー大学生は、関東で仲良くなった友達と夏休みの横浜に飲みに行き、そこで鶏肉に当たったのだった。
後期授業開始の波に乗り切れず、日に日に目に見えて顔色が悪くなっていった貴女は、自己否定が強くなり心の中で自虐行為を繰り返し、ついにうつ病になって家から出ることができなくなった。

気づいた時にはもう手遅れだった。

貴女は毎日、孤独と騒音と闘い、日々世の中に押しつぶされそうになりながら
なんとか布団の隙間でか弱く命の灯火を燃やしていた。生きたいという気持ちを心の奥底に抱えて、たくさんの人に救いの手を求めていた。

貴女の生命力がいまの私の原動力となっている。まずは本当にありがとう。

人は、死と隣り合わせで日々生きている。
そんな中、今にも消えそうな火を必死で繋いでいる貴女は、実は誰よりも生きることに執着していたんだよね。

ある日、本気で今日1日やりたいことをやったら首を吊ろうと思ったことがあったよね。
あの日やりたいことが全て終わらず、1日の短さを初めて知った貴女は、人は毎日死と隣り合わせで生きていることを心の底から知った。

毎日「今日死んでも私は後悔しない」と思えるくらいに真剣に命を楽しんで生きていたら、そのうち毎日が楽しくなってくるかもしれない、と本能で感じた貴女は、とりあえず毎日真剣に死ぬ(生きる)にはお金が必要だと思うようになった。

本当に偉いよね。
あの日、死の淵の近くにいながらアルバイトを始めることを決めた貴女を、心から尊敬します。

「死にたい」と思う時は、同じくらい「生きたい」のだと思ってもらえたら嬉しいな。
もちろん、うつ病は薬で寛解させるに越したことはない。
けれどね、人生はリセットの効かないゲームなのだ。ロールプレイングゲームと同じ。
だから、貴女はただ日々全力で、最善を選択して生きていれば良いのだ。

②「働く」ことは実は楽しいこと

生きるためにお金は必要だけれど、お金を手に入れるためには働かないといけない、と誰もが思っているだろう。働くのは嫌だ…と、きっと誰もが思いながら働いている(少なくとも貴女には、周りにいる大人みんながそう見えるだろう)けれど、実はそれは間違っている。

お金はね、実はその「モノ」としての価値はないのだ。お金がお金として意味をなさなくなった時、紙幣はただの紙切れになり、硬貨はただの金属の塊になる。
まだ若い貴女には理解できないかもしれないけれど、お金は食べ物や衣類や家具など形ある「物」の価値を証明し、価値を対等に交換する便利なツールでしかない。

商売とは価値交換なのだ。
価値と価値を交換するのが商売の本質であり、「働く」とは人が持つ「時間」や「体力」や「知識」を世の中に提供し、その対価として「お金」をいただく行為なのだ。つまり、人並みに働いていれば人並みに生きるだけのお金はいただける。

そしてここからが大事なんだけど、
貴女が楽しいと思う行為はなんだろうか?
その行為を他人に「労働」として提供する時、そこに発生する価値は最も増えるんだよ。
貴女はきっと考えたりネットサーフィンをすることが得意だよね。そして何より、物を書くことも得意。パソコンも難なく使える。

その「行為」を世の中に提供するのが「働く」ということなんだよ。

働くことは実は楽しいことだと思えてきたかな?
そうしたら、次に行こう。

③お金を貯める方法

貴女は働いて手に入れたお金を貯金するのが苦手だよね。
それって実は、使えるお金が手元から消えることを、極端に恐れてはいないかな?
お金は使うから増えていく、とよく言う。
だけど、それは半分合っていて半分間違えている。

特に貴女のようにあればあるだけお金を使ってしまう人は、実はお金を貯めるのがとても怖いと思っているよね。
なぜなら、使えるお金が手元からなくなってしまうのが怖いからだ。

お金は愛情と同じと考えてほしいんだけれど、
実はお金は常に貴女の手元にあり、
お金は誰の所有物でもないんだよ。

手元のお金に「ありがとう」の気持ちを込めることで、貴女が喜んで手放したお金はまた貴女の手元に必ず戻ってくる。
お金は使えば使うほどいい、と世の中では言われるけれど、貴女のような浪費家はお金を使い続けても赤字になるんだよ。

なぜだか分かるかな?
それは浪費する時、お金を使って感情の埋め合わせをしているから。寂しさや怒り、憎しみをお金で埋める時、そのお金は戻ってこない。

では貴女はなぜ自分が浪費家なのか分かる?
自分の欲しかった愛情をお金で埋め合わせしていないか、1度よく観察してみてほしい。
本当は自分が手に入れたかったお金=愛情を、「そんなにお金が欲しいなら貴方のために使えばいいじゃん!」と手放して受け入れることを拒否したことはないだろうか?

その気持ちは今どうやって満たしているかな?
放った言葉と全く同じように、お金を使って自分の欠落した感情を埋め合わせしようとしていないかな?

そもそも「お金がない」と言い続けた貴女の母親は、本当に貴女のためのお金=愛情がなかったんだろうか?
そんなことはないよね。
そんなことはないことを、顕在意識では貴女は知っている。

④家族のおかげで貴女は生きている

貴女はお金がないと“潜在的に”感じながら生きているかもしれないけれど、それは愛情と同義ではないかな?もしくは生きるエネルギーと同義かもしれない。

本当にそうだろうか?
生きるエネルギーは睡眠をしっかり取り、食べるべきものを食べていれば必ず手に入る。
それはコンビニ弁当やファミレスのご飯ではなく、自炊で十分手に入るよね。

自炊がたとえ出来なかったとしても、いま22歳の貴女は両親から毎月十分な仕送りをもらっているよね。
その仕送りさえあれば、貴女は生きていられる。

そして、その仕送りが毎月途絶えないということは、間違いなく両親は貴女を今でも愛してくれている。愛情はいつでもあるんだよ。

貴女はいま生きている貴女が

なぜその感情を持ち
なぜいまそこで暮らしていて
なぜ日々食べることができているのか

考えたことはあるだろうか?
実はぜんぶ「両親のおかげ」なのだ。

貴女はその事実に感謝できるだろうか…?
厳しいことを言うかもしれないけれど、
いま両親を恨み、憎んでいる貴女のその感情さえも、両親がいなければ生まれていない感情だよね。

家族のおかげでいま貴女が生きていることを、
いまは許せなくてもいい。
恨んだっていい。
その感情を感じている幼少期の貴女を、心の中でとことん抱きしめてあげてほしい。

そして、最後に「もう大丈夫だよ、安心してね」
と癒してあげてほしい。
そのうちに、両親に心から感謝できる時が来る。
そうしたら、当たり前に自分自身に「有る」ものに気がつき、それを大切にできる日がきっと来るから。
「有る」ものに気づき、感謝できた時、貴女の人生は何倍も豊かになるよ。そして、理想ばかりを追い求める「無い」にフォーカスする生き方よりも、いま「有る」ものを大切にできる生き方のほうが何倍も安心して自分を大切に生きることができる事実に気がつくだろう。

幸せとは、「有る」ものに感謝して日々安心して生きることに他ならない。

⑤情報量の多い現代社会で何よりも大切なこと

貴女自身の周りに「有る」ものに気がついた時、
同時に貴女の身の回りには本当に多くの情報が溢れていることにも気がつくと思う。

情報量の多い現代社会において、いちばん大切なのは「自分にいま最も必要な情報」を選びとる力だと思う。

そして、何よりも大切なのはその情報を活かしつつ、常に自分自身の中にある答えを1つずつ掘り起こしていくことなのだ。

情報量の多い現代社会で会社員として働き続けることは、いわゆる“繊細さん”な私には相当高難度なことは、20年も生きていればなんとなく感じるだろうと思うけれど、それは多すぎる情報量を日々まともに食らっているからなのだ。
鬼滅の刃の一幕に、「まともに攻撃を喰らうと刃が折れてしまう…!うまく受け流すんだ!」と、宇髄天元と妓夫太郎の攻防戦を受け流そうとする炭治郎が描写されているシーンがある。

まさに、そんな感じ。
繊細なセンサーを持つ私たちは、日々まともに情報を食らってしまうとそれだけでエネルギーを消費してしまう。
自分自身にとって必要な情報を選び取り、時にはそれ以外は耳にしないことも必要である。

そういう意味でも、今一つだけアドバイスをするならば、ダラダラ毎日見ているテレビは今すぐ捨てた方がいい。
大切なのは自ら社会情勢を感じ取り、自分自身で考えて生き方を選んでいくことなのだ。

貴女はどんな生き方がしたいですか?
大丈夫。まだ貴女は20代だから、じっくりゆっくり考える時間があるよ。

⑥最後に

思い返せば貴女は、高校デビューに失敗し、大学も浪人したにも関わらず第一志望校に合格できず、常に周りの誰かと自分を比べては怯えていたよね。

そんな生き方はもう終わりにしていいんだよ。
なぜなら、貴女の人生の主人公は貴女でしかないのだから。この世界は貴女が作り出している。

貴女がうまくいかない時、貴女の心の中にはうまくいかない現実を作り出したい理由があるはずだ。

6年後の私はそのことに気づき、
6年前の貴女の周りにいた子たちのように
この世の中に絶望して自ら命を絶っていく子供たちが1人でもこの世の中に希望を見出してくれるように、日々自分にできることはないか向き合っているよ。

でもね、何よりもやっぱり一番大事にしたいのは、目の前の自分の命を、時間を、仕事を楽しむこと。楽しいことは必ずいつか何倍にもなって自分の元に返ってくる。

日本人はもともと農耕民族だから、本来なら晴れの日に働き、雨の日は家に籠って本を読んだり遊んだり1日寝る生活が性に合っていると言われている。
だけど、この世の中全員が急にそんな生き方にシフトチェンジすることは難しい。

情報量の多いこの世の中で、ではどうしたら楽しく生きられるのかというと、やっぱり自分自身がやりたいこと・心の声に忠実になることが一番の近道なんだよね。
心は実は答えを知っていて、間違えている時も正解を選んでいる時も必ずコンパスのように、行き先をちゃんと示してくれている。

私はね、この心の声を受け入れてあげられる場所をこの世の中に作りたいんだ。
その場所の一つが森林の中だと私は信じている。
私の気持ちが整理されてこの確信にたどり着いた時、同時にいま周りにいる起業家さんや、個人事業主の方にもだんだんとこの考え方を理解していただけるようになってきた。

私は未来の子供たちにこの豊かな地球を引き継ぐために、希望を持ってこれからも頑張るよ。
だから、貴女はまず貴女の目の前の時間を生きてほしい。大丈夫、応援してるよ。

敬具 もうすぐ28歳になる貴女より

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