0120 イカとバターと魔法使い
イカとバターと魔法使い母は料理が上手(と言うと「この味で育ったからじゃない?」と謙遜されるが、本当に美味しいのです)で、さりげない一品を忘れ得ぬ逸品にしてしまうことがある。
最近のそれは、イカ。イカと小松菜をバターで炒めただけのもの、なのに、頭に散らばる全思考と五感が箸先のイカに吸い寄せられてしまった。
そういう時、なぜこんなに美味しいのかと問い詰めても、「おいしいよね〜」などとはぐらかされる。実は母は魔法使いなのだ、と半分本気で信じている。
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