7月
南の風に乗って走るワ。
美術館巡り
7月頭、二つのイベントに参加した。一つはSOMPO美術館の「フィロス・コレクション ロートレック展」のギャラリートーク。学芸員さんと館内を一緒にまわり、解説を聞きながら鑑賞ができる。ロートレックの描く絵は華やかなパリジャンのイメージ。きらびやかな生活とは裏腹に身体が弱かった…というハンデがあったのに、凡人には到底無理なほど素描を残している。日々の努力が功を奏するんだなぁと痛感。そして、やっぱり鉛筆の線ってかわいい!好き〜!ってなったので、私もスケッチがんばろう。
もう一つは、国立西洋美術館での松田隆美教授による講演会「西洋中世写本の生産、流通、蒐集」。企画展「内藤コレクション 写本 — いとも優雅なる中世の小宇宙」に合わせた内容で、90分間も貴重なお話を聞けてほくほく。中世ヨーロッパのあの独特な画風が大好きだし、整然としたカリグラフィーもタイポオタクにはたまらん。個人的に余白に描かれたイラストが落書きだったのが驚き。書物どころか羊皮紙ですら嗜好品だった時代になんて遊び心なの!?ハートに刺さった。
専門家にお話を聞くと解像度が上がって美術鑑賞が100倍楽しくなるので、またご縁があったら参加したいな。
ピクニックシネマ
一人で野外シネマに行くのは寂しすぎたので友人を誘った。二つ返事で来てくれたどころか、待ち合わせ40分前に着いてレジャーシートを敷いて場所取りまでしてくれていた。途中でかなり強めのにわか雨がきて傘をさしながら待機してくれてたらしい。恵比寿駅の改札に着いたよと連絡すると、何事もなかったかのように迎えに来てくれた。あまりにも王子様すぎる。
その日の上映は「リアリティバイツ」。「ジェネレーションX」と呼ばれる若者たちの恋や友情を描く90年代の映画。社会人半人前のまだ学生気分でふわふわした感じ、自分に当てはまりすぎてドキッとした。ストーリーもキャストもサントラも素敵だったけど、途中で「おしり痛くない?タオル敷く?」って気遣ってくれた瞬間が一番ときめいた。キノイグルーさんすみません。
上映が終わるともう21時を過ぎていて恵比横で飲んでもよかったんだけど、そのままバイバイすることに。人多いから〜って反対方面なのに遠回りして渋谷駅の乗り換えのところまで送ってくれた。最後まで紳士だった。
席運
私は昔から席運が良い。小学生のときは好きな人と3回も隣の席になった。 高校生のときは3年間出席番号7番を引き当て、いつも窓際の一番後ろの席。
初めての海外旅行のときは、たまたま私の前で食事を切らしてしまい、ビジネスクラスの朝食が出た。非常口前やクラス最前列など足が伸ばせる席になることもしばしば。
今月中旬、この能力(?)を生かすイベントがあった。親友がパリから帰ってきてさっそく某アイドルのコンサートに同行することになった。日本人なら誰もが知っている有名なグループで、チケットを取ることすら困難なのに運良く初日の公演が当選した。席の値段は統一されており、完全にランダム。ファンクラブに入ってないどころか初めて(旧)ジャ○ーズのコンサートに行く私が足を引っ張るのではないか?心配だったけど「席運だけは良いから!」と豪語した。笑
結果、とんでもない良席を引いた。中央の最前ブロックの17列目。前に高身長ファンはおらず視界良好。普段はクールな彼女があんなに興奮した姿を見たのは初めてだった。肉眼でバッチリ見えたので双眼鏡は使わなかった。真横の花道をメンバーが何度も通過し、人生で初めてペンラを振り、銀テを掴んだ。しかも途中で隣の人が抜けたから3本もゲット!
「毎回ミオ連れてかなきゃじゃん!次はファンサもらえるようにド派手なうちわ作ってよねー!」
プレッシャーかけられてなかなかしんどいけど、次も良席当てられる予感しかしません。
あくまで「席運」がずば抜けて良いのであって、宝くじどころかガチャガチャですら欲しいものは全然当たらないし、都内にいるのに有名人と遭遇できたこともない。それでもツイてるほうだと思う(…いや、思い込んでる)し、私の周りの人も持ってるよな〜って感じる。そのせいか、変わり者でちょっとサバイバル気質な友人が多い気がする。みんな優しくて真面目なんだけどミラクル起こしがち。そもそも今回チケットを当ててくれたのは親友だから連携プレーですね。
そんなわけで、私も私の友人も最強なんです。
スペースマウンテン保存協会
ディズニーランドに行ったのは3年ぶり。大好きなアトラクションがリニューアルするのは前から聞いていて半ば諦めかけていたけど、Dヲタちゃんにグイグイ引っ張られてクローズする一週間前に滑り込んだ。こういう部屋から連れ出してくれる友人ありがたい。
開園1時間前に到着し、ゲートをくぐると真っ先に並んだ。プライオリティパスを取ったので2回も乗れた。持ち前の席運の良さを発揮し、2回とも最前列だった。
私たちは何故あえてのランドを選んだのか。絵本の中のような美しい新エリアも魅力的だけど、開園当初から愛され続けたレトロフューチャーの終焉を見届けたいという意見で一致したのだ。40年前の人たちが想像した、訪れなかったのにどこか懐かしい未来。初めて乗ったのは小学校5年生のときだった。その後絶叫系が大好きになって、両手で数えきれないほど乗った。これがついに最後だと思うと涙が出てきた。(最前列で眼球に風が直撃してしょぼついただけ。) 生まれ変わったスペースマウンテンを80年代LOVEな私は受け入れられるかな。否。
暑さに慣れないせいか出かけるのが億劫になっていたけど、過去の自分が美術館やら映画やらチケットを取ってくれていたおかげで今月も楽しかった。この「未来の自分へプレゼント作戦」結構いいな。
夏休みは久々に一人国内旅行しようかなぁとプランを練っていたけど、やっぱり貯金して海外に行きたい〜!それまではプチサイズのご褒美で旅行欲を満たしていく所存。
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