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5月

敗者復活戦の5月。



雨の水曜日

5月1日は無性にパンケーキが食べたい日だった。朝からしっかり雨が降ってて憂鬱だったけど、せっかくの休日をベッドの上で過ごすなんてもうごめんだよ。お気に入りのレインブーツとニットで気合いを入れて、えい!と飛び出した。みなとみらい駅から横殴りの雨に打たれながら、赤レンガ倉庫のbillsまで歩いた。

横浜限定のベリーベリーパンケーキ

焼き上がるのに20分かかった。聴き馴染みのある洋楽が流れていて、待ち時間さえも心地よかった。ベリーが練り込まれた生地はふわっふわでバターの味がする。優しい甘みが4月の削られたHPをゆっくりと回復させてくれた。
お店を出るとまだ天気は悪かったけれど、パンケーキの魔法で心までふわっふわになったので足取りは軽かった。今日は行ける気がする!という謎の自信が湧いて世界堂にも寄り、アクリルガッシュを20本ほど買った。使うのは美大入試以来かも。懐かしいな。絵のテイストは変わったけど、好きな色は高校生のときから変わらなくてなぜか安心した。次の休日こそは絵を描こう。

これが人生

親友と過ごした連休中日は刹那に過ぎた。1秒も無駄にしないように職場からダッシュで電車を乗り継いだ。ハチ公前で久しぶり!と西欧流にハグを交わす。とはいえ3ヶ月ぶりの再会だから社会人にしては交流があるほうだ。パリでの生活が板についてきて所作や言動にも出ているんだけど、本人は全く気づいていないようで面白い。
和食の気分だったので天ぷら屋さんに入り近況を報告し合う。たった3ヶ月だけど良いことも悪いこともあった。「まぁ、セラヴィだよ」と彼女はさっぱりしていた。何が起こっても「人生そういうこともあるよね」って前向きに受け入れる言葉なんだって。
別れるとき、姿が見えなくなるまで手を振った。パリで見送ってもらったときのお返し。次会うのは2ヶ月後。(あれ、意外とすぐだ!)

旅と絵

少しだけ早起きして、かれこれ一年前から気になっていた植物園に行ってきた。家から片道一時間半。ディズニーに行く人に紛れて新木場駅で下車し、夢の島へ向かう。
入場料は250円で、年パスは1000円で手に入る。もっと近かったら迷わず買ってたのに。
最初の部屋のシアターでコスタリカが紹介されていた。スペイン語で「豊かな海岸」。四国と九州を合わせたほどの広さで、宝石箱のような熱帯雨林で覆われている。行きたい国がまた一つ増えた。
旅行の思い出を描く。旅先でスケッチする。知らない土地で絵を発表する。そんなふうに旅をしながら絵を描きたいと思い、この日はスケッチブックを持ってきた。

熱帯の植物は鮮やかで力強さを感じる。目からパワーをたくさんもらった。

ソロ活卒業

植物園からの帰り、脳内がコスタリカのことでいっぱいになってしまい、なんとしてでも行こうと誓った。しかし、調べてみると「女性の一人旅は危険」と書いてある。うーん、中南米はハードル高いかぁ。ならばツアーで!と検索するとトータルで100万、、、。いったんコスタリカへの夢はさておき、海外旅行に付き合ってくれる同行者を探すことにした。
先月の反動なのか、行動したくてうずうずしていた。日帰りで旅行できる社会人サークルを見つけ、光の速さで申し込み、定員最後の一枠に滑り込んだ。翌日、私はカメラを首から下げ、井の頭恩賜公園へと向かった。

社会人サークル

緊張しまくりで昨日の衝動的すぎる自分を恨んだけど、初参加の方が多くて安心した。カメラに詳しい方に色々教わったけど、動いてる被写体って難しいね。

リスくんじっとしてくれてありがと

その後はスワンボートで埋め尽くされた池の周りを散策した。遠足してる気分。アラサーの大人たち20人がゾロゾロ歩くとシュールだけど。時間が経つと話す相手が入れ替わって、参加者とまんべんなく話せた。最後に連絡先を交換し、LINEの友達の人数が一気に増えた。旅友は多ければ多いほど人生豊かになる?ので、めげずに行きます。

ミューズ

デュアリパを知ったのはパンデミックのときに出したセカンドアルバムがきっかけだった。その頃の私は大学生をしながらブランディングの会社でデザイナーをしていたのだけど、ストレスで心身を壊していた。上司との食事がトラウマで会食恐怖症になってしまい、外食ができなくなった。(今はだいぶマシになったけど得意ではない。)
そんな人生で一番しんどい時期にデュアの曲を何度も聴いた。80年代のダンスミュージックをオマージュした明るくてポップなメロディ。ポジティブな歌詞。次第に強くて自立したモード系が似合う女性に憧れるようになった。
2年間のデザイナー修行をやめてアートへ方向転換し、誰かのお守りになるような作品を作ることにした。そして自分の機嫌を取る方法を学び、多少の浮き沈みはあるもののメンタルを崩すことは無くなった。おかげで楽観的だよねとよく言われるようになった。
今回の3枚目のアルバムも絶妙なタイミング。まじで救世主。11月のライブも絶対に行くよ。初心を思い出させてくれてありがとうございます、私のミューズ。

4番のThese Wallsがトロピカルな感じでお気に入り。

誕生日プレゼントはデート

相棒(大学時代のクラスメイト)は、毎年「誕生日プレゼント何がいい?」と聞いてくれる。一昨年はブルー系の小物、昨年はティーカップをリクエストしたら、持ち前の美的センスで私の好みどストライクな贈り物を選んでくれた。今年は欲しいものが思い浮かばず、SNSで話題の気になってる展示を見に行きたいとお願いした。すると、その場でチケットを取ってくれて、私が好きそうな英国風の落ち着いたカフェを探してくれた。完璧すぎる。

めちゃ面白かった 

プレゼントを考えてくれる時間も愛おしいけど、楽しくおしゃべりして、一緒に美味しいものを食べる時間のほうが価値があるのではないかと思う。彼女も「無形のプレゼントは初めてだから楽しみ!」と言ってくれたので嬉しかったな。お金に換算できない「時間」は最強。相棒にも有意義な誕生日を過ごしてほしいから、今から作戦を練ります。


先月の殻に閉じこもっていた分を取り返すかのように、今月は古い友人とも初めましての人とも会えた。来月も素敵なご縁がありますように。またね、5月。


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