推し、旅立ち

はい、ついに来ましたこの時が。10股隠居からついに御出でになられるかと思いきやまさかの兵役発表という大隠居不可避で腰抜かしました。あの発表からあっという間の1ヶ月でした。

この1年、怒涛の社会人生活とEXOの活動の無さが相まってTwitterに浮上する機会がめっきり減ってました。推しの門出という節目にこの記事を間に合わせることさえもできませんでしたが、せっかくの機会なのでここ最近考えてたことを徒然と書き残そうと思います。

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韓国のアイドルを推したが宿命、推しの兵役。かれこれ10年以上Kオタをやってる私ですが、EXOを本命として推すより前に、好きだったグループがいくつかあって、その他グルの推しが入隊する時を何度か見守ってきました。でも奇跡的に、毎回推しの見送りの時には、既に新しいグループの推しができていたので、見送る時にはもう「私の1番好きな人ではないけど、頑張ってねー!」くらいのテンションで見送ってました(何様?)。なので今回、現在進行形で最推しのチャニョルが入隊するのを見守るという「これが推しの入隊というやつか!」をついに味わってるわけです。

2.3年前くらいまではかなり重度のオタク気質を患っていたので、「これほどの美形までも坊主にさせるなんて正気?!迷彩柄の軍服着たにところで背高すぎて草むらに隠れても絶対見つかるやろ!せめて木に紛れさせてくれん?!いやもはや代わりに私を行かせてくれ。ウワーン行かないで〜!チャニョルだけが好きなのよ!これは本気よ!もう浮気なんてないの!これが最後の愛(オタク)なのよ!絶対入隊のときは現地での見送り会に参加するんだから!」ってかなり意気込んで兵役見送りシュミレーションをしてたんですよ。けどいざチャニョルが入隊した今、2.3年前の私には想像もできないくらい私の心穏やかなんですよね〜。人間の情緒やべ〜。

別に他に EXOを超えるほど好きなグループや推しができたわけではないけど、今のチャニョルに対する気持ちは「あなたがいなきゃ死んでしまう〜!までは思わないけどやっぱり好き。一生健康に長生きして欲しい。」というレベル感。2.3年前の重度なオタク時代と比較したら冷めてきてるじゃん、と言われても仕方ないくらい熱量は落ち着いています。確かにやたらとグッズやらCDを買いまくる事は無くなったし、普段の会話の終着点が全てEXOになるということも無くなった(一時期、脳内が EXOで支配され過ぎて、全くオタクではない普通の友人との会話でさえ、故意ではなくともオチが全てEXOになってしまって、 EXOの話題を出さない会話の仕方がわからなくなり、マジで悩んだ時があった)。でも今でも全然ライブは行きたいと思うし、Twitterで流れてくる画像見てウワ〜かわいい〜!という感情は湧く。わかりやすく言うと、2.3年前までは付き合って3ヶ月のスキスキ!レベルでハイテンションだったのが、もう結婚10年目の熟練夫婦みたいな感情ステージに進化したんだよね。そう、進化なのよ。冷めたんじゃなくて、私は多分次の愛し方をしてるわ。まあ当然現実では付き合ってはないから、こちらの脳内が勝手にチャニョルと付き合ってる処理して、勝手に感情を成熟させちゃってるんですけどね!イッタ!

付き合ってる付き合ってないの関係で言えば(どんな話題の繋げ方?)、この前「花束みたいな恋をした」を観たんですよ。普段邦画&恋愛モノなんて映画館でほぼ100%観ない人間なんですけど、なんかめちゃくちゃ泣ける映画としてヒット?してるとか、友達が観たいって言った流れで観ました。が、結果全然泣かなかった。というか泣くポイントがまじでわからんかった。むしろ何故多くの人がその辺にいる何の変哲もないカップルの日常に涙を流せるのか疑問に思った。共感して泣ける?だとしたら、私はその辺の何の変哲も無いカップルのように過ごせる人間ではなくて、共感できないのかもしれないですね。まあとんだ捻くれ者なので思い当たる節はあり過ぎます。

(以降映画のネタバレ有)何故この映画の話を出したかってことで本題に入りたいのですが、その前にこの映画の概要を説明します(まだ前置きかい!)。この映画って趣味が合った男女が付き合って5年後に別れる話なんですね。趣味一緒だね!で盛り上がって運命感じるわけだけど、彼らは付き合ってから別れるまで「好きなものが一致→付き合う、好きだったものが好きじゃなくなったから不一致が起きる→別れる」という流れを汲んでいます。表面的なすれ違いが起きたという淡々とした事実の変化に比例して関係性が崩れてしまったに過ぎないんですよ。「好きなものが一致」するとは、相手に興味を持つきっかけにしか過ぎなくて、相手がその好きなものに対してどう思ったか、何を考えたか、どうしたいと思ったか、そういう相手の心の奥にある、ちょっとやそっとでは揺るがない確かなコア部分まで掘り出してこそ、相手の価値観を知ることができるのであり、互いを理解し合えると思うんですよね。この映画の2人にはまるでそれがない。趣味が一緒という表面的な一致に舞い上がってこの人しかいない!と思い込み、学生から社会人になってお互いの生活が変わって、生活や趣味に変化が起きても、彼らは互いのコアな部分を知らないから、表面的にズレた事実しか見えなくて相手に失望し、尊重できなくなっていくんです。彼らは相手への愛情も付き合い始めた時がピークで、そこから5年間もあったのに相手のコアについて考えを巡らせることもなく、しかも自分の人生についてさえ深く考えることもなかったので、今の関係性や生き方について見つめることもなく、ただ時間だけをダラダラと無駄に費やし5年も経ってしまったんだろうなと思います。というか、そもそも自分の存在や人生を蔑ろにしてるからこそ、「好きな趣味」のそれも特に理由や思い入れがあって推してるわけではなく、だから「好き」としているアーティストのライブチケットを平気で無駄にするような人間で、当然「好きな趣味」について「なぜ好きなのか?」を互いに話すことさえ出来なかったのです。私は逆にこのような中身のない男女の付き合い方に共感する若者がたくさんいるということに強い危機感を感じました。映画の2人は自分という存在意義をあまりにも疎かにしており、自尊心の低さに絶望することもなく、それが当たり前なんだとしている人間で、その映画の登場人物に自分を当てはめて観ている人達が多くいる今の現実社会にとても問題があるような気がします。

さて、だいぶ話が逸れましたが、ようやくチャニョルの話に戻ります。私は10年くらいチャニョルの生き様を勝手に見守ってきて、人よりチャニョルを理解してると勝手に思ってました。けどそれは10年も見守ってきたという時間量からくる謎の自信と自分の思い込みでしかなくて、本当はアイドル(偶像)というこちらから一方的にしか愛情を注ぐことができない対象に対して、我々が彼らのコアな部分を知る由なんてないんですよ。遥か遠くにいるアイドルという存在の、コアな部分を知りもしないのに、私はチャニョルの何が好きで何故こんなに何年も好きだと思っているんだろうと振り返りました。好きになったきっかけはもう大多数のチャニョルペンと同じくやっぱりめちゃくちゃ顔が好きだったんですよね〜!声も!これらはもちろん掴みが大事なアイドルにとってめちゃくちゃ重要な要素なんですけど、やはりこれは彼のビジュアルと私の好みが「表面的に一致した」という事実にしか過ぎないんですよ。ここに中身はないです。まんまとビジュアル路線という戦略にハマった餌食になりました。

ここまで表面の一致で好きになることが悪いみたいな書き方をしてきてしまいましたが、その人に対して興味を持つきっかけとしては、見た目とか趣味とかめちゃくちゃ大事な要素だと思いますし、人を好きになる過程で必要不可欠だとも思います。でも表面の一致だけでその人を好きで居続けるのはやはり限界があると感じます。人は老化するし、イメチェンはするし、私の好みも年齢と共に変わるかもしれない。けどそんな不確かな要素を大々的に商品にし、且つその不安定な商品に惹かれた人に生まれる擬似恋愛的感情を収益に変えて儲けるアイドル業は相当エグい商売だなって思います。表面の一致だけで生まれる擬似的恋愛感情は何年も続かない(=ファンは永久ではない)のだから、やっぱりアイドルには寿命があるし、だからおじさんになった頃に売れるグループなんてほぼないに等しい。じゃあ私は何でこんなにもチャニョルをずっと好きなのか?もちろん今でもかっこいいけど、彼もデビューの時よりは大人びた顔になったし、体型もがっちりした。私はどちらかと言うとヒョロい方が好きなので体型で言うと好みではなくなったと思う。でもそれでも何故今も好きと言えるのか?

初めは擬似的恋愛感情から来るファン心だったけど、今はいい意味でいちいちチャニョルを気にしなくなったんですよね。チャニョルを好きでいる為に距離ができました。正直私はアイドルをしているチャニョルが好きだったので、「チャニョル3時間ぶっ通し音楽制作Vライブ(課金した)」はまじで興味なくて、は?課金してるんだからもっと画的に面白いことやってよ!課金するんじゃなかった〜!て思うくらいでした(実はまだ一回も見てない)。でも距離を置いたことで、私の好みに合わないから嫌いになるとか批判するのではなく、純粋に音楽が好きで本気で音楽に取り組みたくて自主的にスタジオ作ったりして活動するチャニョルのことを、素直に応援したいと思うようになったし、アイドルだって限られた人生なんだから枠に囚われず自分がやりたいと思ったことをやったらいいよねって思えるようになりました。多分今後チャニョルがプロボウラー目指します!って言っても「ワロタ!頑張れよ!今度また EXOボーリング大会②(チャニョルvsハンデ付き他メンバー)を開催してな!」って言うと思う。でも、好きなことをやりつつもやっぱりこれからもアイドルとして活動する/活動してくれるチャニョルがいるわけで、そんなチャニョルに私はどう向き合っていくのかなって考えました。アイドルとしてのチャニョルは事務所が作り出した虚像で、本当は10股するくらい女好きなのにそれをずっと隠してきたくらい自分が世間にどう見えてるかめちゃくちゃ計算されて作られています。私たちが普段見ているチャニョルが偶像であることは重々承知です。でもそのめちゃくちゃ計算された偶像を素直に受け止めていいのではないかなと思うんですよね。良くも悪くも彼らは存在が商品で、その計算され尽くされた見え方自体が、事務所が売り出すベストな商品なわけです。つぐつぐ人間の存在を消耗する残酷な商売だと実感しますが。でもそれがアイドルなんですよ。人間の権利としてプライベートは自由に何をしてもいいのに、商品としての存在を阻害するような情報は隠さなければならない。でもその情報が漏れて炎上。何故人間はベストな商品を素直に受け入れようとしないのか?何故わざわざその商品の裏方(=人間)を見ようとするのか?みんなアイドルに依存し過ぎなんですよ。過去の私も含めて。偶像に対して個々の存在意義を委ねすぎてるんですよね。私も2.3年前までそうだったんですけど。みんな偶像が好きすぎて、その人のこと全部知りたいとか、その人の活動をコントロールしたいとか偶像じゃなくて人間の方を捉えようとしちゃうんですよ。だから熱愛が出たらファン辞めるとか、デモ起こすとか、相手の女を批判するとか人として傷つくことをするわけですけど、そんなの本末転倒というか、ファンは純粋に商品を正面から受け取って楽しめばいいものを、自分でほじくり返して自滅してるわけです。当然疑似恋愛的感情をお持ちの方は腹立たしく思うでしょうけど、ホストだって同じです。あなたがいくら大金を積んだとしてもそこにはそれ相応の「サービス営業」があるだけで、その人の実際の感情とかプライベートをコントロールすることは出来ないんですよ。だから、その商品が出した作品やその作品ができるまでにどんなストーリーがあったのか等、商品として提供している部分を知って愛着を深めればいいじゃないですか。みんな好きすぎるあまり、偶像に対する愛情の深め方を間違えてしまっている気がします。そう考えたらめちゃくちゃ楽になったんですよね。大好きなチャニョルのことを商品だとか偶像だとか随分無機質な表現方法で書いてきて心苦しいですが、わかりやすく伝えようとした意図なのでご容赦下さい。要は、朝起きて歯磨きしてご飯食べてと同じように生活習慣としてチャニョルを追うのではなく、「あ、そういえばチャニョル元気かな〜Twitter見よ!」でいいんです。世に言うオタクっていうと、推しが出るコンテンツは全部追って、CDは全種買い、行けるライブは全部遠征してでも行くような人種を指してることが多い気がしますが、そのグループや推しを気にかけることがある人は誰でもファンなんですよ。オタクはファンの一部です。ファンの定義なんてどこにも決められていなくて優劣もないし自由なんですよ。勝手に醜いファンが優劣を付けたがってるだけで。そしてアイドルもファンも自分の人生を生きていけばいいんです。他人の存在に依存しない何か確たる生き方を持って。自分はどんな人生を生きたいのか、自分の中にある大切なもの、確かなものをもっと考えるべきだと思うんです。偶像は偶像として楽しまないと。チャニョルも兵役頑張ってるし私も仕事頑張るか〜!でいいんですよ。アイドル人生の中の1年半〜2年という月日はとても長い時間のように感じますが、我々の人生の中の1年半〜2年なんて一瞬で、しかもちょうど私くらいの年代の方々にとっては、この2年くらいで今後の人生を大きく決める出来事がたくさんあると思うんですよね。だからもっと自分の人生を生きながら、その中でたまに EXOを嗜む方が、楽しいファン生活を長く続けられる気がします。いい意味で干渉しない。2.3年前はチャニョルに恋してましたが、今はチャニョルとこなれた結婚生活送ってる?レベルまで成熟しましたね。お互いそれぞれやりたいこと頑張って、たまには励まし合って、癒されて、また頑張ろうって生活。いつかのスホさんもライブでそんなこと言ってましたよね。要はお互い依存しすぎるな、その方がずっと幸せだぞってことです。恐らくEXOペンは私よりも上のお姉様方も多く、皆さまずっと私よりも成熟されたお考えをお持ちだと思うので、この文を読んでも「小娘何を今更そんなことを」とお思いの方も沢山いらっしゃると思いますが、私も最近ようやくそのステージに行けた!と勝手に自負しています。EXOちゃんを微笑ましく見守りたまに育児したがる無責任母の感情が湧くステージ!笑

てことでチャニョル、兵役制度は本当にくたばって欲しいけどこればっかりはしょうがない。よく寝てよく食べて健康に過ごしてくれ。辛い時はG-SHOCKみてギョンス思い出して。というかギョンスからチャニョルにプレゼントとかまさにG-SHOCK(ギョンス-SHOCK)、事件やん。最後まで最高なニョルドをありがとう〜!!もうすぐベッキョンがそっちに行くで〜!(ツラ) 私もなんとか仕事頑張るわ!とりあえず生きて元気な姿をまたライブで見せてね!いってらっしゃい!

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