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トランジションタウン発祥地トットネス🇬🇧

ロンドンから電車で4時間、トットネス という小さな街へ週末旅行に行ってきました。初めてトットネスを知ったのはイギリスに来て間もない頃。面白そう、と思っていたら私の尊敬する人類学者の方も住んでいて、色々繋がったりして。2泊3日のとてもいい時間を過ごしたのでシェア。

トットネスって?

トットネス は西イングランドのデボン州にある人口8000人の小さなまちです。ロンドンから電車で4時間ほどのところにあります。

まず、トットネス というひびきが、可愛くない?笑

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トットネス (とその周辺)を知るキーワード**

トランジションタウン:
トランジション(transition)とは、「移行」や「転換」を意味します。石油等の化石燃料に大きく依存する暮らしから、その使用を大きく減らした暮らしに、住民の創意と工夫で「楽しく」移行しようとする草の根活動「トランジション・ムーブメント」が、2006年にこの町で始まりました。今では世界中に広がっているこの動き。人口8000人ほどのこの小さな町が発祥の地です。地域通貨の発行、地産地消の実現、住民ビジネスの定着など、その多岐にわたる取り組みが行われています。

シューマッハカレッジ:
インド人哲学者サティシュクマール氏を中心として作られている大学。持続可能な暮らしについて考えて実践するちょっと変わった大学で、トトネスにある。

ヘレナ・ホバーグノッジさん:
私が読んで衝撃を受け、その活動に尊敬してやまないスウェーデン🇸🇪出身の人類学者さん。北インドの山岳地帯ラダックに住む人びとと共に暮らす中で見えたコミュニティの変化を捉え、持続可能な社会づくりのために葛藤し活動する方。本おすすめ!

見聞きしたことをいくつか紹介します。

Pay what you feel 

1日目、宿について荷物を置いたら、街のメインストリート「High street」にある教会で面白い活動があるから行ってみて!と言われ、行って見ることに。

来るもの拒まず去る者追わず

ヒッピーの街だったトットネス。
現在住んでいるノーリッチに比べてイギリス人以外の人も受け入れる人たちが多いと感じました。

認め合う、支え合う

上で紹介したPay what you feel の活動もそうですが、支え合うコミュニティ作りが強くあるように感じます。
また、コーヒーチェーンのコスタコーヒーが出店しようとした際には、住民たちの活動によって出店を諦めさせることができたとか。

若い人もトットネス育ちでない人も、トットネス愛がとても強いと感じました。

生きる食べる事の意味。

ここに集まる人たちはみんなととネスが好きだったり、何かを探してこの小さなまちに来ている。
近年ファッションとして流行るオーガニックやグルテンフリー、環境への取り組みを、できることから、本気で地球のことを考えて取り組んでいる人たちに会うことができました。

新しいイギリスの発見

トットネス で出会ったなんども日本を訪れた人は言った

「日本へ行く度に、ますます日本を知らない、と思うんだよね。」

何度訪れても新しい場所、人、文化、食べ物、に出会ってしまい、また行きたくなってしまうらしい。

ボーダーラインの内側も、たくさんの違いがあるのだ。

歩くたびに、誰かに出会うたびに、新しい発見がある。

旅ってきっとそんなものだよね。

平地ばかりのノーリッチと比べ、丘や街のメインストリートも坂道であったり、農業地域ではなく、たくさんの羊が言ったり、wet landと言われる理由を実感したり、また違ったイギリスを見ることができました。 

「幸せってなんだっけ。」を考える週末

大事なことを思い出す時間があるのが旅のいいところ。
泊まった宿のおじさんは言った、
「大事なことって、幸せってなんだっけ。
ほんとは音楽、家族、好きなたちと過ごす時間なんだよね。
物を持っていること、お金、じゃないよね。」

さあ、私のおうち、ノーリッチへ帰ろう。


▼デボン州トットネス
トットネス は、ロンドンから西に電車で4時間ほどの人口8000人の小さなまちです。トランジションタウンという市民運動の動きが始まった場所であり、以前から関心のあった北インドの少数民族の生活様式変化を研究した社会人類学者のヘレナ・ホバーグノッジ氏やインド人の哲学者サティシュ・クマールが運営するシューマッハ・カレッジという大学もあり、イギリス滞在中に一度は訪れたいと思っていたため、週末を使って訪れました。短い滞在ではありましたが、滞在先や街中で地域住民に話を聞いたり、実際に取り組みを行う店を訪れました。

トットネス 城

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▼トランジションタウン
トランジション(transition)とは、「移行」や「転換」を意味します。石油等の化石燃料に大きく依存する暮らしから、その使用を大きく減らした暮らしに、住民の創意と工夫で「楽しく」移行しようとする草の根活動「トランジション・ムーブメント」が、2006年にこの町で始まりました。今では世界中に広がっていますが、トットネス が発祥の地です。地域通貨の発行、地産地消の実現、住民ビジネスの定着など、その多岐にわたる取り組みが行われています。日本では、神奈川県藤野町や熊本県南阿蘇村などでもトランジションタウンの動きがあります。

地域通貨が使用できる店という表示

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▼Pay What you feel の活動
宿に着くと「今日は教会で面白い活動をやっているよ!」と聞きき行ってみると、月に一回の「Pay what you feel」という活動が行われていました。ランチタイムに開催する無料の食事提供で、誰でも入店でき、作られた料理を食べて好きな額だけ払う(Pay what you feel)ことができるというものです。ボランティアによって運営され、材料は地域の農家で収穫後に残った野菜などを使用して作られています。会場では、演奏も開催されるなど、活気がありました。子供からお年寄りまでが集まり、食事をするこのような取り組みがあることはとても良いと思いました。

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▼ゴミゼロのお店(Zero Waste Shop)
オーガニック、環境保護、リサイクルショップなど様々な商店がありましたが、その中でも一つ印象に残ったお店を紹介します。「Earth.Food.Love」という、メインストリートにあるお店で、ドライフルーツ・ナッツ、パスタなどの食品から洗剤・日用品が売っているお店で、商品の多くが量り売りで買うことができ自宅から持ってきた瓶などに詰めて持ち帰る仕組みです。


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▼街の様子について
トランジションタウンの取り組みが始まるずっと前から、ここトトネスはヒッピーの人たちが集まる街だったそうです。観光客も多く、現在住んでいるノーリッチに比べてイギリス人以外の人も受け入れる人たちが多いと感じました。(ノーリッチは観光客の多くはイギリス人、住む外国人の多くは留学生です。)トットネス は人口が少ないこともあり、若い人もトットネス育ちでない人も、トットネス愛がとても強く、支え合うコミュニティ作りがあるように感じました。また、小さな個人経営のカフェが並ぶトトネスに、英国最大のコーヒーチェーンであるコスタコーヒーが出店しようとした際には、住民たちの活動によって出店を中止することになりました。近年ファッションとして流行るオーガニックやグルテンフリー、環境への取り組みを、できることから考えて取り組んでいる人たちに会うことができました。

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参考

・Totnesオススメの場所をgoogle mapにまとめています。
https://goo.gl/maps/kunQzZrKmQo
・ECOネット東京62
第71回トランジション・ムーブメント発祥の地:イギリス、トットネス
http://all62.jp/ecoacademy/71/01.html#CHU2
・トランジション・タウン・トットネスのHP: https://www.transitiontowntotnes.org/外部リンク
・トランジション・タウン・トットネスの活動報告書: So, What Does Transition Town Totnes Actually Do?
・リ・エコノミーのHP: https://reconomycentre.org/home/economic-blueprint/外部リンク
・ローカル・エコノミック・ブループリント: https://reconomyblog.files.wordpress.com/2013/11/td-local-economic-blueprint-final_low_res.pdf外部リンク

・ガーディアン誌 ”How Totnes won fight to keep Costa out of town” https://www.theguardian.com/business/2012/oct/28/totnes-costa-coffee-high-street
→トットネス の街の人々が協力して、地元カフェを守るため、コスタというコーヒーチェーン店の出店を認めなかったという記事です。


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