見出し画像

大学院留学1年のスケジュールと過ごし方振り返り

初めてイギリスを訪れ、留学生活を始めた日から一年以上が経ちました。

「1年は本当にあっという間だった」と
「授業準備や課題など追われる日々からやっと解放される…長かった…」と、少しホッとする気持ちが入り混じります。

これまでの海外生活や留学と比べても、
大学院コースへの挑戦はまた1つレベルが上の大きな挑戦でした。

1)こんな1年でした

画像1

わたしは開発学という経済・社会・環境等社会の発展や変化の中で起こる課題に対し学際的に研究する幅の広い学問を学びました。学問の中心であった途上国の貧困解決や援助にとどまらず、現在は先進国も含めた世界全体がどう持続的に発展していくか、地球規模の課題を解決していくかを考える学問になっています。この学問の発祥地イギリスの中でも留学先のイーストアングリア大学は、開発学の研究が最も盛んに行われている研究機関の一つであることから、最新の研究を学ぶことができました。

さらに、世界中から様々なバックグラウンドを持って集まる学生たちとのディスカッションをすることで学びが多い日々を送りました。例えば、開発を受ける側の国で育ってきた学生と、これまで開発支援のNGOや国際機関で勤務していた人などの支援をする側、受ける側で考え方や視点は異なり、意見がぶつかることも多くありました。日本の大学院でも開発学専攻はありますが、イギリスの植民地であったコモンウェルス諸国を始め、日本での学生生活と比較して多くの国からの学生と交流し、ネットワークを広げることが出来ました。

語学面でも、英語で授業を受け、議論をし、プレゼンテーションを日常的に行い、単に、流暢に語学が上手いだけではなく、どう伝えるか、様々なバックグラウンドを持つ学生たちとどうコミュニケーションをとって進めていくか、ということにも苦労しました。専攻の農村開発学では、これまでの開発事例や課題、成功例から理論を学びながら、さらには、フィールドワークを通してイギリスでの事例を見ることが出来ました。

留学生活後半の3月から9月は、2学期の課題、テスト、ミャンマーでのインターン、修士論文と、前半で学んだことの実践も含む、新たな挑戦が多い期間でした。2学期の課題では、三つの課題でディスティンクションを取ることが出来ました。各授業で求められたプレゼンテーションやテスト勉強などは、世界中から集まる学生たちと協力して進めていく経験を得ました。様々なバックグラウンドを持つ人と共に活動することは、困難もありましたが、それ以上にたくさんの学びを得ることができました。このような経験は、イギリスの大学院で学ぶことが出来て良かったと強く感じた点の一つです。

さらに、修士論文では、文献を使った論文執筆ではなく、インターンを含めたフィールドリサーチを行うことができました。自分の関心テーマにあった教授を見つけ、アドバイスを頂きながら、インターン先を決定し、計画を実施しました。ミャンマー では、ミャンマー 人のみが働く現地NGOにて、インターンとして資金調達と事業計画作成に関わりました。鎖国状態から民主化したばかりの国でイギリスや日本とは異なった生活環境の中、調査の準備から実施までを行い、リサーチ旅行や会議などにも参加しました。大学院での学びをもとに、専門家の方たちと働かせて頂き、とても貴重な経験をすることが出来ました。

2)イギリスでの生活について

初めてのアジア以外の国での長期滞在で、苦労する点も多くありましたが、半年ほどでイギリスでの生活にも自分のスタイルを作ることが出来ました。今まで育ってきた環境と全く異なる地での生活は、自己成長や新しい環境への適応力を高められているのではないかと思っています。この環境適用力は、今後社会で働く上でも重要な力であると考えます。

また、以前から関心のあった気候変動や環境・食の安全に対するイギリス及びヨーロッパでの取り組みを近くで見ることが出来るのも嬉しいです。例えば、プラスチックフリーやオーガニック促進への活動先を訪問したり、1月からは実際にオーガニック野菜を作るコミュニティでのボランティアを始めたりと、大学院以外のコミュニティにも参加することができるようになりました。

さらには、英国のEU離脱など政治的にも注目される時期のイギリスを内側から見ることが出来、大陸のEU諸国と島国であるイギリスの関係を、日本とアジア諸国との関係性と比較しています。これらの学びを生かせるよう、今後も充実した留学生活を送りたいと思います。

留学生活の図書館、レクチャーと家の往復生活から、テスト準備、修士論文執筆と予定が詰まった生活で、「イギリスでの生活をゆるりと楽しむ」ことは決して多くはなかったですが、日本とは異なる気候や生活スタイルを知り、勉強に集中できる1年間となりました。また、イギリスやそのほかのヨーロッパでの、気候変動や環境に対する取り組みを知ることができました。

留学生活でできた世界中の友人たちは、自国に帰ったり、また新しい土地で挑戦を始めたりと、開発学という「答えのない学問」を進めるべく、NGOや国際機関、新たな研究機関でのキャリアを進めています。出会った友人たちとは、すぐに会える距離ではないけれど、インターネットを通して、これからも切磋琢磨をしていきたいと思います。そして、どこかで一緒に仕事ができるよう、私も頑張りたいと思います。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?