PWS
この3文字の略字、ご存じのかたしかわからないのですが、
こちら、「プラダーウィリー症候群」という遺伝子疾患の病名です。
生まれた時から哺乳障がいを持ち、赤子なのに生まれた時から泣きません。
正確には「なくほどの筋力がなくて泣けない」だと思われます。
おかげ様でほかの通常に生まれたお子様持ちのお母さんなんかよりはるかに楽に育ってくれましたし、手のかからなかった子供です。
小さくてかわいくて全然育たなかったです。通常の3か月くらいの遅れがありました。
しかし色々遅れてもやってくる「おくいはじめ」という離乳食の始まりから恐怖が始まります。
それはそれは簡単に体重が増えます。
4歳にして20キロ近くになってしまった私の子供はいったいどうしてこうなった????状態の記憶しかないです。
まず歩けないのにガンガン太ります。ものすごい太ります。
あんなにお医者さんに注意されてたのに、ガンガン太ります。
液体だけの生活の時は太りませんでした。固形物を食べた瞬間から太ります。もうそりゃびっくりするくらい膨らみます。
歩けないのに太るのです、悪循環がすごいです。
母親は食べさせたいけど食べさせられない悩みが大きなストレスになります。爆死モノです。最初でも失敗しやすいですし、2番目のお子様でも注意してても一瞬の油断でどんどん太ります。
16年間育ててきて、最近ようやく一つの結論に達しました。
商店街のあるところに住むのは極めて厳しいです。
私たちは都会のど真ん中に住んでおり、割とそこそこに貧乏で引っ越しの余裕はありません…。なんと都営住宅。わぁぃ。
この子にとってこれほど魅力で溢れ、これほど犯罪に手を染めやすい場所はないのです。
プラダーウィリー症候群の息子と今一生懸命誘惑と戦っておりますが、これほどストレスが溜まり、毎日不安に学校に送り出す…
なかなか、経験できないものでもあります。大人になるよ!
長いながーいストレスの日々、冷蔵庫に鍵をかける、よそ見をすれば兄弟のごはんみんな食っちまう、渡したものは全部俺のもの、足りない分は盗んでまで食べる。そして兄弟に指摘を受ければ暴力をふるう。
我慢ができなければ突然家を飛び出してどこかにいく、みんなで探して大捜索。うちの子だけかもしれない…
ただ、お互いに不満がある。不満があるから爆発する。
諦められるくらい森の中だったらみんな幸せになれるんだろうな…
何も知らない人たちにたくさんのご迷惑をかけてます。
これを入力しながら途方もない時間、彼に時間をかけてきたなと大きいことやら小さいことを思い出す。
何も悪いことばかりじゃない。
人がよいのでとても友達がいるし、優しいし、お手伝いはたくさんしてくれるし(ごまかしはある)、計算はできないようだがなんとかお使いにもいってくれますし。イラストもかわいいし、褒めるところは無限にある。
ただ、ただ、食べ物とのお付き合いだけが死ぬほどつらいです。
遺伝子の兼ね合いなので一生治りません。
遺伝子操作ができる環境でも、遺伝子をいじれば彼は彼でなくなるでしょう。スライムになってしまうかもしれない。
一生彼はこのままです。
一生このままだけど、なんとか、なんとか、大人として一人の人間として育て上げなくてはならない。誤った道がどれだけのものか…
わかってる、わかってるという。
でも絶対わかってない。
小学校4年生の時、学校の送迎のバスがなくなってしまったあの日から始まった恐怖。
私も一生はついて歩けない…
何が何でも私のほうが先に死ぬ。
でもこのままだと彼は私より先に先天的に落ち合わせた遺伝疾患の影響で世界から淘汰されてしまう。
食べ物が彼を欲望のまま生かし、残酷に病魔へと導いている。
食べても食べても満足を得ることができない
見えるものすべて食べたい。
そんな病気が今のところPWSです。
目には見えません。ぱっと見もわかりません。
なんとこの病気、1万5千人に1人。
今はまた数値が変わってるかもしれませんが…。
ダウン症よりはるかに数が少ないです…。
同じ病気の子は実際に会ったことすらありません。
Twitterで同じ病気のお子様をお持ちの方と2人だけ繋がっております。
とはいえ、圧倒的に存在していない…。
たけのこの会はだれもが知るところでしょう。
私はノックをしませんでした。
どんなに悪いことしても、頭が禿げそうなくらいのストレスを親に与えてこようとも、私は彼が大切ですし、守っていきたい。
なんとか突破口を見つけたいけど、無理なら最終的に田舎に行ってみよう!とはなってます。
だがしかし、両親揃って免許もないし、お金もねぇ!!!!
親も生き残ってねぇ!!!! どうしようもねぇ!!!笑
そんなこんなでもう少し掘り下げたものを書けたらいいなと思っています。
記録より、私とあの子が存在したというこの世界だけを残したくて。
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