【スタマイ】昔歳編(瀬尾研究室:後編)を性格タイプで読み解く

瀬尾研の後編が追加されました。こちらも前編同様に分析していきます。
大きく分けると、ひかると志音、志音と宝生、ひかると宝生の関係の話になります。前編ではひかるを中心として早乙女、瀬尾との関係を読み解きましたが、今回は学生組の関係を見ていくことになります。
関係性で見ていくのでストーリーとしては前後する部分がありますが、ご了承ください。

瀬尾研のみんなのタイプ

可愛ひかる:ENTP
宝生潔:ISFP
日向志音:INFP
早乙女郁人:ENTJ
瀬尾鳴海:ISFJ

今回の更新ではやや偏りはあるものの全員沢山登場します。

瀬尾研の時系列を確認

後編を読んだらひかると志音が話している時期が思っていたのと違っていたので、軽く時系列を確認しておきます。
season0だけでなくseason3の内容も含みます。

ひかるの瀬尾研入り(2014年5月)
志音と瀬尾の出会い(2015年夏前)
志音と宝生の出会い(2015年)
志音によって宝生が瀬尾研メンバーに紹介される(2016年正月)
※志音とひかるが写真を発見して昔話をする(2016年3月下旬)
※瀬尾研メンバーで焼肉を食べに行き、帰りに志音が「にーちゃん」を保護する(2016年3月下旬)
宝生が瀬尾研入り(2016年春休み)
season3(2016年4月~)

※は同日のお話

可愛ひかると日向志音は管理関係

関係性のお話に入る前に二人が結託して早乙女をやり込める場面を見ていきます。

志音「パワーハラスメントだ」
ひかる「助教ハラスメントだ」
志音「助ハラだ」
早乙女「何が助ハラだ。毎回毎回しょうもないコンビ芸を披露するな」


志音「……郁人さん。先生みたい」
早乙女「ハハハ。一応、先生だからね。何だと思ってたのかな?」

ひかる「……なんか郁人さんが、先生みたいなこと言ってる」
早乙女「志音と同じ無礼ボケをするな」

このようなやり取りから、ひかると志音は早乙女への関わり方が似ていることが見て取れます。
理由としましては、ひかるは主機能で、志音は補助機能でNeを使用していて、外界を知覚する方法が似ているからです。

といったところでこの二人の関係である管理関係についてお話します。

管理関係は非対称な関係です。管理する側を『監督』、管理される側を『選手』とした時、監督の主機能が選手の弱点機能に一致し、監督の補助機能が選手の主機能と一致します。つまりこの二人の関係では、INFPの志音が監督、ENTPのひかるが選手と呼ばれる立ち位置になるわけです。
この関係はいったいどういうことかというと、監督が主機能を使うと選手は弱点機能を刺激されて居心地が悪くなります。そして監督の弱点機能に選手側はダメージを与えることはないので関係としては非対称になるわけです。

この管理関係がよく分かる事件が起こりました。瀬尾が「にーちゃん」を忘れてしまい、それに志音がショックを受けるところです。
とてもINFPらしさが詰まっているので、解説していきます。

この一件で志音が一番ショックを受けたのは性格タイプを考えると非常に納得できます。
志音は主機能にFi、補助機能にNeを持つINFPです。Fiというのは自分の中にある感情をよく感知できますので、その分傷つきやすくもあります。
同じく主機能がFiである宝生が志音ほど傷ついていないのは、補助機能の違いがあります。補助機能Neはあらゆる可能性を想像させるため、悪い想像や悲しい想像が志音の中に浮かんでしまったのです。

「今の俺の何倍も瀬尾さんはこわい思いをしてるのかもって考えたらどうしようもない気持ちになった」

これがINFPらしさを実によく表している台詞です。

「今の俺の何倍も瀬尾さんはこわい思いをしてるのかも」←補助機能Ne
「どうしようもない気持ちになった」←主機能Fi


「自分の中にあるものをうまく言葉で表せなくて」というのもFiっぽいです。同じく感情を扱う機能にFeがありますが、あちらは基本的に言葉で扱うことができる感情です。

ひかると志音の関係に話を戻します。

志音くんの言う『どうしようもない気持ち』は一体何なんだろうか

志音はFiの話をしています。ひかるの弱点機能であり、一番よく分からないものです。
性格タイプ的に見て、ひかるがこの志音の発言を理解できないのは非常に納得できることでした。

日向志音と宝生潔は類似関係

ひかるがかける言葉を見つけられないでいた時、ISFPの宝生が先に志音の心に寄り添います。主機能にFiを持つ宝生は志音が言っている『言葉に形容できない気持ち』を掬い取ることができるのです。

この二人の関係は主機能が一致しています。そのためよく似ていて仲良くなりやすい関係とされています。

Fi-Te軸のタイプは全体よりも個人の事情を汲み取ると言われています。今回宝生が志音にかけた言葉に含まれているのは、『瀬尾がどのような人物か』です。

「瀬尾さんは……分かってくれる人だと、思う」
「もし分からなくても、分からないまま受け入れてくれる」
「俺は、そうやって……何度も助けてもらってて、だから、」


このように、今までの経験から瀬尾個人を信用していて、それを志音に伝えることで、志音を安心させようとしました。

可愛ひかると宝生潔は衝突関係

衝突関係といえば、前編を読み解いた記事でもお話しました。早乙女と瀬尾の関係と一緒です。互いに主機能⇔弱点機能、補助機能⇔役割機能という状態になっています。
ですので、ものの見え方から考え方まで違います。お互い一番似ていないタイプと言っても過言ではありません。
この二人がどのような関係を築くのかといいますと、お互いのことをよく理解できずにすれ違ってしまったりします

実際にひかると宝生がどのようなやり取りをしていたか見ていきましょう。
※ここから先、ひかると宝生にスポットを当てるため時間が前後します。

まずはみんなで焼き肉を食べた帰り道のところです。
台詞長いので流れだけ要約しますね。

宝生:気にかけてもらってすみません
ひかる:特別気にしてたわけじゃなくて、自然にやってることだから気にしないで

一般的な気遣い(Fe)で見ると、宝生に心理的負荷をかけたくなかったからこそひかるは『なんでもないこと』のように伝えたのでしょう。
しかしそれを聞いた宝生の様子がおかしくなります。

「俺がどうしてもできなかった全部は――可愛さんにとっては全部、当たり前のこと」

ひかるは『ひかるのようになりたかったけどなれなかった』という宝生の事情を知りません。ですので、こうして宝生に言葉が刺さった理由が分かるはずもないのです。
そして宝生から見たひかるがこちらです。

明るくて、優しくて、何をしてもセンスが良くて、自然に人の気持ちに寄り添える。
偉ぶらないのに頼もしくて、頭が良くて、立派で
人に、好かれる。

あの人のやることはいつもそれ以上がないくらいの正解で、理想で……

中でも、『人の気持ちに寄り添える』『人に好かれる』が重要そうです。
ひかるの得意な機能であるNeTiを使用した統計を根拠にして行動を選択しているので、やることが『正解』であり『理想』なのは事実です。
『他人に共感できないから統計でカバーしている』ひかるに対して、宝生は『自然に人の気持ちに寄り添える』と見ているのです。
ひかるの行動は、『統計を利用する』のが自然であっても、『他人の気持ちに寄り添う』のが自然なわけではありません。
他人の気持ちに寄り添うために、ひかるはひかるなりに努力をしているのです。

この辺りがひかると宝生のすれ違いとして描かれているところです。
宝生は独白でこうも言っています。

(俺と可愛さんじゃ、違いすぎるんだから)

これは正解です。使用する機能も内向外向も何もかも違います。宝生がどんなに頑張ったところでひかるのようにはなれません。逆も同じです。
宝生はおそらくFeを使用した気遣いが出来ることを理想としているようなのですが、主機能Fiですので難しいです。できなくはないと思いますが、個人の感情ではなく一般的な感情を考慮して人間関係を築くことになりますので、個人の事情や感情を無視しているみたいで居心地が悪いと感じてしまうような気がしますね。

このひかるへ向ける感情のお話で、少しだけ宝生のことが分かりました。

・期待されていたけれど応えられなかった
・その期待というのはひかるのような人間になることだった

以前のイベスト『控えめサンタと寄り添う1日』でもありましたが、『期待して欲しいし、諦めないで欲しい』が宝生の本音なのでしょうね。

時間を進めて、志音の気持ちに潔が寄り添ったシーンを見ていきます。

(『人の気持ちに寄り添う』って。こういうことなんだろうな)

宝生がひかるに対して思っていたのと同じことを、今度はひかるが宝生に思っているのです。
ひかるにとっては『人の気持ちに寄り添う』ということはFiを使うことの認識なのかな、と一度は考えたのですが、おそらく主機能Feの方々にも同じことを思いそうなので、『特にテクニックを使うことなく感情機能(FeでもFiでも)を使うことができる』というのがひかるにとっての『人の気持ちに寄り添う』な気がします。
ひかるはNeTiを駆使して疑似的Feを作り出してコミュニケーションを取っていますが、宝生のFiは純度100%の本物です。

このひかると宝生の、互いに互いをうらやましく思ってしまっているのはジョハリの窓で言うところの『盲点の窓』が原因にありますね。
宝生はもっと自分のポテンシャルを自認するべきです。ただしポテンシャルを自認するというのは外向的直観Neを使用することになり、宝生の弱点機能に当たります。
ひかるの盲点については後半で瀬尾が言っている内容が当てはまりそうです。

ENTPの可愛ひかるができること

ひかるは本当に視野が広いですね。
目の前にいる志音だけでなく、瀬尾をどうやって良い方向にもっていくのかまで考えています。

瀬尾さんの中に忘れて思い出せなくなることへの恐怖があるとして
その恐怖に優しく寄り添ってくれる人がいるのは、
大きな救いになるかもしれない。
だけどこの問題のゴールは“恐怖の解消”だと思うし
そのゴールに『一緒に恐れる』
だけで辿り着くのは正直難しいと思う。
――なら、次の一手としての最適解は何か?

NeTiらしい思考をベースとした打開策の提案。
ENTPらしいといえばその通りなんですけど、ここまで『他人の気持ちを救う』ためにその能力を使うのは可愛ひかる個人の性格なんですよ。別に瀬尾の恐怖の解消にひかるが付き合う義理はありませんし、しなくたって誰にも文句を言われません。それでも瀬尾の心を救いたいと思ったのはひかるの優しさです。

「『たとえ個としての情報が失われたとしても、その積み重ねから得られたものは失われない』って気休めや感情論じゃなくて事実として共有する」

この発想力、そして早乙女に矢継ぎ早に質問されてもすべて的確な答えを返す力。どのような質問をされるのかあらかじめ想定はしていたでしょうが、それでもひかるの能力の高さは素晴らしいですね。

ここでちょっと先のストーリーの話になってしまうんですが、にーちゃんに会いに行った家で瀬尾とひかるが二人で話す場面を見ていきます。ひかるの盲点を瀬尾が指摘するお話。

君に見えているものがデータだけだなんてそんなことは、絶対にないと思う

どうして?、とひかるがさらに問いかけると、

“データ”とそれを元にした分析は、君の視界のすべてではなく、視界を鮮明にしてきた眼鏡のようなものだと思う

これはつまり、ひかるが今意識して見ている統計の結果だけではなく、それ以外にもひかるが意識していないだけで本当は視界に入っているものがある、ということですね。

早乙女郁人と瀬尾鳴海の過去に何があったのか

早乙女と瀬尾の過去のやりとりがちらっと挟まれました。どうやら早乙女もひかると同じように、瀬尾の記憶を失わせてしまったことがあるようです。

「俺が何をしてもあなたが失った記憶は戻りませんが、その事実に対して謝罪します」

という言い方もまた、劣等機能にFiを持ち、補助機能にNiを持つENTJらしいと感じました。
このことをきっかけにして、早乙女は瀬尾の記憶が失われないように配慮するようになったのでしょうか?

この二人の出会いについては昔歳編では語られませんでしたので、どちらかの本編まで持ち越しになるようです。

可愛ひかるが記憶と思い出の違いを理解する

瀬尾が前編のストーリーでメモを取る二つの基準をひかるに話していました。

①感情が揺れて忘れてしまいそうなこと
②覚えておきたいと思ったこと


(『覚えておきたいと思ったこと』は、瀬尾さんの意志なんだ)とひかるはこの二つの違いを理解します。

さらに続けて、
メモは写真だ。
とひかるはたとえ、
記録のために取る写真と思い出を残すために取る写真があるのと同じ
言い換えると、
記録のために取るメモと思い出を残すために取るメモがある
そして
写真に残らない思い出は記憶に残るけれど、瀬尾さんには残らない

(……特別な出来事じゃないから、メモはきっと残ってない。だから……)

この『だから……』の後に続くのは『(メモにも記憶にも残っていないから)瀬尾さんにはもう思い出が残っていない』といった意味のことになりそうです。ひかるの表情もポジティブなものではありませんし。

ここでひかるは、記録は『ただの記憶』であり、思い出は『覚えておきたいという瀬尾の意志が含まれている』と理解したようです。
こうして『ただの記憶』と『思い出』の違いを自分なりに解釈しました。

どうしてひかるは突然理解できるようになったのでしょうか?
実はこの直前、ひかるは瀬尾に研究者として見てもらえてることが分かり、嬉しいと思いました。ここでひかるの急所機能のFiが刺激されています。嬉しいと感じ、瀬尾のようにメモを取りたいと実体験したことで、瀬尾の立場に立って物を見ることができるようになりました。ENTPであるひかるのFiは非常に弱いため、想像や予測などの発展的使用はできませんが、自分で体験したことなら理解できるのです。

早乙女とのやり取りを思い出して瀬尾に壁掛け時計の曲名を伝えるひかる。ひかるはこの時、

それをどうして今、
伝えようと思ったのか
自分でもよく分からなかった。

分からないまま、
気付いたらその言葉が
零れていた。


と言っています。
これはひかるの急所であり、使うのが非常に難しいFiが使われた結果です。
弱い機能ですので、自分でもどんな風に使われているのかをきちんと把握するのは難しいようですね。

まとめ

今回も中心は可愛ひかるでした。前編では先生組との対比、と後編では学生組との対比が描かれていました。
瀬尾とは似ていないようで似ている、早乙女とはぱっと見近いものがあるけれど考え方が相容れない、志音とは距離を置けば楽しめる仲だけど本気でぶつかる場合にはひかる側がついていけなくなる、宝生とは大部分ですれ違う、という感じになりました。
よく使われる言葉ですが、「配られたカードで勝負するしかない」という言葉があります。ひかるはそれを実践していて、得意な機能であるNeTiで統計を使い生活を送っています。対して宝生は自分に配られたカードを把握できず、あまり得意ではないことをやろうとしてしまっています。
宝生の性格タイプはキズナストーリーやプライベートストーリーから考えるとISFPですが、他のストーリーで見るとあまりISFPに見えないことが多くあります。というのも宝生はこの26人のヒーローの中でトップクラスに不健全な状態だからです。(ちなみにかなり状態がいいヒーローは、パワーに感情を乗せる桐嶋(ESFP)とぶれない信念を胸に我が道を行く由井(INTJ)です)
性格タイプに優劣はありませんが、不健全な状態より健全な状態の方がいいのは確かです。この健全、不健全の差がひかると宝生の差になっている気がしました。今後、玲と関わることで宝生の不健全さが解消されることを期待します。

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