【スタマイ】【SEASON1】STAGE1~STAGE10を分析

STAGE1~STAGE2

スタンドマイヒーローズのメインストーリーのプロローグ部分ですね。物語を大きく分けた時の『起』に当たります。
STAGE1ではヒロインである泉玲の現在の立ち位置、そして今後スタンドに携わっていくための動機を開示しています。この動機の部分が重要でして、「マトリとして失敗してしまった。もう失敗しないために成長したい、失敗を挽回したい」という感情を与えるためのストーリーとなっています。

STAGE2では初めてSTAND(STand Alone National Department:独立捜査部)の名前が出現します。このスタンドというのは、未解決事件の解決を目的として、国と民間から能力ある人間をスカウトして組織されます。
この組織を紹介すると共に、マトリのメンバーの性格や関係性も表現されていますね。もともと『ドラッグ王子とマトリ姫』という別アプリがあり、そこですでにキャラクターは出来あがっているので、『スタンドマイヒーローズ』の方でわざわざ一人ひとりを個別に紹介することはないのでしょう。(SEASON2でマトリのメンバーも少し深堀されます)
STAGE2の前半ストーリーの最後の方の独白にある、「他の真っ当な手段でマトリになった人に追いつきたければ、同じ環境にいては難しい」という部分ですが、これは泉玲の劣等機能であるTiが使われているように見えますね。主機能であるFeを支えるためにTiで行動を制御しています。
そして後半部分では服部さんに対して「私を利用してください。そうしたら、私もその機会を利用して一刻も早く有用な人材に成長できるよう努めます」というT(Teにも思えるし、Tiにも思える)を利用して説得にかかります。服部さんはTeの使い手なので、このようにTを使用した交渉は内容が伴っていれば効果があります。
そしてこの交渉の結果、玲は仮所属となりスタンドの候補者をスカウトする業務を与えられ、やり遂げた暁には正式にスタンド所属捜査官になれるということになりました。

こうして玲がこれからスタンドの仮所属としてスカウト業務にあたることが決まりました。
このSTAGE1とSTAGE2だけでも

起=玲が仕事で失敗する
承=落ち込む
転=スタンドという組織について知る
結=スタンドの仮所属になりスカウトをすることになる

という起承転結があります。
といってもメインストーリーの中では起の起の起くらいの位置づけでしょう。

STAGE3

STAGE3はストーリーとして独立しています。玲の物語ではなく、ヒーローズの方のお話です。

STAGE3の前半は捜査一課、Revelの、後半は都築兄弟、九条家のやり取りですね。
捜査一課は朝霧は辛辣、菅野は明るそう、服部は玲の話を聞いて面白がっている、荒木田は口数が多くないがマトリに期待していない、といった程度のことが伝わってきます。

RevelはまだRevelという名前は出てきませんね。とりあえず会員制のバー集まる偉そうな男たち、ぐらいしか伝わってきません。
あと、もうすでに様々なストーリーを読んでいる身としましては、槙の「寄って来る女がうざすぎた」とか神楽の「とりあえずビール」「牛乳? オーガズム? カルアミルク? ピニャコラーダ?」というセリフに違和感ありました。今よりもストレートに思っていることを言葉に出すんですね、このころの槙は。そして神楽が一杯目にビールをチョイスしているのにも驚き、さらにものすごく大事にしている槙に対して挑発するようなセリフにはもっと驚きました。あと、神楽が嫌いなものを勧めたのか、好きなものを勧めたのかが、「……ふざけんな」という槙の反応だと分からないですね。
このRevelのやり取りからは、大谷(まだ羽鳥という下の名前は出ていない)がチャラチャラしている、槙と神楽は女にあまり興味がない、桧山がまとめ役、四人は情報屋である、というところでしょうか。
情報屋である、とユーザーに知らせるためなのは分かりますが、神楽が女性の価値を情報で計るのは今となっては意外ですね。キズナストーリーなどを見ていると、神楽は女性の価値をファッションなどの魅せ方で計っているように思いますので。


さて、後半の内容に話を移します。
都築兄弟については、妹が入院している、京介が「抱かれたい男ナンバー1」、月9主演である(→人気俳優と推測可能)、誠は「青春小説の神様」、人気小説家、ということが文章からストレートに分かりますね。そして地の文の表現から、京介は愛想は良いけど裏表があること、誠は『人気小説家としての自分が誇らしくない』こと、京介は誠の内心を把握できていないこと、が読み取れます。

続いて九条家のお話です。九条家に黒い噂があること、桐嶋が感情をストレートに表現するタイプであること、九条が病弱であること、新堂が医者であること、がやり取りから推測できますが、都築兄弟の時のようにストレートな表現はされていないので、この時点では確定は出来ません。

このSTAGE3は前半も後半もストーリー性はなく、どのような思考、態度、人物、関係なのかを表面的に開示しているのみとなっています。

STAGE4~STAGE10
ACT.01 警視庁捜査一課 朝霧司

ここから朝霧に焦点を当てたストーリーが始まります。
朝霧は冷たくて厳しい言葉を玲に向けて放ちます。全然打ち解けようとしません。
朝霧は「あなたがスタンドに関わる限り俺はこの仕事を降ります」と宣告しました。優秀であり、自分が人材として必要とされると確信しているからこそ、このような強気な交渉ができるのでしょう。荒木田が(……始まった)と思っているので、過去にも朝霧はこうした態度を取っていたことがうかがえます。
なぜ玲を拒否するのかという青山の質問に対し、朝霧は「能力のない人間が半端な仕事をするのが目に見えているからです」と返しました。
STAGE1の時点で『正義の味方』という言葉がすでに出てきていますが、このメインストーリーのテーマは『正義』です。たくさんの人がそれぞれの正義を軸として行動しています。基本的には正義と正義のぶつかり合いで物語が進行していくので、今回は朝霧の正義を理解してそこに玲の正義をぶつけるような形になります。
菅野から情報を貰ってやって来た先で、朝霧が犬と戯れる姿を目撃しました。ここで朝霧は「あなたみたいなか弱い女性は男社会の警視庁には不似合いだ」とサラッと言っています。ここの発言は、朝霧編の最後で玲がする解釈を使って内心を理解すると意味合いが変わって見えます。
朝霧から治安がよくないから気を付けるように忠告をされます。この辺りのやり取りで玲の認識も変化し、「思ったよりも悪い人じゃないのかもしれない」という独白が入ります。ここが朝霧という人物の掘り下げになります。
そしてこの直後、玲は不審者に襲われることになりました。急展開です。先ほどの朝霧の言葉は『朝霧の別の一面を表現』『玲が危険に巻き込まれる伏線』の両方を果たしていたことが分かります。
朝霧の恋人だと勘違いされて拉致された玲は、強気に振る舞い状況を打破しようとします。この辺りはさすがマトリといったところでしょうか。基本的に優秀なんですね。
拉致された玲のもとに朝霧がやってきますが、要求をのむことなく強気な姿勢を崩しません。
朝霧のストーリーが始まったばかりの頃に夏目の発言にありましたが、ここでも朝霧の『育ち』について言及されています。
玲は自分の手足の拘束をこっそり外し、朝霧にただ守られるだけの存在ではないことを見せます。
朝霧は玲を認め、スカウトを受けることにしました。
チェックの最後で玲は朝霧をこう理解します。「すべては、優しさだったのだ、と」
朝霧は最初から一貫して「能力のないものは必要ない」というスタンスを取っていますが、玲の最後の解釈からも分かる通りで、「弱い者を危険にさらしたくない」という思いからきています。それが朝霧司の正義です。それに対して玲は自分が弱い存在ではないということを示し、朝霧に認められることになったのです。

起=朝霧をスカウトしたいが拒否される(STAGE4、STAGE5)
承=朝霧の噂やプライベートの開示(STAGE6、STAGE7)
転=玲は拉致されたが、朝霧に能力を認めさせる(STAGE8、STAGE9、STAGE10)
結=朝霧がスカウトの話を受ける(STAGE10、チェック)

朝霧司編はこのような流れとなっていました。
端的に言うと、スカウトの話を受けてもらうために、朝霧を理解して認めてもらうというお話でした。
まだ始まったばかりなのでキャラクターの掘り下げに終始している印象です。本筋に関わる事件を取り上げるのは、まだもう少し先になります。

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