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プレイ記録「Little Witch Nobeta」

難易度アドバンスドでクリア。
Steamのプレイ時間記録が21時間。これはアーリーアクセス段階で5周ぐらい遊んだのも含まれているので、実プレイ時間でいえば8~10時間ぐらいだと思う。

アーリーアクセス初日、Steamの「Loli Darksouls」のひとことレビューでプチバズを起こしたリトルウィッチノベタ。さてその実態は…?


※「キャラがかわいい」は1000000回言われてるポイントなので省略。
今更僕が言うまでもないよね。


よかったところ

キャラクターが”動く”こと

このゲーム、アクションの手触りがマジでいい
ダッシュの速さ、慣性の乗り方、魔法選択UI、ロックオンやエイムアシスト、その他もろもろ、かなりこだわりを持って作られているであろう細かいゲームの動作が気持ちいい。
インディーズのゲームでこれだけ完成度高いアクションゲームを作ったのはリトルウィッチノベタが初だと思う。大手会社のゲームでもこれぐらいしっかり動いてるアクションはあんまりないかも。作り込まれているし、バグも少ない。
キャラクターが歩くだけで感動する。大げさかもしれないけれど、それぐらいすごいゲームだった。


バトルアクションもかなり良い

ソウルライクとしては随一の完成度。ちゃんと面白くて、独自性がある。

主人公ノベタは魔女なので魔法が使える。リトルウィッチノベタは魔法攻撃を駆使するアクションゲームだ。
魔法は強い。けれど魔法はMPを消費し、すぐ枯渇する。

このMPを回復する手段がざっくり3つあって
敵の攻撃をジャスト回避する
敵の攻撃を魔力吸収陣(ジャストパリィ)で防ぐ
敵に近接攻撃でダメージを与える
のいずれかで大きく回復ができる。
これには敵に近寄ったり敵の攻撃に晒されたりする必要があるので、リスクのある危険な行動を取ることでMPを回復できると言い換えることができる。積極的なプレイに対するご褒美というわけだ。

で、さらに「詠唱」という独自システムがある。
詠唱システムをざっくり説明すると
詠唱状態に入ることで詠唱ゲージを徐々に溜めるシステム
・詠唱中は移動速度が下がるが、近接攻撃や回避などのアクションができる

詠唱を完了すると大魔法(仮称)を1回だけ放てる
詠唱完了~大魔法発射までの間、ノベタがヤバいぐらい強くなる
上記のMPを回復する行動を取ると詠唱ゲージが急速に溜まる
といった感じのシステムだ。

これを組み合わせるとどうなるのか?
鉄火場にあえて飛び込み、敵の攻撃をヒラリとかわしながら大魔法を乱射する魔女」が誕生する。これがリトルウィッチノベタだ。


ソウルライクの金字塔であるダークソウルというゲームは、良くも悪くもかなり硬派なゲームで、「回避とガードで攻撃をやり過ごし、隙を見て弱攻撃でチクチク削る」という地道な絵面が続くゲームだけれど、それに対してリトルウィッチノベタは「回避と弱攻撃で詠唱ゲージを稼ぎ、大魔法で反撃する」ゲームなので、やってることの大本が同じでも、絵面がたいへんカッコいいし、敵の攻撃を回避している時の気分が全然違う。
ダークソウルでは苛烈な連続攻撃で回避ばかり強要させられると「クソ行動」「クソボス」なんてプレイヤーに罵られる。でもリトルウィッチノベタで同じことをやれば「MPを大量に得るチャンス」になるわけだ。大量に得たMPでいくらでも手痛い反撃を繰り出せる。
とてもいいシステムだと思う。

回避とか近接攻撃とか、そんな危険なプレイングをせずに「敵から走って逃げ回り、安全な位置から魔法でチクチク戦う」こともできるけれど、MPの仕組みによってそういう消極的なプレイに限界を設けてあるので、敵と肉薄したダイナミックな戦い方に誘導している。
また、魔法を使わずにR1ボタンの近接攻撃だけで戦うダークソウルチックなプレイも不可能ではないけれど、ノベタは非力な女の子なので近接攻撃単体ではかなり弱い。
などなど、ゲームシステムに参加する動機がかなり多い


魔法にも属性があり、プレイスタイルを様々に選ぶことができる。
・シューティングとヘッドショットのアーケイン
・手堅い防御とホーミングのアイス
・近接戦闘と広範囲攻撃のファイア
・スピードと安定重視のサンダー。
どれも使う意義があり、また敵の防御タイプによって属性を選ばされることもない。ここはプレイヤーの好みに委ねられる。好きなプレイスタイルで遊ぼう。イフリートにファイアを撃ってもいい。

属性ごとのバランスも、プレイ時間や魔法レベルのアップを経るうちに「アイス強すぎない?」から「サンダーやりすぎじゃない?」になり「ファイアこれ許されるの?」に遷移し、ラスボス戦で「アーケイン強いわ」と僕の評価が変わっていったので、たぶんすごくよく出来てると思う。


マジでアクションとバトルシステムは100点。ここ最近のインディーズのゲームでトップクラスに面白かった。

でもジャストパリィとジャスト回避を複合入力できることはナイショだ。


よくなかったところ

言いすぎかもしれないけれど

それ以外のすべてがよくなかった。
これもマジ。

ストーリーとか、フルボイス収録とか、落ちているアイテムのフレーバーテキストとか、いろいろと世界観を作ろうと努力しているフシは見られるんだけど、どれもイマイチであまりゲームへの没入感には繋がらなかった。
特に声の演出についてはいろんなところで散々言われているのでここでは割愛。詳しくは各自ググってほしい。

アイテムやレベルアップなどのUIがかなりチープで、「ああ、インディーズなんだな」という気持ちにさせられるし、ゲーム全体のボリュームも限られていて、満足に楽しむ前にクリアした感もある。モブの種類が貧相でダンジョン攻略がワンパターン化しやすく(サムくプレイするならサンダーを詠唱して走り抜けるだけでほぼダンジョンは突破できる)、追加ダンジョンも含めてアーリーアクセス版からあまりゲームが広がった感じがしなかったのがとても残念。

このゲーム性でもっとやりごたえのあるダンジョンやボスが欲しかった。このゲームの評価はこれに尽きる。
ラスト付近のとある雷属性のモブはかなりイカれた性質だったけれど、苦戦したのはそれぐらいじゃなかろうか。ちなみに攻略方法は「サンダーを詠唱して走り抜ける」だ。


で、これはリトルウィッチノベタに限らず大手の海外産ゲームでもままあることなのだけれど、フォントがダサい。安易にゴシック体で済まされるとそれだけで没入感を大きく損なう。これは声を大にして言い続けたい。フォントにはこだわってほしい

おわりに

クリア後のご褒美がショートドラマムービーだったり、漫画化やアニメ化などのメディア展開を積極的にやっていたり、かわいいキャラクター達を売ることにすごく熱心なゲームだけれど、アクションゲームとして随一の完成度であったので、僕はこのアクションを設計&実装した人がちゃんと報われてほしいなと切に願っている。
欠点をキツめに書いたけど、アクションゲームだけで見るならかなりオススメの作品。フルプライスの値段に見合うかは…人次第かな?

続編や、この開発スタジオの新作が来たらかなりやりたい。でもメディアミックスに手いっぱいで、しばらくは望むべくもなさそうだなぁ。