クラウドファンディング終了直前!活動のご報告⑧:稲葉可奈子
みなさまこんにちは、みんパピ!代表の稲葉可奈子です。
本当に多くの方がみんパピ!を応援して下さり、心より感謝申し上げるとともに、これだけの方がこの問題にご理解、共感して下さっていることがとても感慨深いです。
すでにチームのメンバーが今日まで毎日それぞれの想いを書いてくれており、みんパピ!の理念や目指すところは十二分に伝えられています。
まだお読みでない方は、ぜひメンバー全員の記事をお読み頂けますと幸いです。
データは数字ではなく1人ひとりの『命』です。
子宮頸がんで亡くなる方は年間約2900人、1日あたり8人、
子宮頸がんのために子宮を失う方は年間約1万人。
つい『数字』でとらえてしまいますが、
その数字の1つ1つは、1人の女性で、1つの『命』です。
それは、だれかの母であり、だれかの娘であり、
もしかしたら、自分の娘かもしれないし、
自分かもしれません。
医療において『エビデンス』は非常に重要です。
みんパピ!も、エビデンスに基づいた正確な情報をお届けすることにとてもこだわっています。
ただ、みなさん1人ひとりにとっては、データ上の数字では、なんだか自分には関係のない世界の話のように聞こえてしまうかもしれません。
子宮頸がんの怖いところは、ありふれたウイルスにより、だれにでもおこりうる病気であるということ。
データ上の数字の1つ1つが1人の女性であり、それが自分になるかもしれないし、自分のパートナー、自分の娘がその『1』になるかもしれません
そのことは、1人ひとりにとっては、エビデンスよりも大事な事実です。
病気を治すだけが医者の仕事ではない。
わたしは産婦人科医として毎日、外来診療や手術で患者さんを治療しています。
治療により患者さんが元気になるのはもちろん喜ばしいことです。
一方で、病院にいるだけでは、病気になってから、症状がでてから受診される患者さんにしかアプローチできません。
予防できたかもしれない病気の患者さんに出会うたび、病気になる前に、予防についての情報を届けることができていれば、、と、とてももどかしく思います。
その1つが、HPVワクチンです。
もし今の日本の状況を見過ごしていたら、将来、他の国では子宮頸がんの患者さんが減ってくる中で、日本の産婦人科医だけが今と変わらず子宮頸がんの治療をすることになり、そのたびに、後悔の念にかられるでしょう。
『健康を守る』という意味で、
予防についての情報を届けることも、医者の大事な役割です。
しかし、医者の力だけでは、情報をうまく届けることができません。
行動科学の専門家がメンバーにいることは、非常に大きな強みです。
知らずに後悔することのないように
予防できる病気はぜひ予防してもらいたい、心からの善意で発信している医師は多いですが、もしかしたら、一方的な押し付けとなっているかもしれません。
医者がよかれと思っておすすめすることが、必ずしも、一般の方にとって受け入れられるものとは限りません。
病気でも元気な方、幸せな方はいらっしゃいます。
病気になることが悪いことではありません。
ただ、子宮頸がんや前がん病変で通院中の方はほぼもれなく、娘には同じ想いをさせたくないので、と、娘さんへのHPVワクチンの接種を積極的に検討されます。
また、みんパピ!のクラウドファンディングには、子宮頸がんで大切な人を亡くされた方々からのメッセージが多数寄せられています。
病気になられた方の本当のツラさ、周りの方の本当のツラさは、なられた方にしか分かりませんが、その言葉には、医者の言葉とは比べものにならないほど重みがあります。
勇気をもってその想いを伝えて下さる方々の声もみなさんに届けていきたいと思います。
情報格差からの健康格差が生じないように
高校生にHPVワクチンについてお話しした時に、高校2年生以上の子たちが口をそろえて『去年この話を聞いていたらぜったいうちにいったのに!』
と言うのを聞いて、本当に申し訳ない気持ちになりました。
何年も前から、わたしを含めて多くの先生方が、HPVワクチンの正確な情報を発信すべく取り組んできましたが、まだまだ届いていない方々がたくさんいます。
定期予防接種というのは、だれもが無料でうつことができる、公衆衛生上の大事な制度です。
にもかかわらず、情報が届いている人しかその恩恵を受けられていない現状は、まさに、情報格差からの健康格差につながりかねません。
広く公平に、情報が正確に届くように、『みんなで知ろうHPVプロジェクト』の名の通り、みんなが知ることができるよう、みなさまのご支援をもとに、みんパピ!は活動していきます。
みんなのみんパピ!です
いつもは簡潔な文章を心がけているのですが、すみません、今日だけは長くなってしまいました。
まだまだ書ききれない想いはありますが、最後に、
みんパピ!は予想以上に順調なスタートをきることができましたが、
これはみんパピ!メンバーの努力だけでは成しえなかったと思います。
これまで、まだ世論の逆風の中にありながらも、地道に啓発を続けてこられた先生方のおかげで、少しずつ少しずつ世論の風潮が変わってきたちょうどそのよきタイミングであったという相乗効果で、これだけのご支援を得ることができたと思っています。
ここがみんパピ!のスタート地点ですし、
これからの活動も、みんパピ!だけで成し遂げられるものではなく、
これまで活動されてきた先生方も、
そして、これまではHPVワクチンに積極的でなかった先生方も、
日本全国の先生方のご協力が必要です。
すべては日本のこれからの世代を守るために。
みんなで、みんなに、伝えていきましょう。
みんパピ!みんなで知ろうHPVプロジェクト 代表
稲葉可奈子
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