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前田健太トミージョン手術

ミネソタ・ツインズの前田健太が肘の手術でシーズンエンド.前腕の張りで何度も降板したり離脱していたこと,今シーズンはたびたび平均球速が90MPHを下回っていたことから予想はされていたが,トミー・ジョン手術を受けることになった.現地9/1に手術は成功した.


今回の全治は9−12ヶ月になるかもしれないと予想されている.ご存知の方も多いと思うが,近年トミー・ジョン手術は通常15ヶ月ほどのリハビリ期間を設けることが一般的だが,前田はInternal Brace(日本語で言うと内部の筋交い?)の措置も受けているため全治が早まる可能性があるらしい.

Internal Braceとは?

通常のトミー・ジョン手術は肘の骨に穴を開けて足や利き手と逆の腕から摘出した靭帯を結びつけることで修復する手術である.以下の記事によると,Internal Braceはコラーゲンなどの繊維で作成したテープで貼り付ける手法らしい.修復した靭帯の耐久性や復帰後のデータは未だ少ないようだが,低侵襲な靭帯修復により損傷の度合いによっては復帰まで半年程度のリハビリ期間に収めることができ,今後発展していくことが望まれる術式である.

過去にInternal Brace手術を受けた投手

Internal Brace手術この手術を受けた選手として,メッツに所属しているリッチ・ヒルが挙げられる.ヒルは39歳当時の2019年10月に肘のない腹側副じん帯の断裂が見つかったためInternal Braceによる肘の靱帯修復手術を受け,リハビリ期間を早めた(ヒルはトミー・ジョン手術を受けていない).2020年6月ごろに復帰できる予定となっていたが,ご存知の通り2020年はシーズン開幕が7月後半までずれ込んだため、肘の手術による離脱期間は発生しなかった.2020年〜2021年シーズンまで肩の疲労によるIL入りはあったが,それ以外は問題なく投げているように思える.実際はヒルの平均球速は確実に下がっているが,41歳の年齢のせいなのか手術のせいなの不明である.

前田健太の今後

前田はドジャース入団時に結んだ格安の8年契約が2023年で終了することから,早めに手術を受けてリハビリを契約期間に充てたいという希望もあっただろう.新手法の手術により2022年に投げられる可能性はあるが,ほぼ間違いなく2023年に復帰してFA前年を万全に過ごす準備をするだろう.リハビリに一年を費やしても契約が残っている前田は幸運で,例えば,松坂大輔はリハビリが契約最終年にかかったために以前の術式で12ヶ月で復帰したがそれ以前の投球を取り戻すことはできなかった.

本人が語っている通り,速球の球速を追い求めるタイプの投手ではないのでトミー・ジョン手術の影響による球速への影響も少ないだろう.一年以上前田の投球を見られなくなるのは辛いところだが,2023年に期待したい.


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