そこにあるノンフィクション
ある日のお昼時梅田の歩道橋に沢山の人がいたんだ、皆スマホをデパート屋上にむけ何かを撮してる。私はいつもの場所で休憩しながらその光景を眺めてる。歩道橋には人だかりが増える、日陰に座りながらデパートを眺め。ふいに周辺に広がる悲鳴。同時にデパート屋上から落ちていく人。まるで映画のワンシーンのように。その光景をずっとスマホで撮り続けている人達。数分後救急車とパトカーが走っていく。16階から身を投げたのだから生きているはずもないのに、無事を祈ってしまう。それから少しづつ広がるネットの中のニュース。事実なんてそこにはないのに。飛び降り転落するまでの動画をあげる人もいる。胸に広がる表わせない気持ち。しんどくてしんどくてどうにもできなくてあの人はあのデパートから身をなげたんだ。スマホ越しにフィクションされるノンフィクション。なぜあの出来事を撮り続け。ネットに流せるのだろう。名もわからないあの人をこれ以上傷つけないで欲しい。当たり前のように広がる日常。少し前そこであった悲劇を忘れていく人々。あのデパートをみるとあの瞬間が思い出される。
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