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瞬きする間に

働き、暮らす場所をここに構えるまで、
山は紅葉がいちばん綺麗なんだと思っていた。

秋の山はもちろん映えるけれど、
山桜が咲く4月、新緑がまばゆい5月は、
山を眺めているだけで顔が緩んでしまう。

まさに、「山笑う」春。

***

暮らし始めて2ヶ月。
ご近所さんに恵まれて、いろんないただきものを手にしている。

白菜の花は、菜の花と似ている。
食べれる花束をいただいたときは、ここへ来たことを祝福されている気分になった。

ツナと炒めてパスタにして食べたら、
ちゃんと生きている野菜の味がした。

「野菜足りてんの!」といただいた、てんこ盛りのお野菜たち。

「着いてくる?」と誘われ、のこのこ着いて行った先は竹林。
「よっこいしょ!」と掘り起こした大量の筍は、一人で食べきれるはずもなく、職場のみんなにおすそ分けした。

筍のあく抜きなんて初めてしたけど、
風味を落とさず食べるにはまだ一工夫必要そうだ。日々練習。

***

1週間経つと、まったく違う表情を浮かべる里山には、日々どきどきわくわくさせられる。

瞬きの間に見逃してしまう景色がある。
旬の食べものも、咲く花も、虫の種類も。

こんなにも見逃したくないという気持ちになるとは思ってなかった。

四季の移ろいの機微に気付くこと。

ここに暮らす豊かさや面白さは、この気付きから生まれるのかもしれない。

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