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氷と炎の歌シリーズに手を出した話


本屋の店頭で表紙だけは見知っていた。
何度かKindleのセールで買ってみようかと思ってはいた。
Amazonプライムビデオで先に「ゲームオブスローンズ」を見ようと思ったこともあった。
しかし、なかなか可処分時間を取れずに先延ばしになっていたが、先日の早川SF(海外)がKindleで半額セールだった際に積んでおいたのだ。

SFといっても本格的なファンタジーに手を出すのは初めてかも知れない。騎士が剣で切り合うタイプはそういえば、記憶にない。今回読んだのは、一番導入になる「七王国の玉座」。
上下巻からなる本作は、いきなり重めな出だしで政治からスタートしていく。物語は海外ドラマのようにチャプターごとに主人公が切り替わっていく。今回は(?)スターク家の皆さんとターガリエン王家の生き残りデナーリスが主人公格だ。

七王国の玉座というタイトルだけど、ターガリエン王家が統一していて、スタークの殿様が現在の王様であるロバートとともにターガリエン王家を打倒している。その際に父王と兄を殺されたのがデナーリスだ。デナーリス自身はまだ生まれておらず七王国の大地のことは知らない。いわゆる宰相のことは「王の手」と言われているが、急死してしまい次の「王の手」としてスターク家を訪れるところから物語が動き出す。

押し寄せる数多の人名や地名に戸惑ってしまう。更にはじめの方は導入ということもあってテンポも重めですっと入って行きにくい。物語が動き出し、読んでいて引き込まれていくのは下巻に入る頃だろうか。その頃にはかなり世界観を受け止められるようになっていく。今回は権謀術数渦めく宮廷が舞台になるチャプターが多く、派手なシーンが少ないこともその一因になっている。また、すっとわかるようなキャラクター造形ではないが人間の弱いことをしっかりと書き出していたり、不確定要素が多く人間の解像度が高い。少しずつキャラクター像が自分の中に蓄積されていくのが心地よい。上下巻を読み終わった時点ではまだまだ「あいつ、こういうやつだよね」とキャラクターの成長が止まることなく次を期待させられるのだ。今作でも終盤に向かうにつれて、なんとなく落ち着きつつあったキャラクター像が、再び進化を見せていく。

ストーリーもこちらの期待を裏切って進んでいく。序盤から中盤にかけてうっすらイメージしていた方角と全く違う方向に物語の舵は切られて、さあこれからというところで次の章へ、となった。

正直、つまらなかったら次は買わずにと思っていたが次を買うことを決めてしまった。あとはいつ頃買うかくらい。年始には資格受験も考えてるし、タイミングは考えて買おう。

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