観測できないものをみる力
こんにちわん。
現代の医療はテクノロジーの進歩によって、ものすごく進んでるよね。
日常的によく使う体温計、血圧計からはじまって、病院で精密検査に使われるMRIやレントゲンなんかもある。
色んなものがどんどん計測できるようになってきているよ。
そして、このテクノロジーの進化した現代において、僕たち医療従事者に求められている力が大きく2つあるんだ。
「データを読み解く能力」と
「データになってないものに気付く能力」だよ。
医療者は、大体この2つの能力を使ってその人の身体の状態を判断して、診断をしてる。
だからどちらの能力も、医療者にとっては必要不可欠な能力と言えるね。
でもこの2つの能力の習得の仕方は全く正反対なんだよ。
1つ目の「データを読み解く能力」はやり方を教えることが出来る。
人に教えてもらうこともできるし、本を読んで勉強してもいい。
学べば誰でもできるようになるものなんだ。
でも、2つ目の「データになってないものに気付く能力」は、
なかなかやり方を教えるのも難しいし、本にも載ってない。
情報を頭の中に入れるだけで出来るようになるものではないんだ。
感じることでしか感じられないもの。
っていうと分かりやすいかな?
思考ではなく体感で気付くというイメージなんだ。
急に突拍子もないオカルト話をしてるんじゃないよ、その場に無いはずのおばけを見えるようになるってことではなくて、
目の前にあるのに自分が気付いていない現象に気付けるようになるってだけのことなんだ。
例えば、はじめて自転車の練習をした日のことを思い出してみて?
はじめは乗れるわけないって思ってても、分からないなりに乗ろうとして、
実際に乗ってみると、だんだんコツが掴めて乗れるようになってくる。
自分の頭の中の自転車に乗ってるイメージと、実際の体感が結びついてくるんだ。
見えないものに気付く能力も、これと本当に同じようなもの。
分からないなりに感じようとし続けることで、感じられるようになってくるんだ。
実際、
すごい医療者や、すごい治療家の先生たちは、治療法自体がすごいというよりも、他の人が気付けないものに気付けるから、すごいんだよ。
他の人の気付かない変化に気付いて、他の人がやらない治療をするんだ。
治療のアプローチ方法の側面がまず全く違うってことだね。
これから検査機器が発達してくると、
データ化、数値化、観測は誰にだって出来るようになるよ。
だから1つ目の「データを読み解く能力」を磨いても、最終的には機械に追い抜かされて、その人の長所でも特殊能力でもなくなってしまう。
だからこそ、未来の新しい治療を提供していく医療者になるためには、
2つ目の「データになってないものに気付く能力」が必要なんだね。
目に見えない、数値化できないものを見抜く能力を伸ばせば伸ばすほど、検査機器が発達した将来、ものすごい医療ができる可能性を秘めてるんだ。
だって進化した精密なデータ情報と同時に、テクノロジーでは観測し得ない情報を取り合わせて診断することが出来るもんね。
人間が感じ取ったものを数値化するために、テクノロジーは発達していくんだ。
だから、まだ科学になってない。
そんな未科学の世界を突き詰めていけるといいなあ。
みんなも、目の前にあるのに自分が気付けてない現象に心を向けて生活してみてね。
感じようとすることで、感じられるものもあるよ。
そうやって生活してると、自分でも気付かないうちに、目に見えないものを見る能力が身についてくるからね。
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