「番町小学校創立百周年記念 番町百年のよろこび」(1972年?、日本)


番町小学校は明治時代に学校制度が定められた際に日本で最初に創立された都内の小学校のうちの一つである。歴史ある、由緒ある小学校ということもあり、令和の今でも公立の小学校の中ではかなりの名門らしい。
このLPレコードは1971年に百周年を迎えた番町小学校の記念式典の様子が収録されたドキュメント録音である。当時の昭和天皇、皇后が臨席されていることから、非常に高名な小学校であることがうかがえる。
式典は生徒による(?)ピアニカまたはアコーディオンによるチャイコフスキーの「白鳥の湖」の演奏から始まり、君が代が斉唱される。そして学校長、区長などがフォーマルな式辞を述べ、昭和天皇が言葉を述べられる。あまりこういうことを書くと叱られるかもしれないが、昭和天皇の声・喋り方にはどこかユーモラスなものがあり、人並みではない大きな人間性が伺える。
百周年を祝う歌が歌われた後、生徒たちは呼びかけ形式による「児童のことば」を述べる。よく卒業式であるような、生徒ひとりひとりが(時に全員が一斉に)各自に充てられた言葉を元気のある声で所信表明するものである。そして校歌斉唱ののち、式典は終わる。
150周年を迎えた2021年はコロナで式典が中止になったらしい。少子化が進む今、どの学校も運営が危機に瀕していることだろう。番町小学校のみならず、願わくばどの小学校もこれからの発展・存続を祈念する次第である。

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