バズる小学校

「一昨日の小学校ランキング見た?」

「見た!今週はあかるみ小が一位だったね」

「まあ無理もないよ。体操女子のジュニア世界大会優勝候補の子がいたんだもん」

「獲得したもん勝ちだよねー、あれ。先週の一位だった、しおかぜ小ってどう?」

「まあ合唱コンクールの季節まで話題ナシでしょ。結局ピアノ弾いてる安藤くんが有名になっただけで、たいした指導者もいないし」

「うちの学区はスポーツ寄りだから厳しいのかなあ。あやかちゃんのところはどうするの?」

「うちの子はバズ特待狙い。だからプログラミング叩き込んでて」

「やるなあ。うちなんてバズ特待は難しいから」

「まあ今の制度は学校側が必死だからね。それよりも、先まで見据えた方がいいよ」

「先?」

「うん、付属中学、高校、大学のバズ率」

「うわあ、私はそこまで考えきれない。やっぱり子供の自由に生きてほしいって思っちゃうんだよね」

「でも世界的に企業株価もバズ率で上下してるし、切っても切れない関係になってくるって」

「だから、小学校には頼らせないかなあ」

「せっかく機材全部貸し出してくれるのに?」

「まあ、学校の力借りずにバズる方が、勝ち組じゃない?」

「って言って、先月も個人の小学生が炎上してたね」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?