最後のコンビニ
自動ドアが開くと、少しだけ風が入ってきた。
そうっと足を踏み入れる客に、「いらっしゃいませー」と声をかける。この言葉を聞き流す、四人組の集団。真っ先に飲み物を物色するもの。雑貨コーナーの前に立つもの。レジの前で悩むもの。雑誌に目を配るもの。なんだかいつも以上に時間がかかっているようだ。あれこれ言いながら、彼らはたくさんの商品をカゴに入れていく。
私は、それをレジに通す。
各々お会計を済ませた彼らに、私はいつもの文句を伝えた。
「ここが魔王の城に挑む前の、最後のコンビニとなります。さて、セーブしますか?」
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