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葉巻の世界の「ボディ」の意味

「フルボディ」「ミディアムボディ」「ライトボディ」という言葉はワインの世界で良く聞きますよね。どれも味や香りの濃さを表す指標に用いられています。

これらは葉巻の世界でも使われています。

葉巻の世界ではボディは香りは味、ニコチン濃度の表現に用いられています。…というのは一般的なボディの説明ですが、ここではさらに掘り下げてみましょう。

フルボディ

ワインの世界では「濃厚な」を意味するフルボディ。

葉巻の世界でも先ほどの説明通り、香り・味・ニコチンが濃いものを指します。

火をつけてから、まず香りが感じられないほどに「鼻」の奥にツーンとくるような強烈な刺激があります。これを「ガツンとくる味」と表現する人もいます。あまりの刺激に咳き込んだり噎せたり、匂いを嗅ぐのを避けたりする人もいます。

あまりに強烈な匂いなので葉巻を口に咥えたまま何かをするっていうのができないほどです。葉巻を吸うために口に運ぶが、煙を吐き終わったら口から離さなければ強烈な刺激の中で鼻だけでなく目も痛くなるからです。

安定してくると強烈な刺激の裏側に漂う香りがわかるようになります。
そして気持ちよく吸っていると突然くる「吐き気」「めまい」「寒気」
…ニコチン酔いです。

わりと葉巻を吸いなれて「刺激が欲しい!」という人や、タバコを吸っていて葉巻に移行した人にはオススメの味かもしれません。

銘柄で言えばハバノス三大ブランドの「コイーバ」「モンテクリスト」「ロメオ」がフルボディに該当します。他にも「パンチ」「パルタガス」などなど、よく聞かれる銘柄がおおよそフルボディです。
え?代表ブランド全部フルボディ?
そうですね…葉巻の行き着く先はフルボディなのかもしれません。

ライトボディ

フルボディの真逆はライトボディ。

ワインなどでは女性でも親しみがあり、日本酒で言えば獺祭など海外では飲みやすさを評価される「ライトボディ」。葉巻の世界でも同様で、おそらくタバコも吸ったことがない人が葉巻に移行して最初に親しみを覚えるのはこれらの葉巻です。

火をつけてからはお香に火をつけた時の同じぐらいにいい香りが漂います。
鼻や目に対する刺激もなく、車内など狭い空間で吸っていても窓を開けずに香りが楽しめます。口に咥えたまま何かをすることも可能

ずっとライトボディばかりを吸っている人は「ニコチン酔い?都市伝説でしょ?」というぐらいにニコチンの存在感があまりありません。おそらく、中毒に陥る前に体の浄化機能が作用して端から無毒化されているのでしょう。

ハバノスでもライトボディのブランドは限られています。
「フォンセカ」や「キンテロ」などがそれに該当します。

また、ライトボディの葉巻のもう一つのポイントとして「安い」というのが挙げられます。お酒と異なり、意図的にライトボディの葉巻を作っている訳ではなく、切れ端や品質の悪いタバコの葉などを利用して作るとニコチンが薄い・香りの薄い葉巻が出来上がったのでしょう。

ただ、葉巻の素晴らしいことはそういう安い材料でも人によっては美味しいと感じるものが出来上がってしまうことですね。「好みは値段ではない」という世界観ですので、高ければ美味しい訳ではないのです。

ちなみにこれらの吸いやすいライトボディには「ドライシガー」は殆ど全て含まれます。ニコチンや香りの薄さは製法や値段にも反映されていますね。

ミディアムボディ

さて、ここまで紹介すれば自ずとミディアムボディが何を指し示すかお分かり頂けると思います。「フルボディ」と「ライトボディ」の中間ですね。

ハバノスのブランドではこれら「ミディアムボディ」のラインナップが多く、先ほど取り上げた三大ブランドといくつか…フォンセカやキンテロ以外はミディアムボディという位置付けです。(もちろん個人での評価です)

葉巻初心者が値段の誘われてドライシガーから入り、ハバノスでも手を出しやすい「フォンセカ」などを購入し、普通にタバコ屋にでも売られている三大銘柄にも手を出すと「うわッ!!クッセェ!!!」「こんなに高いのにニコチンが濃すぎて目が痛い、鼻が痛い!!!」とヒーヒー言った挙句、落ち着く場所です。

ニコチンが濃すぎる訳でもなく、香りが十分に楽しめ、咥えたまま作業しても目や鼻が痛くならない…値段は安くはないが…。

まとめ

私はタバコはそもそも吸ったことがない勢だったのでヘビーなフルボディには体が耐性がなく拒否反応を起こしてしまいましたが、タバコから葉巻へと移行した人達にはフルボディを楽しむ権利が与えられていると思われます。

私と同じようにタバコを吸ったことがない人はライトボディを吸いつつミディアムボディの葉巻を楽しみ、自分の体に合う美味しい葉巻を見つけてください。

「葉巻は嗜好品で金持ちのものだ!」と世の中では言われていますが、色々と味わい、色々な人達の意見を聞く限りだと、それぞれに個性があり人によって感じ方が全然違うことがわかります。例えば「キンテロ」は私はミディアムボディだと思っています。人によっては「それはライトボディだ」と言う人もいます。

そういう意味だと葉巻のレビューは他のレビューに比べると参考にならないとバッサリと切っておきます。

昔は全ての葉巻は「箱売り」だった為、興味本位で買って途中で「これはダメだ」と思っても25本全部捨てるわけにもいかず…と言う時代だったらしいですから、今の時代は恵まれていますね。タバコ屋で一本売りされてるわけですから。

まず一本買ってみて加湿して、そして味わってみる。
これはいい!と思ったら箱買いしてみましょう!

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