見出し画像

年齢=キャンプ歴で行き着いた考え

おはこんにちばんは、アラサーのT93です。

5月に入り、最近キャンプに行きたいなぁと思うようないい陽気が増えてきましたね。初夏だね。この時期のキャンプは緑が生き生きして輝いていて良いんだよね。

私のキャンプデビューは生後4ヶ月。両親の趣味がキャンプだったため、自然とキャンプに連れていかれ、気がつけば毎年キャンプに行くことが当たり前でライフスタイルの一部となり、キャンプ歴=年齢となりました。
両親は気がつけばキャンプがライフワークみたいになってる。還暦過ぎても毎年いろんな場所に行っている、キャンプ歴は40~50年にもなる両親は、玄人を通り越してもはや猛者といえるかもしれない。

そんな私が歩んできたキャンプの変遷から、今感じているキャンプに対する気持ち、キャンプが好きな気持ちを綴っておきたいと思います。
楽しんで書いたら7000字を超えて結構な長さになってしまったので、興味がある方は頑張って読んでください…。

キャンプは命のお洗濯

これは完全に母の受け売りではあるんだけど、キャンプって命のお洗濯なんですよ。
レジャーとかアクティビティというよりは、ヒーリングというか。心の治癒というか。
山の中や野原の真っただ中、大自然の中で普段使える便利なものは封印して、火を熾して煮炊きして飯を食べて時を過ごす。
このただただ「野の中で生活する」という行為が、普段仕事でPCをずっと見ていたり、SNSやゲームに沢山の時間を割いている自分にとっては最高のリフレッシュになるんです。私という命にくっついたストレスという名のチリやホコリがきれいさっぱり消えていく感覚。
キャンプっていうのは、火を熾すのはめんどくさいし、調理時の火力は家とは違うから家のようにはうまくいかないこともあるし、髪の毛も服もすべてが煙臭くなるし、夏場は蚊に加えてアブにブヨ(ブユ)にハチにカナブンと沢山の虫がいるし、冬場は暖房なんぞ使えない(使えたとしてもガスや火を使うものだから一酸化炭素中毒に気を付けて使用する)し、基本的に電気はないし明かりも燃料か電池のものになるし、テントとタープでのキャンプだったら居住区を区切るものは布だけだし…と、普段の文明が発達した生活を基準にするとマイナスにとらえられる点ばかりかと思います。

しかし私にとっては、普段扱えない直火を扱えて、炭火や焚火で肉や野菜をこんがり焼いておいしく食べられて、虫は虫よけで対策して自分から刺激しないようにすれば何もしてこないし、明かりは夜間まぶしすぎなくて目に優しいし燃料を使う明かりは趣があるし、テントの中にいても川のせせらぎやその森に住む動物の足音や鳴き声が聞こえてきて自然をより一層近くに感じることができたりする、特別な場所なんです。
あ、キャンプ歴は長くても軟弱者なので冬キャンプは基本的にしないです。

すべてが普段の生活よりも格段に不自由であるがゆえに、その原始的な行為が与えてくる疲労感を伴う「生きている」という実感が、とても心地良いんです。
自分が今この時を生きているんだ、という感覚を強く感じることができる。それによって、生きてるんだか死んでるんだかわからないような日々で受けるストレスが洗い流されていく。これがキャンプの魅力だと思っています。

不自由を楽しむ

そう、私にとってキャンプとは不自由を楽しむものなのです。
普段が便利すぎる。そのありがたみを改めて感じられる、大切な時間です。不自由な状況に置かれるから、普段の便利さがより一層分かるようになる。これは本当に、便利な世の中を生きていくうえで大切な意識だと思っています。当たり前だと思ってはいけない。当たり前のように感じられる日常は、実は凄いことなんだと意識できるかできないかは、大きな違いがあるんじゃないかな、と。
あと、不自由ながらもキャンプを楽しむことで多少なりともサバイバルスキルを身に着けることができるので、災害時に非常に強くなると思います。
いつだったか実家がある地域が大規模な停電に見舞われたとき、両親はキャンプ道具を出してきてたくましく数日間生活してました。強い。強すぎる。ていうか私もできるわこれ。ってなりました。

スタイルは自分のスタイルで良い

キャンプの楽しみ方は人それぞれだと思います。
私みたいに自然の中で不自由を楽しむことに価値を見出す人もいるし、その場にある素材で自分の居住空間に必要なものを確保するブッシュクラフトを楽しみたい人もいて、食材付きのコテージで楽に自然の中で泊まりたいという人もいる。グランピングみたいに、超リッチに過ごしたい人もいる…それぞれでいいと思います。
それでもキャンプが好きだと言えるのが、キャンプの素敵なところです。懐が広いんだな。
それぞれの価値感に従って好きにすればいいんです。しかし、それぞれがそれぞれを否定したり、邪魔したりするのはよくないと思います。別にこれは義務教育でも会社の規定でも法律でもないわけですから。
意識やキャンプに対して求めるものに違いがあることを理解したうえでの棲み分けは必要だと思います。
グランピング目的で夜遅くまで賑やかに楽しむ大学生グループの隣に、テント泊を静かに楽しみたいファミリーがいたらそりゃ苦痛や苦情になってしまうわけで…。
この辺りは近年結構棲み分けするキャンプ場が増えてきたり、予約時にわかりやすくなってきたので環境は良くなってるのかな、と思います。
突然ブームになった時はひどかったなぁ…。

あとはキャンプ道具の揃え方も千差万別で素敵だなと思うのが私がキャンプを好きな理由の一つです。
ソロキャンプブームで一躍有名になったあの芸人さんのようなミリタリーで使い込まれたものでまとめる人もいれば、
ウルトラライトをどこまで突き詰められるかと考えて道具を揃える人もいるし、その逆にどれだけでっかくてリッチな装備にできるか?を考える人もいる。
他の人と同じものを使うことで安心してキャンプしたいから、売れているアイテムでまとめる人もいる。
これはもしかしたらファッションと似ているかもしれません。それぞれ違ってそれぞれ素敵なスタイルだと思います。
混合だって楽しいよ。調理器具はウルトラライトだけど、椅子やコットはしっかりしたものを使いたいとか…良いじゃないですか、各々好きにしましょうや。

マナーと自然は守るべき

好きにすればいいとはいえ、キャンプをするにあたって最低限のマナーは守るべきだと思います。

・炭のこと
炭は炭素です。炭素の元素記号はCです。どうやってもこれ以上分解されません。つまり炭は土に還りません
どのキャンプ場でも基本的に灰と炭を捨てる場所が指定されているのは、そういうことなのです。適切に処理しなければ、環境破壊になってしまう。
だから炭を土の中に埋めて帰るのは絶対にダメです。可能ならひとかけらも残さず拾って適切な場所に捨てて帰りましょう。
あとキャンプ場じゃないところでキャンプやBBQした場合は、ごみと一緒に持って帰らなければだめです。環境破壊をしに来たわけじゃぁないでしょう?

・洗剤のこと
これは本当にキャンプ場の下水処理能力によりけりですが、基本的には生分解性の高い洗剤を使用しましょう。手ごろなものはヤシの実洗剤とかですね。本気で気にするならアウトドア用品店で探せばもっと生分解性の高い洗剤が売られているので探してみるといいと思います。これもこだわりの一つになり得る。
ただ生分解性の高い洗剤はどうしても洗浄力が低くなってしまうので、油汚れはあらかじめふき取ってから洗うようにしましょう。
お湯が出ないキャンプ場も珍しくないし…。

・夜間のこと
キャンプ場ごとに結構な確率で「〇〇時以降はクワイエットタイムです。お静かにお願いします」というようなルールがあると思います。お酒が入ったり楽しくなっちゃうとついつい夜更かしして騒ぎがち…しかしキャンプに来たときの夜は、静かに過ごしましょう。今あなたがいるのは大きな建物の居酒屋の中ではなく、自然の中なのです。周りには人がいます。あと地面って案外音をよく伝えるのでテント内での声も超聞こえてます。何話してるか余裕で分かるレベルなので本当に静かにした方がいいですよ。その恋バナ全部聞こえてますよ。

・天候のこと
特に、山の中のキャンプ場の場合は山の天気に従うことになります。
キャンプで一番怖いのは、実は風。風が強いとすべてが危険になります。タープは倒れるかもしれないし、テントは吹き飛んでいくかもしれないし、雨が降ったら横殴りになってどうしても濡れるし、焚火をすれば炎が大きくなりすぎて周囲に燃え移ってしまう可能性があります。これらを考えて服装や道具、心の準備をした方がいいと思います。
一見嫌われそうな雨ですが、雨キャンプは雨キャンプで良さがありますよ。ジメジメするしテントやタープは後で乾かさないといけなくなるけど、自然の中で聞く雨音ほどヒーリング効果の高いものはないです。緑や土の香りも濃くなるし、植物が生き生きして雨は雨で良さがあります。
ただし風は別。マジヤバい。大事なことなので2回書きました。
また、夏場は熱中症、冬場は低体温症に気を付けましょう。命が危なくなってしまうので、天気予報や気温は常にチェックし、なんなら天気図や雨雲レーダーがわかるようになっているとさらに良いと思います。

・キャンプ場ごとの決まり
夜間のことで書いたようにキャンプ場ごとにゴミや焚火、水場の使い方にルールがあります。「他のところでこうだったから同じようにすればいいんでしょ」は通用しません。その場のルールに従って気持ちよく利用したいものです。周りの人も、次にその場所を使う人も気持ちよくなるよう自然環境の維持に努めましょう。それがキャンプってものです。
例えば焚火の扱い一つとっても、焚火台必須、焚火シート必須、焚火エリア限定、直火OK、焚火台の台数制限、薪の指定、消火時間の指定や完全消火の確認で見回りがあるなど、本当にキャンプ場によって様々です。その場のその環境に合わせたルールが設定されているので、よく確認して従いましょう。
あと、ゴミの分別はその土地のごみ処理施設の能力によって千差万別です。これもしっかりその地方の分別に従ってください。ある場所ではプリンのプラカップは燃えるゴミだけど、ある場所ではプラスチックごみに分別が必要だったりします。ごみ袋の指定があったり、なかったり…守れていないとゴミ持ち帰りになることも多々あるので、しっかり確認しましょう。環境を守るうえで大事なことです。

・自然の中を間借りして過ごしていることを忘れない
キャンプ場は家や町中の建物とは別の場所です。自然の中に、自分たちが間借りして過ごさせてもらっているということを忘れてはいけないです。自然の中を間借りさせてもらっているから、キャンプでの色々な体験ができるわけで、むしろ感謝しないといけないレベルなんです。
木々を傷つけない。土や葉、木の実や生き物を持って帰らない。炭やごみを放置しない、芝生の場合はちゃんと保護する。
小さい石をひっくり返す程度のことはキャンプサイトの形状に影響がないなら問題ないと思いますが、オートサイトで車通りがある場合は他の車が傷ついたり走行に障害が出るようなことは厳禁です。
帰るときは、来たときよりきれいになるくらいゴミ拾いするのが素敵な振る舞いなんじゃないでしょうか。

無理はしない

キャンプだから!って気合い入れて色々綿密に計画するのもいいけれど、どうしてもキャンプは自然が相手なので思い通りにいかないことも多いです。
それを楽しめる余裕があれば最高なので、一番大事なのは無理をしないで余裕を持つこと。
無理ってのは、キャンプの経験が少ないのに最初から少ない道具で行こうとしてみる事とか、料理にやたらこだわって手の込んだ料理を最初から作ろうとするとか、アクティビティを詰め込むとか、そういうことです。
最初から少ない道具で行こうとすると、季節によっては低体温症や熱中症になって命が危なくなったりします。道具がわからん…という初期の数回は、少しお金はかかるけどレンタルや備え付けの道具があり手ぶらでキャンプできる場所を選ぶのが良いと思います。どういうものが必要なのか、だいたいわかるし。あとは経験者に同行させてもらうのもいいと思います。直接道具に関する意見が聞けて有意義だと思う。
最初から料理にやたらこだわるのも不満が残ってしまって楽しくなくなってしまう可能性があります。最初はカップラーメンでいいんです。お湯沸かすだけよ。カセットコンロと鍋とカップラーメンでいいんだよ。自然の中で食べるカップラーメンって謎にめちゃくちゃおいしいから一回試してみてほしい。話はそれからです。
でもこだわるならダッチオーブンや燻製器を使って調理したり、ツーバーナーで火器を用意したりするとリッチで特別な味を作れるようになっていくので、徐々に徐々に試すといいです。
試すときは、失敗してもいいように傍らにカップラーメンや袋のインスタント麺を控えさせておきましょう。安心材料だよ。
アクティビティを詰め込み過ぎると、疲れて体調崩してしまうこともあります。しょっぱなからテンション上がって詰め込みまくるよりは、程々からスタートするのが良いかと。体力に自信があっても、キャンプ場が山の中の場合は天気の急変で体力が思いのほか奪われることも多々あります。

とはいえ、やはりキャンプはいいぞ!

30年近くキャンプという楽しい趣味に触れていると、このようにどうしても色々口うるさくなってしまうんですけど、それでもキャンプはいいぞ!と言いたいです。
肺の底までいっぱいに、自然の空気を吸い込むあの感覚はキャンプ以外では味わえません。あの空気って都会のどこにもないんですよ。
あ、お酒はほどほどにね。火を扱っているので基本的に危険が伴うのでね。
料理は正直なんだっていい。カップラーメン推奨派です。
でもこだわって作るなら、私はダッチオーブンでグリルチキンやピザを作ったことがあるし、燻製器でいろんなもの燻製にしてワインと楽しんだこともあるし、釣ったり釣れたてを買ってきて即串打ちした鮎の塩焼き食べたこともあるし、その骨を炭火で炙って日本酒熱燗に浸して骨酒にして飲んだこともあるし、キャンプ場で採れる野菜を使ってカレーを作ったり、でかいフライパン持っていってパエリヤ作ったりパンケーキ食べたり、その地域の高級牛肉を炭火で焼いて堪能したり、ふるさと納税返礼品のマグロのトロを焚火で炙って日本酒と共に頂いたこともあります。
でもこんなに手の込んだことをしなくても、おでんのレトルトを鍋にあけて温めるだけだって充分おいしいし、それはそれで格別な味になります。肌寒い時期はそれがまた旨いんだわ。
朝ごはんにホットサンドメーカーでリッチなホットサンドを作るのもいいけど、朝から重たいものを食べられないよ…なんていう人はインスタントスープとバターロール一つだっていいんです。
なんなら買っておいた総菜パンだって、お饅頭食べたっていいんだ。なんだっていいんだよ。家で食べてるものをキャンプで食べたってなんも問題ないんですよ。自然の中でいつもの食べ物を食べると、不思議と一味違うものに感じられたりしますから。
ただ、衛生面にはしっかり気を付けましょう。調理前は手をちゃんと洗って消毒すること、生焼けのものは食べないことなどで食中毒にならないように注意を忘れずに。
アクティビティをしなくたって、椅子に座ってぼーっとしてるだけで価値がある。それがキャンプってもんです。
キャンプって何すればいいの?という問いに対しての私なりの答えは、
「何もしなくていい、ただキャンプ場にいて飯食って寝るだけでキャンプになる」
です。

今後の自分のキャンプスタイル

物心つく前からキャンプしていた私ですが、実家のキャンプではファミリーやグループキャンプで、道具がたくさんある規模の大きいオートキャンプをたくさん経験しました。荷物が満載のキャンプは正直なところ飽きるほどやったし、ありとあらゆるアクティビティも経験したと思います。
実家から独り立ちしてからは、自宅の収納力と、親や友人と一緒にキャンプするときに合流する場合の荷物量と自家用車の積載との兼ね合いで、コンパクトなキャンプスタイルに移行。俗に言う、ウルトラライト思考です。
しかし今度は自分に家族が増えファミリーになるので、コンパクトさは維持しつつも大きいテントや調理器具などの道具を少し追加購入して、ファミリーで行くときはそちらの道具を選んだり思い切ってコテージ予約したりして、ひとりで行くときはコンパクトな道具を選んで楽しみたいなと考えています。
ライフスタイルの変化でキャンプに行かなくなる、ということは私にとっては可能性がないことです。だって、キャンプに行くことは私の人生で当たり前のことだから。それくらい自分の人生になじんだものになっているからです。
某テーマパークが大好きな人が、毎年、毎月、下手したら毎週?行き続けるようなことがありますが、それと似ているかもしれません。それくらい好きなんですよ。わはは。
ファミリー、ソロのどちらのスタイルの時も料理は楽に、自然の中で過ごすことを重要視したのんびりキャンプをメインにしていきたいな、それが私のキャンプスタイルになっていくんだろうな…と思う日々です。

これを読んでいるあなたにも、お気に入りで楽しいと思えるキャンプスタイルが見つかりますように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?