見出し画像

みんコレ!医師国家試験 予想問題(臨床問題編) 第4問

みんコレ!事務局が作問した医師国家試験の予想問題です。
第116回の医師国家試験委員になった先生方の専門や論文等の情報を元に作問しています。ぜひチャレンジしてください。
問題は、Twitterアカウントでも発信しています。


問題

21歳女性。発熱、四肢の関節痛を主訴に来院。来院1ヶ月前に発熱と咽頭痛を自覚し市販の総合感冒薬を内服するも改善せず、その後関節痛も出現したため受診した。体温は毎日39度台まで上昇して平熱に戻るのを繰り返している。また発熱時には四肢に紅色の皮疹を認め、解熱時には消退する。来院時バイタルサインは体温38.8℃、脈拍76回/分、整。血圧118/62mmHg。呼吸数18回/分。SpO2 98%(room air)。両上下肢に淡い紅斑を認める。咽頭所見は異常なし。頸部にリンパ節腫脹を複数認める。甲状腺の圧痛はなし。両手関節、肘関節に圧痛を認める。その他身体所見に異常なし。尿所見:蛋白(-)、潜血(-)、沈渣白血球(-)。血液所見:赤血球380万、Hb 11 g/dL、白血球 18,500(好中球80%、好酸球3%、好塩基球0%、単球2%、リンパ球15%)、血小板 35万、総ビリルビン1.1mg/dL、AST 134U/L、ALT 160 U/L、γ-GTP 92U/L。血液培養は2セット陰性であった。
次の中から予測される検査データを1つ選べ


a. 抗核抗体陽性
b. リウマトイド因子陽性
c. TSHの低下
d. フェリチンの増加


≪この下は正解・解説です≫


解答

d. フェリチンの増加


解説

咽頭痛、リンパ節腫脹などから伝染性単核球症などのウイルス感染を想起したかもしれないが、弛張熱を繰り返している経過や皮疹が発熱時のみに出現することや好中球優位に増多していることから成人Still病を最も考える。成人Still病に対する特異抗体は存在せず、診断には他疾患の除外と臨床項目の該当が必要である。

a. 抗核抗体陽性 →誤り。成人Still病では抗核抗体は陰性となる。SLEなど鑑別疾患除外の判断材料になる。
b. リウマトイド因子陽性 →誤り。成人Still病ではリウマトイド因子も陰性となる。こちらも関節リウマチなど鑑別疾患除外の判断材料になる。
c. TSHの低下 →誤り。亜急性甲状腺炎を咽頭痛・発熱を来すが、頻脈を伴っていないこと、甲状腺の圧痛がみられないことから可能性は低い。
d. フェリチンの増加 →正解。フェリチン高値を来す疾患として血球貪食症候群もあるため覚えておこう。


【最後に告知】受験生の方へ

みんコレ!は医師国家試験の合否予測サービスを提供しています。
当日のうちに自己採点ができたり、みんコレ!公式の禁忌選択肢予測を発表するなど、試験期間中の受験生の方々に役立つサービスになっています。

現在、事前登録を受付中です。
事前登録をし、みんコレ!サイト公開後に解答入力を完了すると4,000円分のAmazonギフト件も進呈するキャンペーンも実施してます。
ぜひ事前登録して試験に備えてください。
事前登録はこちら
*事前登録は2022年1月16日まで受付しています。