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みんコレ!医師国家試験 予想問題(臨床問題編) 第2問

みんコレ!事務局が作問した医師国家試験の予想問題です。
第117回の医師国家試験委員になった先生方の専門や論文等の情報を元に作問しています。ぜひチャレンジしてください。
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問題

89歳の男性。施設入所中で、食事中に喉を詰まらせ、施設職員が腹部突き上げ法で食物を喀出したものの、呼吸困難が改善せず、救急搬送となった。意識は清明、体温38.5℃、脈拍120/分、血圧110/80mmHg、SpO2 89%(リザーバー付マスク10L/分 酸素投与下)。全肺野において coarse cracklesを認める。血液所見:赤血球432万/μL、Hb 13.2g/dL、白血球12,300/μL、血小板26万/μL。血清生化学所見:尿素窒素24mg/dL、クレアチニン1.2mg/dL、AST 13U/L、ALT 10U/L、Na 134mEq/L、K 3.8mEq/L、Cl 100mEq/L、脳性ナトリウム利尿ペプチド〈BNP〉250pg/mL(基準18.4以下)。
呼吸困難の原因として、最も考えにくいものはどれか。

a:心原性肺水腫
b:陰圧性肺水腫 
c:再膨張性肺水腫
d:誤嚥性肺炎




≪この下は正解・解説です≫




解答

c:再膨張性肺水腫


解説

令和4年の時点で、わが国の高齢化率は28.9%に及ぶ。高齢者の気道閉塞の発症率は、今後さらに増大することが予想され、その病態の理解は重要である。また高齢者は複数の疾患に罹患しやすく、複合的な診察が求められる。

〇a:BNPが高値であり、心原性肺水腫の可能性は考えられる。
〇b:陰圧性肺水腫は上気道閉塞に続発する急性肺水腫であり、救急搬送前の病歴から、陰圧性肺水腫の可能性は考えられる。
×c:胸水・気胸・血胸などに対し胸腔ドレナージをおこなった際、虚脱していた肺の再膨張が急激に起こることで生じる肺水腫であり、そのような病歴はない。
〇d:誤嚥を来しており、発熱・白血球数増加に加え、coarse cracklesも聴取され、誤嚥性肺炎の可能性は考えられる。

参考文献:
日本呼吸学会雑誌2(6), 814-817, 2013
日本内科学会雑誌104(10), 2206-2210, 2015
臨床雑誌内科128(3), 403-405, 2021


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