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杏仁くんの不正咬合治療

■はじめに

閲覧ありがとうございます。
この記事は杏仁くん(モルモット)の不正咬合の治療とケアについてのまとめです。正直、長いです!!1万字超です!!!
そんな細かいことはどうでもいい!ピンポイントで読みたい!って方は目次からどうぞ!


  • あくまで杏仁くんの体調、体質、環境による内容なので、全ての不正咬合にお困りのモルちゃんに適合する内容ではないかと思います。

  • 治療方針の選択、経過の過ごし方は各飼い主様のご判断でお願いいたします。

  • この記事は発症から現在までのものを、日記を元に時系列で並べるようにしてます(毎日のお給餌時間と量・ケア日記はつけておくことをお勧めします

  • 商品への外部リンクは画像と価格を参照していただくためのもので、ごり押しではないです!

■最初の異変

杏仁くんをお迎えしてから毎日注意深く見てきた2023年1月27日。
朝のお世話の時に異変を感じたのが始まりでした。
いつも朝は待ちに待ったごはんに「やったああああ!!!」「かいぬし早く!!ごはん!!ごはんを!!」って嬉しさ大爆発させてるのに、ケージのドアを開けても寝ぼけたようにぼんやりして、小屋からなかなか出てこない。
動きもすごく緩慢でのそのそしてるし、ごはんを喜ばないでやっぱりぼーっとしてる…。それが始まりでした。
寝ぼけてるの?と思ってました。様子見てるとチモシーをもごもご…あにゃあにゃ…と口を動かしているだけで咀嚼になっていない。
仕事から帰ってきて確認すると、ペレットが一切減ってない。ここからが格闘の毎日の始まりでした。

■即受診(初診・A動物病院)

夜、仕事から帰宅して真っ先に杏仁くんのケージを見てもペレットもチモシーもほとんど減ってなかった。うんちも3粒だけ。
幸い、かいぬし宅から徒歩3分程度のところにA動物病院があるので思考停止しつつもスマホで翌日朝イチの予約を取ってました。

翌日、口内を見てもらい、うんちをしていなかったのでお腹のチェック。
診察の結果、この時点で目視では奥歯もそんなに伸びていなくて、舌にかかってはいないし触診する限りお腹のハリもそこまで心配ないし、持参したうんちの検便も問題なし。プリンペランを処方された。
でも腸の動きを止めたらダメなので、この日から強制給餌開始した。
(この時点でライフケアバイタルチャージシリンジ1mlをポチってました)

初診前日までうんちが3粒しかなくて心配したのに、2日後に今度はゆるゆるの、下痢ではなく形がないようなお団子状態。即日またA動物病院へ。
レントゲンの結果、小腸にガスが溜まっていて大腸にうんちがパンパンに詰まっていいた。不正咬合より先にうっ滞が発覚しました。この日は皮下点滴で補液してもらう。

ぼんやりとして入るけど元気自体はまだあったし、うんちのが少なくて形はない状態が数日続いた。やっぱり食欲はないようなので、いつも食べてるペレットをミルで粉砕したものと、ライフケアorバイタルチャージとビタミン溶液を混ぜたもの をシリンジで与えました。元々万が一に備えて、シリンジを嫌がらないようにお水で練習をしていたので抵抗はなかったものの水ではなく味のするおかゆ状のものが口に入ってきて最初はめちゃくちゃ動揺して嫌がってました。
日頃、必要がなくても給餌用フードの練習は大事だなと、しみじみ思った。
※ちなみに初回強制給餌は1mlシリンジで5本分から。動揺していたので誤飲などが心配だったので。

■A病院→B病院カンドオピニオン

お腹の調子を整える処置をして、薬(プリンペラン)を処方された。
あむあむにちゃにちゃと、食べにくそうにしている状態を伝えていたから奥歯の様子も見てもらったけど、1月の段階ではそこまで舌の動きが抑制されるほどの奥歯の伸びも確認されず、前歯も綺麗にそろっていた。
でも2月に入って奥歯を見てもらったら、自力で食べることができない日が数日続いたせいか、削れることがなくなって完璧に奥歯の一部が舌にかぶっていた。(ブリッジ)
この時点で即、小動物の歯科治療可能という、電車で20分のB病院をセカンドオピニオンの意味も込めて予約して受診(A病院では切歯は切れるけど奥歯は処置不可能だったため)

B病院では初診のため即処置はせず、治療の方針説明と杏仁くんの性格や特徴、既往歴、最寄り病院での加療内容をお伝えするにとどまり帰宅。
うさぎ診療可能な先生のため色々とアドバイスをもらった。
この時点では
・フルーツジュース(りんご等)飲めるようなら薄めて与えてOK
・青汁の粉を丸めて団子状にして与えてみる
等のアドバイスだったけど、杏仁くんは偏食で生草や果物、野菜NGなので実行しても無駄に終わった…。

■ペレットとチモシーが噛めない

元々固めのチモシーが大好きな杏仁くんはこの奥歯のせいか、チモシーを食べたくても一切食べられなくなった。
正確には食べたいからもぐもぐする→奥歯不調で咀嚼がうまくできない(嚙み切れない)→飲み込めなくて喉元に溜まって流動食も上手く飲み込めず口の脇から溢れ、よだれも常に出て胸元がいつも汚れてしまう状況になった。
よだれの量がものすごくて、毛が真っ白の杏仁くんの胸元がドロドロになっている状態。

喉の手前に噛み切れていなくて飲み込めないチモが詰まってた


あまりに異常で、近所のA動物病院に駆け込んだ。駆け込んだら、頬と歯の隙間、喉元に謎の繊維状の物体が挟まっていて摘まみだしてもらった。

喉の手前に挟まってた謎物体。ホロホロと崩れる柔らかさ。


このころ、いわゆる乾燥野菜などはもう一切食べさせていなくて、杏仁くんたちの行動範囲には口に入るものはなかったので、未だにこの正体はわかっていない。先生方も困惑していた。
杏仁くんは布系も噛むことがないし、行動範囲に紐ゴミなどもないようにしていたのでこれは本当に謎です。

■ヨダレ増加と皮膚の状態

真っ白ふわふわが自慢の毛並みの杏仁くんだったのに、ボトルからお水を飲むのが下手になったのか、食べたものを飲み込めなくなったのか
ヨダレが顎の下から胸元までだらだら垂れて毛に染み込んでしまった。

上:よだれで変色 下:よだれが落ち着いたとき

汚れ方は少し不正咬合モルモットを調べるとすぐ画像が出てくるけど杏仁くんの場合、飲み込みにくくなったことで食べかすを含んだ汚れを含んで奥歯が伸びてしまって口が閉じれなくなったことで溢れてしまうヨダレだった。しかも顔の近くによると、生乾きのようなにおい…。
なんというか、健康じゃないんだなって臭い。酸っぱいような。

よだれを止める薬はなくて、これはもう都度対処していくしかなくて。
幸い杏仁くんは普段から顎下を撫でられるのが好きだったので給餌の前にティッシュで毛束を擦りほぐすように水分がなくなるように拭い、
顎と毛で密接してしまう部分なのでできるだけ空気に触れさせて乾かす感覚で、毎回毎回、しつこくぬぐった。
結果、ティッシュの消費量がすごい!!箱ティッシュが即空になる。この時に限ったことでなく。

でも量に対してケアが追い付かず、半日以上、仕事で拭ってあげられなくて
雑菌が繁殖してしまった…

体への負担が大きくシャンプーも今は出来ないし、もう乾かすしかない…とティッシュでしつこくしつこくふき取り続け、かいぬしは気づいてしまった。
濡れた毛束の隙間から見える杏仁くんの皮膚に湿疹状にポチポチ赤くなっていることに。
雑菌からのさらなる付随症状を食い止めたくて、とりあえずウェットティッシュ(除菌タイプではなく水だけの赤ちゃん用品)で一旦汚れを取って…と考えを巡らせて試してみたら乾いたティッシュはよくても、ウェットティッシュは「僕になんてものを押し付けるんです!!!?」って顔して嫌がったので、潔く諦めてティッシュ一筋になりました。
この数か月後、喉元と胸元の毛がほぼ涎やけで抜けて禿げ上がってしまった…。

よだれやけで脱毛してどんどん地肌が見えてきた頃

このヨダレは全くない日もあればもんのすごい日もあって、正直なにが最大の原因なのかわからなかった。
根気よく毛束を擦るようにとった翌日は「ヨダレ?なんです??それ…」ってくらい乾いて生乾き臭もなくふわっふわになる日もあり。

結局最後に受診する後述のサードオピニオンのC病院で、毛根が死んでしまったら一生毛は戻らず、禿げたままと言われ、白色ワセリンは水分を弾くので使ってみてくださいと言われドラッグストアで購入。
(ハンドクリーム売り場のものではなく医薬品売り場のもの)
病院で処方されたヒビテン消毒液で拭ってからワセリン塗布。
治療で涎量が制御されてきたのも相まって、新しい毛が生えてきました!

①②はコットンに塗布して使用 ③はそのまま点眼(後述)

■奥歯の不正咬合と斜めの前歯とアンダーショット

ある日かいぬしは気づいてしまった。
「あれ?杏仁くん、前歯斜めってない???」
「しかも下の前歯、前に出てない??」
それに気づいて即B病院受診。
結論、奥歯で正しくものをすり潰せてないから前歯のバランスも崩れるとのこと。前歯だけ削っても意味はない…のでとりあえず奥歯を削ることに。
この下の前歯が上の歯より前側に出てくる状態は、現在進行形で都度調整してもらうことに。

B病院では無麻酔での歯処置でした。
診察室の奥から聞こえてくる削ってる最中の歯医者のような音と杏仁くんの断末魔のような悲鳴。頑張れ…と祈って待つしかできなかった。
今だから言えるんですが、待合室で「もうやめて‥」って思うくらいの悲鳴です。
とんでもない恐怖を味あわせてしまった…と最大の後悔です。反省。

前歯と奥歯が一先ずすっきりするかな…と思ったら、帰宅後、水も給餌も一切受け付けないレベルに体から力が抜けたようにぐったりしてしまった。
正直もうこのまま死んでしまうかも…と思いました。
知っていたはずなのに通院移動&処置がいかにモルモットの負担か思い知った。

■小さい便とユルユル便

処置後、ストレスや痛みやほかの要因が合わさってうんちの状態が急速に悪化。ミミズのようなひも状のうんちや、米粒より小さなうんちカスのようなものしか出ない…の後にペースト状の下痢
満足に食べれていない&シリンジごはんだからどうしても水分量が増えてしまうからやわらかくなるのはわかってたけど、明らかに胃腸にまで負担が…ととにかくパネルヒーターと室温をあげて環境を整えるしかできなかった。

■大量の水下痢

朝起きてみたらペットシーツに吸収されてしまうくらいの一面の水下痢…。
さすがに様子見など言っていられず、B病院はタクシーと電車で片道45分程度かかってしまうため、近所のA病院に駆け込み、脱水していたため点滴で水分とお腹の薬を入れてもらった。
この時の大量の水下痢と食欲不振で杏仁くんの体重は計るのが怖くなるくらいに一気に減ってしまった。元々1200gはあった体重が半分以下の584gに…。
もう、ずっしり感なんてなくて長毛の毛を差し引いたら紙みたいだった。
かいぬし、一番辛い時期でした。。
この頃、改めてレントゲン検査したら脱水が進んで、心臓が乾いたピーマンのような形になってしまったいた。
上手く飲めもしなかったから、皮下点滴の補液が命綱でした。

形のない水下痢

■対処療法に疑問

水下痢が続き、A病院で応急処置をしてもらい、ヨダレ止まらないから歯処置のためにB病院行かなくちゃ…あああでも下痢で体力もなく、移動と処置の負担に耐えられないかもしれない…と杏仁くんの様子を細かく見ながらの葛藤の日々。(それぞれで受けた処置をメモにして共有できるようにしてました)

かいぬしは一人暮らしで家族に通院を代わってもらうこともできず、仕事を急に休むわけにもいかず在宅対応をさせてもらってなかったらすべてが悪化の急降下をしていたと思う。
でも、無麻酔で奥歯を削る→ぐったり→一瞬ヨダレ止まる→相変わらず自力で食べられない→体重減る→奥歯伸び→ヨダレ出てしまうの延々ループなのでは??
一日おきの通院の時もあって、それは杏仁くんにとって最大の負担なのでは??と小さな疑問が生まれ、お腹の薬を続けて杏仁くんの下痢も収まり、うんちの形も戻ってきて、奇跡的に強制給餌ももりもりと食べ、部屋んぽでルンルンと小走りをするようになったタイミングで
今だ!!と都内のC病院へのサードオピニオンへ

■C病院へサードオピニオン

C病院の存在はもうずっと前から知っていた。なにせかいぬし宅からは遠い!!!
移動も満員の通勤ラッシュにぶつかるため指定席の特急を使って、駅構内の乗り換え最短経路を調べて人混みをぬってぶつからないように国宝を搬送するかのように抱えて初受診。
(公共交通機関ではペットの持ち込みは手回り品として有料の場合もあるので事前に最寄り路線を調べてください!)

山手線 駒込駅から徒歩3分くらい
2階はいつも満員。3階でも待てます。

正直、もっと早くに1秒でも早くこの行動をしていればよかった。こちらの病院での初受診で以下の話があった。

  • 口の中が腐ってるんじゃないかって先生方が言葉を失うくらいに壊滅

  • 歯が全体的に茶色く変色していて腐ったリンゴみたいになってる

  • 歯も顎も歪みがすっごい(特に顎は関節が変形してしまっている)

  • まずはこの口内環境をどうにかしよう

2つの病院通っていたのにこの現状に理解と心が追いつかなかった。
歯処置の経験を聞かれて無麻酔で…と伝えたら、モルモットの奥歯を無麻酔で!!??と驚かれた。

■麻酔リスク

あまりの状態の悪さで予約パンパンの病院なのに、枠を無理やり作ってくれて即日麻酔下で処置決定。
麻酔中は呼吸、体温等モニタリングをするけど小動物の場合、麻酔管理しても年齢や状態によっては目が覚めないままそのまま…っていう場合があることの説明を入念に受けて同意書にサインをした。
処置にあたり今の体力、状態を最終的に判断するのは獣医師だけど、託す判断をするのは当然だけどかいぬしだってことを痛感した。

■不正咬合の歯処置

先生がものすごく処置と状態の説明を丁寧にしてくださって腑に落ちた。
これはただ伸びた歯をただ削ればいいだけじゃなくて、引き出しの滑車が外れた状態を丁寧に元に戻すように細かい処置をしなければならないので、
1度2度の処置ではなく継続的にかなり根気のいる治療になる。
A病院B病院での説明に何となく納得がいってなかったかいぬしだったけど、この例えで治療を任せられる理解が追いついた。
体質・年齢によって突然伸びなくなる子もいるし、半年に1回の処置の子、年1回の子、月に2回の子がいる。杏仁くんは月2回の子でした。
もちろん、病院や獣医師・歯の状態によっては無麻酔でパッと処置される先生もいます(切歯など特に)
杏仁くんはそれがもうできないくらいに複雑で厄介な最恐不正咬合というわけです。

病院は午前診察、昼から夕方が手術や処置時間、午後16時から午後診察開始。杏仁くんをキャリーごと預けて処置終了連絡を待った。
心配すぎてクラクラしてた。食事ものどを通らなかった。
初回は内金(1万円)を預けて、連絡を待ちました。
気になる費用ですが杏仁くんの場合は1回の麻酔下での歯処置と数週間分の抗生剤や消炎剤(粉)込々で3万とちょっとです。

■処置後の容態

杏仁くん初麻酔。処置の終わった説明を受けながら顔を見たら、初めての麻酔の影響で見るからに呆然自失。体がこわばって目が飛び出し気味で焦点が合っていない。
帰りのキャリーの中で動くこともなく、1秒でも早く帰って休ませたかった。キャリーから出してみたら、足元おぼつかずフラッフラ…。
その日の動画(Twitter)↓
https://twitter.com/mol_annin/status/1646492941953941506?s=46&t=BUiy9bGyukKZQ1aN3DWa2Q

翌日はふらつきはなかったものの、表情が読めないくらいに目を見開いたまま微動だにしませんでした。
目を見開いて瞬きをしなくなり、眼球表面が乾いてしまい、放置したイクラみたいなことに。。
ここで獣医師のアドバイスで人口涙液を使ってみて。とのことだったので薬局で購入。(※必ず防腐剤の入っていないもの!)

歯処置と麻酔回数を重ねると、このふらつき症状はなくなったけど、翌日まで調子が戻らないことは多々あり。

余談ですが、石でも噛んでる??ってくらいの歯ぎしりをするときがあるんですが、ある日奥歯がポロっと欠けて出てきました。
時には切歯も片方折れたり。

病院に持参して報告してました。
なかなか見ることのないモルモットの欠けた奥歯・・・;
2024年2月現在、歯が欠けることはなくなってきました。

■強制給餌あれこれ(フード&シリンジ編)

これってかーーなーーり知られてないし、何が正しいのかほんとにわからない!!
ここを読んでる方、みなさんそうなんじゃないですか??ってレベル。
あくまで偏食で食べられないものが多い杏仁くんの消化能力とコンディションを鑑みてたどり着いた方法なので、目安程度にご認識くだされば!

とにかく痩せて体重が落ちた杏仁くんなのでメインフードは子ウサギ用のペレットをミルで粉砕して与えてます(ビタミン不足になるので液体ビタミンを必ず数滴加えてます)
そこにライフケアかバイタルチャージを味辺も兼ねて、交互に日替わりで加えてお湯でまぜまぜ。

どちらもアマゾンor楽天で購入してます
栄養価重視

チモシーも一切咀嚼ができないため、食物繊維が不足しがち。
なので牧草ペレットや、チモシー袋の底に溜まりがちな粉に近くなったチモ粉をかき集めて、ミルで粉砕!!…しただけではまだシリンジでとても吸えないので、ふるいにかけて真のチモ粉を精製
牧草ペレットや粉末にしたペレットは水分をすっごく吸うので、混ぜるとき結構お湯が必要だし、こんなに膨張する!?ってくらい増えます。

真のチモ粉!!これなら1mlシリンジに詰まらず吸えました

強制給餌が必要となったらまずはミルを買ってくださいってくらいに必須だと思います。。。
冷たいと食欲が地にめり込むくらい落ちてしまうので、熱湯で湯煎して冷えない状態で与えます。食べさせる温度の目安はだいたい40度とか。
これは計ったことないんでわかりません!笑

以下は分量目安です。かいぬし、計らないので!
・ペレット ティースプーン山盛り1杯とちょっとくらい
・ビタミン液 3~4滴
・ライフケアorバイタルチャージ ティースプーン半分くらい
・チモ粉とか ティースプーン軽めの1杯
・ぬるま湯 

これをまぜて、具はないけど、具沢山タルタルソースくらいの固さ目安に仕上げてます。これで30mlシリンジ30本分。つまり、このまぜまぜ作業を1日に4回やります。
少し余ったら2回目分に足しちゃいます。
夏場とかは腐敗が怖いので都度新しいものを作るので、余りが出ない分量にしてました。
一度口に入れたシリンジはヨダレなどでドロドロになるので、せめてもの衛生面を考えて絵の具の絵筆を洗うが如くに一度シャバシャバと洗って次の分を充填してます。

愛用ビタミン液。たくさん製品はあるので配合成分などは飼い主様が吟味してくださいね。

★青汁について★
チモシーからの食物繊維が一切摂れなくなった杏仁くん。栄養素として少しでも食物繊維を簡単に摂らせるには…と、考え青汁をお給餌に混ぜて一時与えていました。
ドラッグストアで買えるものでも充分だと思うのですが、熊本県産の食物繊維がダントツに多いものを買い、少量でいいものをと与えてました。
ただ青汁はカルシウムも心配なので濃いめ・長期間・大量となると心配だったので本当に味変程度に混ぜています。

シリンジはもうたくさん加工方法や、シリンジタイプは探せばすぐ出てくる
のであまり多くは書きません。
杏仁くんはテルモシリンジ1ml(ツベルクリン用)100本入りを使ってます。
1度に10~20本加工して、1週間するとゴムが劣化するので交換してます。

先端をカットしてライターであぶって穴を広げて滑らかにしてます。

■強制給餌あれこれ(与え方編)

最初はこれも手探りだと思います。イヤイヤする子は保定が必要だったり。
(保定については杏仁くんはやらな子なので割愛しますね)
シリンジはどのくらい奥まで入れていいのかすらわからない方も多いと思います。
杏仁くんの場合はシリンジメモリの目安でいうと、0.4mlのメモリまで口に入れると苦しくなく口から溢れさせることなくあむあむしてくれます。
0.2mlメモリとか浅いと、おろろろろろ…と口から溢れてしまう感じです。
わんこそばのように、人間ペースで次々に食べさせるともちろん溢れる。
誤嚥からの肺炎なども怖い…。
人間の赤ちゃんの用にあむ、あむ…と口が動くペースに合わせて0.1mlずつ入れていくと失敗しないかもです。
もっと嚥下やお口の状態がいい子であればツツツツ…とスムーズに食べさせられると思います。

■強制給餌あれこれ(スケジュール編)

かいぬしはいわゆるフルタイム勤務で、週2は在宅勤務スタイルです。
5~6時間おきに1日4回の給餌となると4回が限界となってこの回数とペースを導き出し定着させました。

出社の日の超目安!!!多少の誤差あり!

かいぬしは完全ワンオペで、日中誰も家にいないっていう背景ありですが、8時間以上はあまり開けないようにした方がいいというお話を聞いて、これを守るとなると、家を出る直前に食べさせて、一切残業せず、付き合いでの外食も一切せず定時ダッシュで帰宅。これでも精一杯。
家に誰かいてくれる場合は、誰でもお給餌できるように特訓しておいた方が安心です。。
在宅勤務日はもっとスケジュールゆるゆるです。
出かける予定がある日でも、1分でも早く帰れるように急いで帰るようにしてます。

声を大にして言いたい。
正直、仕事しながらだと体力・時間・気力共にキッッッッツイです!!!
本当に息抜き大事!!!!!

本当に日々のタスクこなしながら、自分の睡眠時間をどう確保するかです。

■給水ボトルの悩み

不正咬合の影響で自力で水も飲みにくくなってた杏仁くん。ボトルのノズルのステンレスボールを舌で押す動きができなくなってたみたいでした。
かいぬしが仕事に行っている間、1滴でも飲んでいてほしいと思ってサイズは小さいですがハムスター用のボトル(ノズルがガラスやプラスチック製のボールのないタイプ)を設置してみたら、くわえてなんとか舐めてる感じでした。本当に気休め程度かもですが・・・!

舌のわずかな動きで舐め飲めてました

■体重減少あれこれ

うっ滞からの激しい水下痢と不正咬合の不具合で満足に強制給餌も受け付けてくれない…そんな時期から一気に増えることはなくて、2024年2月現在、
1年かけて200g弱、増えてくれました。もっと他に手段はあったかもしれません。でも手探りで最善を尽くしていました。
獣医師と相談して、とりあえず一旦800gを目指そうと話をした。
毎日体重を計ってると、昨日より30gも減った!とか一向に増えない…とメンタルがやられ、毎日計るのはやめました。飼い主自身のメンタルを守るために。
でも、抱っこした感じの感触での確認は毎日してました。

4月頃は体力もなく、ぐったり寝ている時間が多かった

ここから先はかいぬしが「いいんじゃないかなぁ」とやったことです。

・小動物用もこもこトンネルとパネルヒーターを仕込んでケージ内に専用こたつ設置(暑いと思った時用にひんやり場所も確保しておく)
・飲み水はお白湯に(飲み水を温水キープできるアイテム使用)
・お給餌するフードは湯煎で常にあたたかく

とにかく保温です!!!!!
これを徹底してから状況が大きく変わった気がします。

ボトル常時お白湯化に使っているのは哺乳瓶ウォーマーです(おすすめ!!)
ボトルに巻き付けて上から吊るすようにイイ感じに固定して使ってます。
ノズル部分はひんやり気味ですが今のところ24時間連続使用しても問題ないです。

これで、体温を作るエネルギーと消化に使うエネルギーを備蓄の方に回せたんじゃないかと思います。完璧に個人の見解ですけど!!!
好き嫌いとか消化に難ありな子じゃなければ、野菜ジュースとかミルクとか食べられるものは積極的に粉砕とかふやかしてあげていいと思います。

あまり大声では言えないですが、獣医師にってはブドウ糖(ラムネ状のものを砕いて耳かき1杯程度)をあげてもいいよという方もいましたが、獣医師におすすめされても絶対イイっていうことはないと思います。

モルモットの腸内には消化に必要な微生物がいて、栄養を生成してくれています。元々糖分を経口摂取する必要はないので敢えてやる必要もないかと。
(野菜ジュースに含まれる分などはいいと思いますよ)

モルモットの生態・疫学・消化の仕組みはやっぱり飼うなら知っていないと獣医師の話を鵜吞みにしてしまうし、実行してしまうと思うんです。
対等に難しい会話をしろとは言わないけれど、獣医師は獣医師だけど、
「本当に???」って疑って調べることはしないとです。

■恐怖の膿瘍

杏仁くんの場合、左下の歯根が腐りかけていたのでその影響で膿が発生してました。場所によっては目の奥に膿が溜まったり色々あるようで。
でも、これは最初、口の中に出所不明な膿が出ていて人間でいう歯槽膿漏の出血のイメージでした。
ある日突然、お給餌の時間にほっぺがポコッと腫れてることに気づきました。明らかに骨格でもふっくらしたわけでもなく。これだけ毎日至近距離で顔を見ていたのに。
気づいたときは時間外で予約もできず、予約が取れたのは2日後。
その頃には急激に巨大化していて、杏仁くんの顔が傾くくらいでした。

触るとピンポン玉サイズの膿瘍…

■膿瘍の治療(処置とケア)

※画像閲覧注意※
とにかく、膿を出し切らないといけない状態。即、処置室で切開となりました。処置で噴出した膿を見せてもらったけど、プッとメスを当てただけで黄緑色のクリーム状の膿が一面に噴出したそうです。気づけず思ったより数日膿瘍が進行していたのか、ほんの1日、予約が取れなかったせいか、膿瘍の下、皮膚の内側が一部壊死してしまいました。

黒い部分が内側から壊死。モザイク部分は膿が出るようにほんの数ミリ切開

この黒くなった部分は、後日色の濃い部分から乾燥して壊死が進み、ぽっかり穴をあけて皮膚ごとポロリと取れました。
この上下に空いた穴に柔らかい針を直に差し込み生理食塩水+消毒液を注入して内部を毎日毎日洗浄しました。
その度に、中に隠れてた膿がダラダラと流れてきました。
当然、杏仁くんは泣き叫びました。その度に、ごめんねごめんね頑張ろうねと声かけて短時間で終わるようにしてました。
切開した部分は綺麗に切ってくれたので今はもう傷も見えないくらいになって毛も綺麗に生えそろいました。
痛み止めも併用して飲ませていたので、表情的にはそんなに痛そうな気配はしなかったです。
2023年夏頃にこの膿瘍発症して、2024年2月現在黒く変色した部分の穴は塞がず、塞がらず毎日消毒の日々です。(生傷→瘡蓋の繰り返し)

膿瘍の正体は風船のように袋の中に膿が溜まるので、外から針を刺して吸引しても、どうしても取り切れず何度も何度も処置することになるので切開したほうが効率よく排膿できるので、”切開”っていう文字に躊躇しがちですが、できる場所なら切開したほうがいいなと、今なら思います。

ただ、こんなに数か月処置を頑張ってきても、歯根が原因なのでそこがどうにかならないと膿もなくならない…。
なんなら今、たぶん内頬とぽっかり空いた穴、貫通してるかも。との先生の見解。口の中にあふれていた膿が減って、その分、穴から出て行っている可能性が限りなく大。
こんな風になる前に、ほんと、1分でも早く、病院行ってください…。

■モルモットと抗生剤

これ、すっごい個体差甚だしくセンシティブだし書くか悩みました。
でも杏仁くんが闘ってきたことでもあるので、書き残しますね。
本当に!!個体差激しいので、困ったらネット漁るより一日も早くモルモットに本当に詳しい先生に相談してみてください!!

弱って体重の落ちた杏仁くんに抗生剤を使うこと、本当に本当に迷いました。杏仁くんは最初、膿瘍治療のために一番弱い抗生剤から始めました。
(注射タイプと飲み薬の2パターンありますが、杏仁くんは飲み薬を選びました)
でも膿の様子に大きな変化もなく、お腹の調子を崩すこともなかったので
獣医師の提案で耐性検査をすることに。

Sが杏仁くんに有効な抗生剤(費用は1万円程度)

膿を培養しての検査。膿はそもそも死滅した細胞を使うので100%絶対!!っていう判定ではないけど、しないよりは、今後もしもの時にと咄嗟に使える薬の幅が広がるので長い目で見て有効であれば・・・と依頼しました。
杏仁くんの秘密をひとつ知った気分でした。
(検査は外部機関に依頼したため、1週間後に結果が出ました)

投薬を始めて半年程度、黄緑色の膿はほぼなくなり調子を崩すことは1度もなく生傷があることによる膿はあるものの、大きく腫れることもなく安定したかな?といった感じです。

■治療経過

2024年2月現在、まだまだ治療のゴールが見えないマラソンを走ってる状態です。正直、しんどいです。
痛い思い・怖い思いをたくさんさせて、寝て過ごして好きなものも好きに食べられないで、口に無理やり流し込まれるものだけがごはんで
杏仁くん的には幸せなのかな??って毎日毎日、聞いても返ってこないので自問自答の日々です。
でもキラキラしながらおしるこたんの部屋眺めに行ったり、部屋んぽしたり生きてくれてるだけで花丸だなと思うから、かいぬしのエゴかもしれませんが生きていてほしいと思うのです。
毎月毎月、もう通算20回近く麻酔処置をしていて、今は3歳手前だけど
体への負担も大きくなっていくだろうし、いつか麻酔の選択ができなくなる時・目が覚めないままっていうパターンもあると思います。
それをすべて想定して覚悟したうえで、「こうしてあげてたら」っていう後悔を残さないために、できることは全部やってあげたいって思うんです。

この記事は、杏仁くんのケースだけしか書いていません。
他にもっともっとやれること、方法はあるかもです。

これから不正咬合やうっ滞と闘わなくちゃいけないかわいいさんたちと、飼い主様の役に立てたら、この杏仁くんの頑張りも無駄じゃないと思えます。
※時々加筆修正するかもしれません!

ぷい。

かいぬし:anmin


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