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父との思い出が詰まった、甘くてほろ苦い”おやつの話”

皆さんは普段、おやつは食べますか?どんなときにおやつを食べたくなりますか?

大人になってもおやつはやめられないもの。少しつまむと1日の疲れを身心ともに癒してくれたり、仕事の合間に食べる同僚や上司と自然と会話が広がったり。子ども、大人問わず人々の心の余裕を保つために一役かってくれているのがおやつなのだなあと感じます。

今日はそんな、数あるおやつの中でも私の「ある特別なおやつ」についてお話したいと思います。

蘇る記憶!‟思い出のおやつ”

一言でおやつといえど、種類は様々。私はもっぱら甘いものより、しょっぱいおやつを好んで食べていていて、MY FAVORITEおやつの王道といえば塩せんべい、柿の種、トマトスライス、さきいか。

いかにも女子が好きなチョコレートやドーナツ、クッキー、生クリームたっぷりのパンケーキなどはあまり食べす、まるでお酒のおつまみのようなおやつを好んで食べています。

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私の父はとてもお酒好きな人間で、毎日晩酌をするような人でした。仕事で帰りの遅い父との唯一のコミュニケーションの場と言えば、そう、晩酌の時間。

当時幼く、お酒の飲めなかった私にとっては、父親のお酒のおつまみを一緒に食べることが楽しみであり、それが私のおやつの時間でもありました。そんなこともあって、今のおやつの趣向が定まっていったのかもしれません。

父のつまむのもは基本何でも横取りして食べていた私ですが、当時どうしても”良さ”がわからないおやつがありました。

それが、あんずボー。

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昔よく駄菓子屋さんにおいてあった、あんずとシロップを閉じ込めた棒状のお菓子です。いまは駄菓子屋さんは少なくなりつつありますが、今でもドン・キホーテの駄菓子コーナーに行けば、だいたい置いてあるような駄菓子です。

父は昔からこれを冷凍庫でシャーベットアイスのように凍らせて、狂ったように食べていたのをよく覚えています。

幼少期の私は、この見た目の何とも言えないグロテスクさ”あんず”という得体のしれないフルーツになんの魅力も感じることができませんでした。パッケージには「甘酸っぱくて美味しい」なんて書いてありますが、実際に食べたときにも若干のエグみというか、渋みというか、クスリくさく苦いというか。

「パパは一体、何がおいしくてあんずボーばっかり食べるんだろう・・・」

そんな大人な口当たりのあんずボーは、唯一父と一緒に楽しむことができないおやつでした。

その後、私が学生時代に両親は離婚し、父とは離れて暮らすことになりました。大きくなったら一緒にできると思っていた晩酌が出来る歳になる前の出来事です。父とは離婚前から別居状態だったので、思い出される思い出といえば幼少期の事ばかり。あんずボーの想いでもその中のひとつです。

あんずボーとの感動の再会

ある日、ドン・キホーテに出かけたときでした。

「パパが好きだったやつがあるじゃん」

私はそう言ってあんずボーを母が持っているカゴの中にいれました。突然購入したくなったのは、大きくなって、あんずボーの味など忘れていたし、何より狂ったようにあんずボーを食べていた父の姿が忘れられなかったからです。早速、家に帰って冷凍庫で凍らせてシャーベットにして食べてみることに。

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凍らせるとこんな風になるのですが、一口食べるとこれがほんっっっっとうに美味しい。

じゃっかんの渋みの後の甘酸っぱさ、あんずのゴロゴロ触感がたまらない!

あんずボーの魅力に引き込まれるに時間はかかりませんでした。私は大人になって初めて、父が夢中になって食べていたおやつの魅力に気づくことができました。血は争えないな・・・そんなことすら思いました。

それからというものの、チャンスさえあれば買いだめをして冷凍庫にストックをするようになりました。

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自宅の冷凍庫はいつもこのような感じで、冷凍したお肉や冷凍食品などと一緒にあんずボーがひしめきあっています。沢山買いだめしているとついつい、食べ過ぎてしまうので、1日1本と決めて食べるようにしています。笑

より贅沢に!楽しむあんずボー

父は単に凍らせるだけの食べ方をしてましたが(単に凍らせるだけでも最高においしいですが)、私は気分によってあんずボーの食べ方を工夫しています。

その一つがあんずボーサワー!

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普段あんまりお酒を飲まない私ですが、あんずボーを組み合わせるだけで苦手なお酒もぐっと楽しめるようになりました。

焼酎1:炭酸水3+あんずボー1本

これが私のあんずボーサワーのレシピです。焼酎でなくても、杏露酒があれば杏露酒をいれてもさらに甘味が出て美味しいです!

思い出と共に味わう

幼少期、苦手だったおやつが今ではもっとも好きなおやつの一つとなりました。味ももちろん大好きですが、何よりきっと父との楽しかった思い出があんずボーをより美味しく、好きだ、と感じさせる要素なのかもしれません。

ほろ苦くて、渋くて、でも甘い。そんな思い出が蘇る、私にとって大好きなおやつです。皆さんにも思い出のおやつはありますか?

最後に・・・
ドン・キホーテで1袋5本入り198円!皆さんぜひご賞味ください^^

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