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【02:ミンカ10th企画】そこから始まる世界をまだ何も知らない

時は遡ること…だいたい10年とちょっと前。 
古風な和室の一室にメイド服で踊る私。
目の前にはカメラが起動しているMacBook。
そこから始まる世界をまだ何も知らない。


学生時代レンタルビデオショップのバイトを始めた。
オープニングスタッフで雇われた深夜帯のメンバー(10人くらい)は、皆同年代で男女問わずとにかく仲が良かった。

毎晩店が終わったあとファミレスで山盛りポテト食べたり、カラオケいったり、夜中に川原で鬼ごっこしたり、みんなでJリーグの応援行ったり、旅行したり。
今振り返るとくすぐったさがあるけど、
TSU◯AYAバイト生活は私にとって青春とも呼べるほど充実した日々だった。

影に隠れていたオタクカルチャーが…

ある時からこのメンバー間でアニメ観賞が爆発的に流行り始める。
エウレカセブン、ガンダム(リアルタイムではだぶるおーだったかな)、コードギアス、ハルヒ、らきスタ…。
有名作はもちろん、当時売り場には網羅しきれない量のアニメ作品が日に日に増え、コーナーが拡大されてきていた。
影に隠れていたオタクカルチャーが、少しずつ拡がりはじめているのを、いちバイトながら感じていた。

皆始めは興味本位で借りていたぐらいだったのに、気づくと放送中のものを何本もテレビで毎週チェックするまでに成長。

カラオケに行くと今まで歌うのはロックやらレゲエやら毎日仕事で耳にする流行りの曲ばかりだったはずが、いつのまにかアニソンしばりが自然な流れで始まるように。

私は元々そっち寄りの人間だったため漏れなくどハマりしましたよ。
アニメ雑誌を買い、アニメイトに通い、休みには日本橋にグッズ買い漁りに行った、行ったよ。ガチャガチャまわし続けてたよ。

すんごい個人的熱が入ったポップ(商品説明)をお金もでないのに一生懸命自宅で作ってコーナー作らせてもらったりね…当時作ったものまだお店に残ってたりしないかな…笑

A氏

この内輪でのムーブメントを起こした人物こそ、のちの伯爵となるA氏である。

A氏がどんな人か説明しようとすると、難しい。不思議なタイプの人だ。
性別関係なく(物理的)距離が近く、ただ誰もそれに嫌悪感をもたない。
私と同じく昔から漫画を大量に読んでいる所謂オタク側の人で、アニメも詳しかった。あと絵が上手。色白で背が高い。服がおしゃれ。整理整頓が得意。
リア充っぽさ溢れるオタクだった。

A氏筆頭に盛り上がっていたメンバーで、ついにはオタ活のため東京旅行にまで行った。

そこでわたしは出会った。
そうです、ここで登場します。
メイド服。

確か秋葉原のメイドカフェにみんなで行ったあとのこと。興奮冷めやらぬ中ドンキホーテに並んでいるメイド服を見つけた。
当時からコスプレしたい欲が強かった私は興味本位から試着させてもらうことに。

人生においてベビードレス以来およそ着たことがないであろうレースの量。小さな頃の憧れの象徴フワフワのスカート。大きなリボンが結べるエプロン。

わ、わ、わ、、、これは…可愛い…
着ていると二次元の世界に入れそう…
試着室で1人鏡を見ながら興奮する。

このまま二次元に入れるのでは…?(錯乱)幼い頃から抑圧しつつも漏れ出ていた二次元への憧れがここにきてピークに達した。自分で言うのもなんだが、もうそれでずっと活動してたから言うけど、似合っていた(言うた)。

試着室で1人鏡と向き合ったまま静かに大興奮する。

懺悔すると、冷やかし半分もあったのに、着てみると一瞬で「はい!!欲しい!!」に変わったのであった。

しかーし、胸の高鳴りを確かに感じたけれど、結局思い切れずそこでは買わず。
( 買ってどうするのという理性が働いて…。)

旅行は終わり、その後またすぐに1人で東京に行くことがあった。
東京の友達に、懲りずにまーた秋葉原連れていってもらって、コスプレ衣装をかしてくれるお店で、忘れられずメイド服を着た。

(その時の写真)

ここでメイドのカチューシャを初めてつけさせてもらい、心が決まった。

着てて嬉しかったり、自分が好きになれる服なんてなかなか無い。
少し決断まで時間がかかったが、2度袖を通しやっと(ネット通販で)メイド服を手に入れる。

これが今後の戦闘服になるなんて…。

ちょうどその頃、A氏に最近流行っているおもしろいサイトがあると教えてもらう。
ニコニコ動画だ。
素人(のちに玄人が多く混ざっていることを知る)が趣向を凝らした動画を投稿しているのが当時は新鮮で、好きだったアニメのMADなんかをたまにみて楽しんでいた。
初めて登録した時のバージョンなんだったかなー。
その頃は◯◯してみた系の動画に興味はなく、ポーションつくってみたとか、踊ってみただったらヲタケンさん(踊っ…?)の全裸で◯◯食べてみたとかそういう類のものしか見たことはなかった。

ではなぜこのあと、A氏と共謀して踊ってみた動画を作成するに至ったのか。
もうここまで長く語ってるのに、1番大事なところはこの一言に尽きる。
「ノリで」

ニコニコ動画を見はじめた時にこれまたタイミングよくハマっていたアニメがマクロスFだった。
ランカ派のH氏(ここでは初登場、1番仲良かったTSUTAY◯メンバー)と2人でよくライオンをカラオケで歌っていた(私はシェリル派)

Hはランカちゃんのソロ曲である星間飛行を歌う時、バッチリ振り付けまで覚えていたので、私も教えてもらって一緒に歌って踊れるようになった。

なんか踊れるとカラオケもより一層楽しい!!

よし!踊れるようになったし、せっかくだからニコニコ動画に投稿してみたい!

はぁ?

もうなんでこの思考になったか今ではわからない。せっかくだから…?
踊れる→楽しい→誰かに見てもらって反応がほしい!!!
ということなんだろう。承認欲求。
でも当時のニコニコの投稿へのきっかけってだいたい皆こんなもんじゃ…?

階級は…?高めに?伯爵で!じゃあ私は雇われし踊るメイドな!

A氏に話すと、じゃあ動画編集と撮影ぼくがやったげるーと名乗りをあげてくれた。
決めてから実際に撮影するまでは早かった。

私は一応踊ってみた動画というものを撮影までに見てみることにした。
星間飛行で見たのはランキング上位だったジョニーさんと、テレビ番組で歌い踊るランカちゃんの声優(中島愛ちゃん)の映像。
2人の動きを見て振りを確認、練習した。

あとは他の人のものもサラ〜っとみた。このサラ見のせいで、顔を隠すのが当然だという風潮を感じることないまま撮影日を迎える。

撮影当日
A氏のおうちにお邪魔して、これで踊りたい!とメイド服を見せる。ワードローブの中で1番星間飛行のランカちゃんに近いものだった。
普通だったら引いてもいいところをA氏はイイネ!!とすぐのってくれ、2人でその場で設定まで決める。じゃあぼくが投稿するから雇い主ってことで、階級は…?高めに?伯爵で!じゃあ私は雇われし踊るメイドな!
そういう設定とか妄想大好きな2人だったので話はとんとん拍子で進む。

そんな感じでノリノリで始まった撮影。

そういえば動画でみんなマスクとかしてたから買って来ようと思ってたけど忘れたなー。(その頃家にマスク常備などしていなかった)
まぁ表情みえたほうが動画みてるほうも楽しい気がする!

この時点でそのことは深く考えもせず素顔のままで踊ることにした。

機材はA氏がもっていたMacBook。
その内蔵カメラで撮影。多分ビデオ通話とかに使うものよね。
パソコンに向かって黙々と踊るのはカラオケとは全然違い、なんか気恥ずかしい気持ちに途中でなってきた(いまさら)。それでも何度か振りを間違えたりしつつも早々と踊り終わり、そこからはA氏に編集をまかせた。
あの撮ったものと音合わせるのが地味に難しくて昔はよくズレていたものだ。そういう細かい作業が苦手なのでA氏に完全におまかせし、横で書棚にあった漫画を本気で読んでいる間に動画は完成した。

思いの外いい感じに出来上がった作品に2人でキャッキャし、事前の設定にそった投稿文も考え、その場ですぐアップロードすることに。

勢いと好奇心に任せて投稿してどうなったか…

次回に続く


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