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【05:ミンカ10th企画】心の中でどす黒い灰が降り積もりこびりついていく

前回までのおはなし
DANCEROID結成、卒業。
気持ちが弱る。

私のことを昔から知っていてくれる人は、前回記事の終わり頃で思ったのでは無いだろうか。
「でた、マイナス思考!」

自他共に認めるマイナス思考の私。
無意識に、日々最低ラインを頭の隅に置きながら自衛している。
そして完璧にできるものを持ち合わせていないくせに完璧主義なので少しのマイナス面に意識が引っ張られやすい。
卑屈にみえるほど自分を下げることが多いが、実は無駄にプライドが高いせいで結局自分の首を絞めがち。
(ここまで早口)

暗いこと語りだしたら突然の饒舌よ。任せてよ!
まだキャラが固まっていなかったミンカ初期から一貫してこの根暗なところは隠せない。
今回の記事までは意識して暗い部分を(これでも)オブラートに包みながら書いてたけど、ようやくよくない方向に本領発揮しまーす。
うじうじタイムなので苦手な方はご注意を…。

・・・

話は動画を一度削除したところまで戻る。
何もわからず投稿した第一弾で、反響とともに初めてネットでの中傷に晒された。
まぁ何もわかっていなかったんで、その時はまだ興奮状態だったのもあって驚きの方が大きかった。

少しずつ冷静になってきて、対処の仕方もわからず、膨大な中傷コメントで動画が埋め尽くされた時には、早くも気持ちは擦り減っていた。

不思議なもので、見たくないのに目が追うのは称賛コメントではなく、中傷コメント。
(まぁニコ動の性質上(特に昔はまだ)コメントは相当悪質なものでない限り全て流れるようになっていたので、反応を楽しみたいならコメントを見るしかないんだけど…。)

生きてきてこれほどまでに罵声をあびたことなんてない。
ブス、デブ、ふとましい、自意識過剰、豚、整形、可愛いと思ってんの?w、ぶりっこ、死ね、キモ、よく生きていられるな。

何か重犯罪をおかしたのか?ただ趣味で動画を投稿しただけである。それが誰かを不快にするなんて思いもしなかった。

まあ、なんとなくその場の流れで攻撃してみただけの人が大半だったんじゃないかな?
ネット社会の洗礼を受けたともいえる。
でもその心理がわからないその時の私にとっては、突然数えられないほど多くの人に嫌われたように思えた。

一度気になってしまうと、普段の生活を送っているあいだも頭の中でずっと批判の言葉がまわる。
『みんな言わないだけで私って見るに耐えないのかも…いまあの人にもあの人にも嫌われてるかも…』
それまで、マイナス思考ではあるものの、自己肯定感が低いわけではなかった私。だけど、それも崩れ始めていた。

楽しい、おもしろい、と始めた動画投稿を10作と決めて再開したのは、ゴールを決めないと、このストレスに耐えられる気がしなかったのも大きな要因だった。

再び投稿を始めると、初期作よりは落ち着いてきたものの、変わらず一定数の中傷コメントは流れる。
別にそれを見て泣いたり怒ったりするわけではない。心の中でどす黒い灰が降り積もりこびりついていくだけだった。
皮肉なことに、負の感情によって画面の向こうの人格だと思っていたミンカは、現実世界の私に染み渡っていった。

体型のことを言われるのがいやでダイエットしたり、投稿コメントやブログにそのことを書いて予防線をはったりした。
そうやって自虐しながらも、料理したとかなに食べたとかの発言には気を張る。
心が不安定なままのダイエットで、活動中は何度もリバウンドを繰り返した。その度にそれみたことかと嬉々として叩かれ、意志が弱く醜い自分に嫌気がする。


しばらくすると初めの批判とはまた別の毛色のものが浮き彫りになってきた。いわゆる粘着アンチといわれる層だ。
数人いたのかなあ。私の一挙一動に文句をつけ、あることないことで叩かれ、いかにも知人友人ファンのフリをして噂や個人情報を流布してみたり、とにかく批判され続けた。私だけでなく、家族や周りの人たちまで中傷されることも多かった。

こういう人って、外から見てる分には「あーまた変なのわいてるなあ…されてるほうかわいそう、気にせずいてほしいな…」って思うじゃない?
でも実際自分がされてみると、まぁぁぁきつい(笑)
特に嫌われたくない気持ちが大きすぎて極論「万人に好かれたい」とすら思っていたので、どう世界がひっくり返っても意見を変えることはないであろう見えない人物の存在に絶望していた。
もしかしてこのネガティブな存在に、ファンの人ですら影響を受けてしまうのではないかという不安も大きかった。

頭ではわかっている。気にするな。スルーだ。
周りも言う。気にしないで。スルースキル身につけよ!

…出来ないんだよね。
一度心が囚われてしまったら抜け出せない。

有名税なんて慰め方をされたこともあるけど、これほどの悪意を人から向けられたことがない限り、理解できないものだと思う。もどかしいけど…。
今でも思い出すと吐きそうになるわ。

その人たちは、そうやって私が苦しむことに精を出していたんだろう。喜びを感じていたんだろう。
よかったね、成功してるよ。ずっと効いていたよ、何年も、十分苦しんだよ。

アンチなんて、ファンの数と比べたら99対1だよと言ってもらう。ただその1のネガティブなエネルギーは強烈なもので、混乱をもたらし注目を集める。私のような元からネガティブなタイプを壊すのなんて造作もない。

DANCEROIDの活動中、そしてやめた頃は輪をかけてひどくなる中傷と、自信喪失によってメンタルがボロボロになっていた。

早く踊ってみたを10作品作ってしまわねばという焦りもまたあった。
何か言われたら…完璧なものを作らなきゃ…再生数もマイリスも今まで以上に伸びるものを…。

少し離れている間にニコ動自体、◯◯してみた系の盛り上がりは最高潮に達していて、新たなムーブメントとして定着していた。
踊ってみたも例に漏れず、顔出しは当たり前になり、新たに台頭してきた踊り手、作品の質やダンススキルなどなど数ヶ月で様変わりしていた。

果たして、そこに戻っていけるのか。
焦りと弱った心はズブズブと足を引っ張った。

・・・

今の私が見たらぶん殴りたくなるくらい、ウジウジを垂れ流していたその頃の私を救ってくれたのは、結局、99対1の99の人たちだった。

見ててイライラしてそっと離れた人もいたと思う。いやー、私でも離れるもん。笑
でもそんな状態の私でもファンと言ってくれる人は、いつだって味方して、慰めて、励ましてくれた。
特にその頃からTwitterやニコ生で直接声を届けてくれる人がグッと増えたのは大きかった気がする。マイナス思考な垂れ流しにでも、すぐに反応をもらえるのは(今思えば甘ったれかまってちゃんだけど)嬉しかった。
何度も何度も、沈みかけた私をすくい上げてくれた。

そして、ある企画をファンの方が立ち上げてくれた。
ミンカオリジナルメイド服の作成である。

ファンがお金を出し合って衣装をつくってくれるなんて、ねえ、こんな幸せなことってあっていいんだろうか。
もう返せないほど気持ちをもらっているのに、形にしてまで。

この想いに応えたいと思った。

プレッシャーは感じたけど、ありのままの自分でも背中を押してくれる人たちはちゃんと周りにいる。それの心強さったら。
新しい戦闘服に身を包むと気持ちは自然と高揚した。


次回につづく

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