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もうちょっと自立しようよ

客員研究員 (Visiting Scholar) として、いまオーストラリアに来ているわけですが、とくに何の問題もなく、たんたんと毎日が過ぎていきます。

客員研究員にはいろいろ種類がありますが、主には、すでにどこかの大学で常勤として所属している学者が、研究費や旅費の支給をうけて、他大学を訪問する機会を与えてもらう、というものです。受け入れてくれる大学と、そこでホストとなってくれる学者は自分で見つけないといけませんが。

なので、受け入れ側の学部事務局にしてみれば、「オフィスとコンピューターはあてがってやるから、あとは各自、ぜんぶ自分でやってくれ」という感じです。なかには「仕事半分、休暇半分で遊びに来ている」と揶揄する人もいます(実際そうだったりする場合もあります)。

ましてや、短期間の客員研究員なんぞは、英語圏の大学では、ほぼ完全にほったらかしにされます。私も、自分の大学に客員が来てたら放っておきます。自分の研究分野と関わりがあったら話くらいしますが。

ごたぶんにもれず、私は今、そのほったらかし状態にあるわけですが、
私にとっては、このほったらかし状態がむしろありがたいです。身の回りのことは自分でできますから(もちろん、共同でしている研究とかは別です。)

外国人は冷たいのか

日本から英語圏に客員で訪れる研究者のなかには、現地の人のこういう対応を、「冷たい」と感じる人もいるようです。大変言いにくいんですが、この際、はっきり言わせてもらうと、

なに甘えてんの?

Visiting Scholar の日本訳として使われている「客員研究員」の「客」を文字通りとって、お客さん扱いしてもらえるとでも思っているんでしょうか。

日本の有名大学から来ている、と言われても、そんなことは海外では知ったこっちゃありません。

「日本から来ている日本人の僕ってどこか特別」という勘違いをしている人も結構います。まぁいろんな意味で特別かも知れません。特に言葉や習慣において。でも、それを言い出せば、国籍や出身にかかわらず、各個人はみんな特別な存在です。

ましてや、欧米でそこそこのレベルの大学には、それこそ入れ替わり立ち替わり、世界各国からひんぱんに客員研究員が来ます。特別扱いなどされません。

あと、いさせてもらっている場所の施設に「これがない、あれがない」と文句をいう人もいますが、いるものだったら自分で準備してきて下さい。そもそも、しばらくの期間いるだけなのに、そんなに何やかんやといりますか?

何かに頼りすぎていると不満も多い

肩書きやモノ、また、他人がどうにかしてくれるかもという期待、こういうものに頼りすぎていると、それが満たされない状況において、不満や不安がつのります。

一番いいのは、外的なものに頼りすぎないことです。

何をするにせよ、はっきりとした目的・目標をもち、自分というものをしっかりと持っていたら、たとえおかれた状況が変わっても、日々の生活の中で不満に思ったり、がっかりしたりすることは、かなり減ると思います。