見出し画像

最大限に生きた人:ビリー・グラハム

本日、2018年2月21日、世界的に有名な牧師で、キリスト教の復興運動に貢献したビリー・グラハム氏が亡くなりました。享年 99歳。

アメリカだけでなく、イギリスを始め各国で福音を述べ伝えることに人生を捧げた人物です。 若い方はあまり馴染みがないかもしれませんが、英語圏でビリー・グラハムといえば、それはもう Big name であり、中高年の世代ならクリスチャンでなくとも、その名を知らない人はいないんではないかと思います。

政治・社会問題にもかなり関与し、その影響力の大きさゆえに批判をうけることも多々あったようです。

ただ忘れてはならないのは、キリスト教を信仰する以上、今の世の中、政治的・社会的な問題に無関心ではいられない、ということです。 これは、宗教的な話を抜きにしても言えると思います。

いろんな意味で乱れている現代社会において、倫理にそった生き方を貫こうとすれば、生きること自体が戦いであり、日々、選択と決断を強いられることになります。

ビリー・グラハムについては、伝記や関連した書籍も多々あるのでここでは割愛しますが、個人的には、私は彼の若い頃の話に学ぶべき点が数々あります。

世界中をまわり、大規模なスタジアムで何千人、何万人もの観衆にむけた説教は YouTube でも見れますが、彼のカリスマ的スピーチとて、彼の熱意と、経験を通して培った訓練の賜物です。(もちろん、持って生まれた才能もあったでしょうが)

牧師になりたての頃は、川べりで出くわす鳥とかワニとか、木の切り株を相手に説教の練習をし続けたとか。 その話を読んだ時、私は、ビリー・グラハムの仕事に対する熱意に仰天しました。

その頃、私は大学講師になりたてで、イギリス人の学生相手の講義に苦戦していました。が、自分は外国語で講義しないといけない身でありながら、彼ほどの熱意をもって準備・練習をろくにしないで、愚痴ってばかりいたからです。

「どーせ無理じゃん、そもそも不利だし」という言いわけをするのは極力やめよう、と思ったのはその頃からです。(とはいえ、今もつい、負の要素のせいにして怠けてしまうことが往々にしてありますが)

ある牧師が説教の中で、「もし君が、個人の力には限界がある、奇跡なんて信じられない、というんなら、飲んだくれの親父をもった農家の息子を、神がどれほど最大限に生かし用いたか、よく見てみるがいい」と言っていました。

この「農家の息子」というのはビリー・グラハムのことです。 ビリー・グラハムの功績は BBCのこの記事に要約されています。

彼は壮年期以降、いくつもの病気に悩まされ続けましたが、それでも 80歳代半ばまで伝道の仕事を続けました(体の不調のため2005年に正式に引退)。 彼は晩年、次のような言葉を残しています。

"Suffering is part of the human condition, and it comes to us all. The key is how we react to it, either turning away from God in anger and bitterness, or growing closer to Him in trust and confidence."

ビリー・グラハムほどの偉業は達成できないとしても、与えられた人生の中で、全力を尽くす者でありたいと思います。

下記の曲は、米国のアーティスト TobyMac (トビー・マック) の "City on our knees".  On one's knees は、「ひざまずいて(祈る)」 という意味です。