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ポコチャライバー半年やってみて

軽い気持ちでライバーを始めてみたあの日から、もう半年が過ぎた。
節目なのでこれまでの経緯を簡単に書きつつ、自分の意識の確認もしていけたらと思いキーボードを拾い上げた。

・なぜポコチャだったのか
特に深い理由はなかった。
麻雀プロでポコチャを使って配信をしている人が多かったので、僕も見ることがあった。
なのでアカウントを登録していたのはライバーを始めるよりも随分前のことだった。
「配信とかやらないんですか?」
これは今まで何度言われたかわからない。
僕のことを知っている人は、やはり僕のことを配信に向いている人間だと思うらしく、実際にその印象は当たっている。
僕自身まんざらでもない気持ちに毎回なっていたのだが、きっとおそらく世の中のほとんどの人がそうであるように、僕も新しいことを始めるその第一歩が重たいタイプだった。
なぜやろうと思い立ったのかは、今思い出してもよくわからない。
コロナの自粛期間が始まったばかりで、ライバーを始める人も多かったことも僕が始めやすい要因の一つだったのは間違いなかった。
「今夜から配信始めてみようと思います」と昼にツイートしたのが4月30日。
ポコチャのシステムがランクがあってどうだとかも知らなかったし、リスナーの応援システムが毎月リセットされることも知らなかったので、タイミングがちょうどよかったのは偶然でしかなかった。

ポコチャには麻雀プロの先輩ライバーがたくさんいた。
つまりそれはポコチャのリスナーに麻雀関係のリスナーが多いということでもある。
僕は最初、それを利用するような形でリスナーを集めることに成功した。
麻雀プロ12年目でそこそこ顔見知りの麻雀プロも多かった僕は、知っている麻雀プロのライバーの枠へリスナーとして手当たり次第訪問した。
宮内こずえ、魚谷侑未、東城りお、伊達朱里紗、松島桃、咲良美緒、松田彩花、愛内よしえ&水口美香(あいうちむ)、足木優。(敬称略)etc...
今はもうライバーをやっていない人もいるが、どのライバーさんも人気ライバーだった。
僕が行くと「小車さん!ライバー始めたらしいですね!」「こないだ見に行ったけどめっちゃ面白かった!みなさんもぜひ見に行ってみて」などと宣伝してくれた。

新人ライバーは最初が大変で、なかなかリスナーさんが来てくれずにやっと来てくれた一人とか二人とかのリスナーさんもすぐにいなくなって……ということも多いらしい。
僕はそこをあっさりとクリアできて、基本的に女流プロのリスナーをしている人の寄り道枠としてスタートすることができた。
僕の枠のリスナーのほとんどが男性になってしまったのは言うまでもなかったが、男子校のようなノリでふざけられる僕の枠の性質には合っていたようにも思う。

・ポンポン上がるランクシステム
ポコチャにはライバーのランクシステムがある。
もとい、ランクシステム自体がポコチャそのものだ。
ランクE1から始まり、最高ランクはS6(2020年10月現在)だ。
このランクによってライバーは時間ダイヤが決まる。
時間ダイヤというのはわかりやすく言うと『時給』で、Eランクは30ダイヤ。1ダイヤ=1円だと思ってもらっていい。
これが1日最大4時間まで配信した時間に応じてポコチャからもらえる。
あとは盛り上がりダイヤと呼ばれるものがあり、こちらはその配信の盛り上がり度に応じてダイヤが配られる。
使われたアイテムの量に応じてもらえるダイヤだと思ってもらって相違はない。
ではどうやってランクが上がったり下がったりするのかというと、毎日同じランクのライバー同士で応援ポイントという数値を使って競わされる。
こちらはざっくり言うと「どれだけのアイテムをリスナーに使ってもらったかを数値化したもの」と思ってもらえば大きな相違はない。
同じランクの人とその応援ポイントで競い合い、上位10%に入ると+2のランクポイントがもらえる。上位30%で+1のランクポイント。上位60%で±0。下位40%になってしまうとー1ポイントとなってしまう。
このランクポイントを+3すれば上のランクにランクアップ。逆にー3してしまうとランクダウンというシステムだ。
全く配信しないとマイナスしてしまうので、お休みしたい時は基本的に毎週2枚配られるおやすみチケットというものを使う。これは配信しなくてもランクポイントが変動しないようになる素敵なチケットだ。
あとは月の最初にも2枚ほどもらえるが、これはランクによって変わるんだったかもしれない。

いやちょっと待ってくれ。
僕は別にポコチャのシステムを説明したくてこの記事を書いているわけじゃない。
なのにかなりの時間をこの説明に使ってしまった。
それだけややこしいシステムなのだということを改めて認識している。

それで何が言いたかったのかというと、このシステムが本当にポコチャそのものだと書いたのだけれど、良くも悪くもこのシステムに僕らライバーは振り回され続けることとなる。

僕は調子よく最初の1か月間でB2(当時はBと呼ばれた)ランクまで上がった。
それからもじわじわとランクを上げ続け、3ヵ月経ったくらいでA帯ライバーになり、9月にはS帯ライバーになった。最高ランクでS2まで上がった。

これは誰にでもできることではない。
僕は自分のライバー適正を誇らしく思ったし、それを見に来てくれて応援してくれるリスナーさんへの感謝も忘れていないつもりだった。
全てが順風満帆だと思い込み、たとえ壁にぶつかることがあったとしても、辿り着いたこのランクから転げ落ちるようなことはないだろうと高を括っていた。

・理想とプライドと現実
ホープバナーイベントで1位を取ってランクアップした僕だったが、イベントの力を借りて上げただけで本来の維持していたランクよりも上に来てしまっていることは自覚していた。
「ライバーの力とはなんだろう?」
僕はそんな事をよく考える。
僕は配信を始めたあの日から、多少小慣れた部分はあるかもしれないが、本質的には何も変わっていない。
誰かと楽しくコミュニケーションを取りながら、僕が面白いと思う事をふざけるだけの配信だ。
そこにそれを面白いと感じてくれた人が集まって、自然とアイテムを投げてくれて、それで気付いたらランクが上がっている。それが僕の理想だ。
ランクが上がると毎日必要な応援ポイントが大きくなってくる。壁にぶつかって思うようにランクが上がらないばかりか、維持することもしんどくなってくる。そうなって初めて、ライバーとしての真価が問われると僕は思う。
「維持がきついんでアイテム投げてください」
極端な言い方をすればそういうお願いをリスナーにしなければ維持できないランクに上がってしまったのならば、僕は素直にランクを落とすべきだと思っている。
僕はプライドを持ってライバーをやっている。
そのプライドはランクに縛られるものではなく、楽しい配信を続けていくということのはずだ。

ここで現実が押し寄せてくる。
僕だって人間だ。上がったランクを落としたくはない。
落とすべきだと言っておきながら、出来る限り足掻こうとする。
これまでほとんどやらなかった「おしのび配信」と呼ばれる新規リスナー獲得のための配信をやってみたり、配信スタイルを変えた方がいいのかと試行錯誤した。
「追いハート、拍手回収、キラコメ、いいねの長押しは気が向いたらお願いします」
これらは配信を盛り上げるために重要かもしれないとされている要素で、そんなお願いをすることは好きじゃなかったが恥ずかしがらずするようになった。

あれ?プライドってなんだっけ?
ライバーの力って?
僕が楽しくて、それを見てるみんなが楽しいはずだった配信は、もういつの間にかランクを維持するためにやらなければならない配信に変わってしまっていないか?

それでも僕は僕なりに楽しんでやってきたつもりだった。
だけどきっとそんな僕の変化や葛藤に気がつく人も少なくはなかったのだろう。
僕の枠から少しずつリスナーが離れ始めた。
ランクがイベントに出る前のA3よりも一つ下のA2まで落ち、そこももう落ちてしまいそうなところに僕は今いる。

・これからのこと
とはいえ、僕はライバーをやめようと思ったことは今のところない。
リスナーが離れてしまったりすることはごく自然なことだと思っているし、何よりそれでもずっと来てくれたり応援してくれている人もたくさんいる。
僕のダメなところも未熟なところもきっとバレている。
それでも応援してくれるのなら、僕ができることは続けるということしかないじゃないか。
ランクが落ちた時に配信中の空気が重くなるのが嫌でヘラヘラ笑ったりした。
「みんな気にしないでー!ランクは落ちたって本質は変わらないんだから!」
メンタルはボロボロなのに、明るく楽しく配信しなければもっとランクは落ちてしまう。

これから、僕はどうして行こうか。
正直なところ、明確な指針など見つかっていない。
だけど今いるところだって立派なランクだし、焦らず本当に見たいと思ってもらえる配信を作っていくことしか、僕にできることはない。
それがライバーの、僕の力だ。

そしてたった一人の僅かな力に呼応して、何倍にも増やしてくれてランクが上がった僕の枠は、それ自体がリスナー全員の力だ。
絶対にそこだけは勘違いしちゃいけない。
リスナーがいるから僕は楽しくふざけられるのだ。

もしこれからの僕を見てくれるリスナーの皆さん、ファミリーの皆さん。
どうかこれからも小車をふざけさせてください。
うまくいけば嬉しいし、うまくいかない時は悔しくて悲しい。
それだけでいいんだなって、最近は思います。

みんなの期待か応えなきゃと無理してメンタルを壊すことも、やらなきゃいけない事の順序を間違えて迷惑をかけることも、自分を甘やかして楽な道に逃げる瞬間があることも、きっと全てはライバーにはつきものでこれからもやめられないと思う。

いまいち纏まらなかったけど、なんとなく思っていることを文章にしてみました。

長文でしたが、読んでくれた方ありがとう。

さて11月。
またやっていきますか。

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