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ミニチュア作品のリアルについて考えてみた

先日、ミニチュア作家お二人と話をする機会があっていろいろと話したが、展示会や販売会などで来場者の方々の作品に対する感想に「リアルですね」というのが多いという話が面白かった。

お二人はどちらかというと非現実的というかファンタジー要素のある作品を制作されている。
そのお二人が言うには、うれしいけど「この作品は現実にないものなのに?」と思ってしまうこともあるようで現実にないものを「リアル」と表現されると一瞬考えてしまうことがあるらしい。

でも、実は僕には何となくわかる。
お二人の作品には説得力がある。
それはリアリティ(現実味を帯びたもの)として受け取られ「リアルですね」に繋がるのだと思う。

僕の場合はちょっと違う。
ミニチュア木製家具を制作していて実物(リアル)を参考にすることもあるし、初めから1/12サイズの家具としてオリジナルでデザインし制作することもある。
オリジナル作品を「リアルですね」と言っていただくこともあって家具だからそこまでの違和感はないし、うれしい。
けど僕も「この作品は現実にないものなのに?」となることがある。

ではなぜ違和感を感じつつもうれしいのか。

考えてみると制作者は自分の中にあるイメージや世界観を様々なテクニックを使って表現しているのだ。
そのイメージや世界観の元となっているのは、制作者が実際に見たり、聞いたり、触ったり、読んだりしたリアルな体験だろう。

そうなのである。
作品自体が現実にないものでも、それを作り上げたり表現したりする手段として自分の中にある「リアル」を使っているのである。

だから、「リアルですね」と評価されるとうれしいのだ。

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