見出し画像

27歳、自己愛の重要さを痛感する。

結婚式ラッシュである。嘘である。少なくとも私の親しい人々の中では、未婚者の方が圧倒的に多い。96年生まれ、今どきの「結婚しない若者」と揶揄される世代であるから、まぁ上の世代の常識にはそぐわなかろう。

しかし、それでも、人生の分岐点に立たされていることに変わりはない。

ほっとしてはいけない。

「まだみんな結婚していないから」。これはすなわち、周囲が既婚者ばかりになった時に「私も結婚しなくちゃ」と裏返ることが決定づけられている安心感だ。下手すると、周囲が結婚しないことを望むようになる。これはいただけない。そりゃ結婚する気のない友人は良いだろうが、生涯のパートナーと結ばれることを願っている友人たちの不幸を願うことになってしまう。

さて、私は結婚願望が死んだ女である。否、薄ぼんやりとした「人と暮らす幸せ」には一丁前に憧れがある。しかし、人生の目的のひとつに結婚を数えてはいないのは確かだ。多様性の時代、両親には早めに覚悟を決めていただこうと20歳の時にはこれを宣言し、ありがたいことにこれ迄ひと言たりともその手の質問を受けたことはない。正直、非常に救われている。私は兄弟姉妹もいないため、ほとんど確実に両親をがっかりさせているかもしれないが、親を喜ばせるために子どもを得ることは選ばないというのもまた、考えに考えて決めたことでもあった。

だから、思う。ほっとしてはいけない。周囲と自分が同じステージにいることに、ほっとしてはいけない。
ほっとするのは、周囲と自分が違うステージにいても笑いあえた時までとっておかないといけないのだ。

形ではなく、距離にこだわる。

今年の生涯未婚率は、男性が28.25%、女性が17.85%らしい。これは今の50歳時の未婚率であるから、私の世代などもっと増えていくに違いない。加えて少子化、核家族化。結婚はおろか、何もしないまま「誰かと一緒に生きていく」ことが難しくなっていく時代だ。学生時代の友人を大切にする。新しいコミュニティに参加する。SNSで交流を図る。自分から、自分と一緒に同じ時間を過ごしてくれる「誰か」を探して、私たちは孤独を乗り越えていく必要がある。

ところで、過去の私はやたらと形にこだわっていた。目の前の人は「恋人」か「友達」か。オフィスで仲の良い人は「同僚」か「友人」か。しょっちゅう会ってくれるあの子は、「親友」と呼んでいいのだろうか。特段おかしなことではない。形のないものより、形のあるものの方が分かりやすくて安心する。だから「結婚」して「夫婦」になるのがあそこまで盛大な儀式になっているわけで。
どっこい、これから先はどうも、形にこだわる方が辛いような気がするのだ。あの人は私の友達か、知り合いか。その言葉の意味に悩むより、彼らと週末の約束を取り付ける方がよほど有意義だ……と、思う。

なまじ、頭に固定観念が染みついているので、結婚し配偶者を持つ友人に対して心は一歩退く。例えば、夜遅くまで友人を家に留めた時、ふと思ってしまう。「そろそろ、この人を返さなければ」。
誰に、何を返すって? すぐにそう思えたのは僥倖だった。友人は確かに結婚したが、配偶者の所有物になったわけではない。時間管理もどこで誰と会うかも、当人が当人の意志で決めて動いている。そんな当たり前のことが、なぜだかすっぽり抜け落ちる。私はただ、友人が存外遠い私の家から終電を逃さずに帰れるかどうかだけを心配していれば良いのであって。

そこで、ふと、気が付くのである。
「独身の人とは付き合いにくいな」と思われたくないだけだということに。

「幸せ」を計画する。まずは自分を愛することから。

これは持論、かつ今さらしたり顔で言う必要もない世の常識だと思うが、他人に嫉妬しない一番の薬は、自分が幸せになることである。
しかし、これが難しい。幸せってのは降ってこないし、中長期的な幸せは日々の積み重ねが作っていく。なんだか事業計画みたいだな。しかし実際そうなのだから、どうにもし難い。

でも、必要なのだ。いつか友人に子どもが生まれた時、その隣で心から笑っているためには。夢に近づいている、仕事が楽しい、暮らしが丁寧、猫がかわいい、何でもいい。「友人の隣で心から笑いあっている自分」に必要なものを考えて、そのために今から頑張る。そうでもしないと、凡人なので絶対に嫉妬する。祝福できない。選ばなかった道が今さら青く見えて、今の自分の道が乾いて見えるに違いない。いやいや、全くいただけない。

で、タイトルに戻る。自己愛、かなり重要アイテムじゃない?

醜い感情は、ロケットエンジンだ。

想像してみよう。結婚した友人がいる。子どもを持つ友人がいる。夢を叶えた友人がいる。ほら、私が嫉妬し始めた。そういう奴なのだから仕方ない。さあ、あの哀れな女を救ってやろう。運命の女神は今の私である。

もう、アラサーなんて不安定でなんぼだ。不安も嫉妬も焦りも、気を抜けば201ばんどうろのビッパくらい湧いてくる。ダイパ世代です。問題は、この野生の感情をどうやって捕獲し、いい手持ちに育てていくかだ。幸い、今の私たちには素晴らしい先達が沢山いるし、目の前にはまだ無数の選択肢が残っている。チャンピオンでもポケモン博士でも望んだ道なら幸せで、隣に並んで笑い合えるって、ホップが教えてくれただろう。

友達の結婚式で祝福に泣きながら、友達の挑戦に拳を上げながら、私は私の幸せをしっかり育てていく。置いてかれないぞ。ちゃんと離陸するからな。待ってろ、未来。


Q. それで、何かするんですか?
A. 今日頑張ってこれ書いた。あと転職を…。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?