今日(2023/08/13)の切り抜き


20230813今週のことば
20230813寸鉄

名字の言 魯迅と藤野先生2023年8月13日

 中国文学者の増田渉氏が『魯迅選集』を出版する際、収録する作品について魯迅本人に手紙で相談した。返答は端的だった。「私は別に入れなければならないと思うものは一つもありません。しかし『藤野先生』だけは訳して入れたい」(『魯迅の印象』角川選書)▼魯迅が日本に留学した当時、中国は列強に浸食されていた。魯迅個人も周囲の日本人から冷ややかな扱いを受けた。だが、藤野先生は魯迅が筆記した講義ノートを添削し、文法的な誤りに直しを入れるなど、大切に育んだ▼魯迅は後に述懐している。「私はよく先生のことを思い出す。私がわが師と仰ぐ人々の中でも、先生は最も私を感激させ、私を鼓舞激励してくださった一人である」「先生の人格は、私の眼と心の中では偉大である」(増田渉訳)▼人生には幾つもの出会いがある。中でも、人生を決定づけるような出会いを得ることほど幸福なことはない。その思い出は、時を経るほど輝きを増し、人生の節目にあって自らを奮い立たせる原点となる▼76年前の8月14日、池田先生は戸田先生と出会った。仏法の師弟の絆は「三世の契り」(新1456・全1070)。今この時、池田先生と共に、世界広布の大道を歩む喜びを我らは胸に刻みたい。(当)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?