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外出自粛=引きこもり映画

外出自粛中マジでやること無くて映画を6本ばかしみたので、ネタバレ無しで紹介&簡単なレビューをします。

※今回観た映画は暴力的、下品な要素があるので人によっては気分を害す可能性があります。なるべくオブラートに包みますが苦手な人はブラウザバック推奨です!



1.トレインスポッティング

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前々から友人に勧められてたのですが、やっと観れました。

一言でまとめると「薬中たちの青春物語」です。汚ねぇスタンドバイミーです。

薬中だったりアル中だったりする若者達がクスリに溺れたり、事件起こして捕まったりして、なんとか依存を抜け出そうとするのですが、その矢先にとんでもない事件が...的なストーリーとなっております。

この映画の魅力は何と言っても映像表現と音楽です。クスリガンギマリですよっっ!!ていう色彩表現が凄まじく、主要人物達の演技もあって、ドラッグの世界の異常性を退廃的かつ面白く表現しています。

劇中に流れる音楽も、イギー・ポップやプライマル・スクリームなど世界観に見事にマッチしている音楽ばかりで、より映画の中に引き摺り込まれます。音楽だけでトリップ出来ますね。

まぁここまで書いてる限り、クスリ賞賛映画に聞こえちゃいますが、そうではないです。

映画を最後まで観ていただければその理由が分かります。

ドラッグの恐ろしさはどこまで人間を変えてしまうのか。そしてそこから立ち直るにはどう生きなければならないのか。その様な問題提起を圧倒的表現力で投げかけてくれる。そんな素晴らしい映画でした。2も観なければ。



2.サーチ

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現代では殆どの人が利用しているSNSを主軸に物語が展開していく映画です。

どんな映画かというと、突如失踪してしまった娘を見つける為に、父さんが娘のSNSを覗いて痕跡を集める。って感じの映画です。

で、この映画

正直ド肝抜かれました。めっちゃ凄い映画です。

まずこの映画、全部がPCの画面上で物語の進行が行われます。一時間半ぐらいある上映時間全部です。

なんか『パラノーマル・アクティビティ』に似た手法だと感じますよね?

しかしこの映画は伏線の張り方が尋常じゃないです。一見何気なさそうなブラウザに流れる映像等、1回観ただけじゃ絶対に発見出来ない伏線が多々あります。

そしてストーリーの構成自体も秀逸です。

ネタバレは控えますが、恐らく誰もがSNS上で抱えかねない問題・人間関係等に切り込む、現代社会ならではの要素をリアルに描写しています。一部の方は胸が「ウッ」となるかもしれません。

尚且つ娘の失踪の謎を紐解いていくサスペンス要素もしっかり練られていて、事件の進展や登場人物の様々な思惑もPCの画面上で生々しいぐらいに容赦なく描写されていきます。

「サスペンスの面白さ」「SNSの光と闇」「怒涛の伏線」等の要素をPCの画面1つだけで構成していく半端じゃない作り込み。

とても素晴らしい「名作」と呼べる映画でした。



3.カムガール

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ネトフリオリジナルの映画です。

この映画も先述の『サーチ』と同じく、現代のネットをテーマにした映画ですが、『サーチ』とは毛色が違います。

題名の「カムガール」とは、海外で「アダルトライブ配信をする女性」の事を指します。エロい配信をして視聴者から投げ銭を貰うアレですね。Googleで検索すると幸せになれます。

題名の通り、アダルトなライブ配信で有名になっていく女性の話です。

アダルト配信でお金を稼ぐ主人公はある日、自分と同じ顔・同じ声・同じ姿をした別の女性が配信しているのを発見します。

しかもそいつは自分よりも過激な配信をして、どんどん有名になっていくので、主人公は知人や身内にも身バレしてしまい社会的立場が危うくなります。

どうにかしようと自分と同じ姿の女性にコンタクトを取るのですが、思わぬ展開に...的なストーリーです。

一応ジャンルはホラーで、雑なエロ(と少しグロ)とトンデモ描写、ちょいB級要素が強めでした。

しかしアダルトライブ配信によるデジタルタトゥーの危険性等、現代ならではの要素を上手く描写しています。

そしてこの映画、割と多くの謎を残したまま結末を迎えます。

見方によっては投げっぱなしジャーマンにも見えかねないですが、実は考察が出来る要素が散りばめられていて、登場人物の言動などからそれらを導き出すことができます。考察の大筋は存在するものの、人によって答えは十人十色、様々になるものだと思います。

「なぜあの人はああいう行動を取ったのか」「犯人の素性について」などを、映画の1シーン1シーンをパズルの様に組み合わせて、自分なりの結論を導き出す。それが『カムガール』という映画の楽しみ&魅力だと感じました。

ネトフリ入っててエロとホラーが大丈夫な人は観て❤️❤️❤️❤️❤️


4.バトル・ロワイヤル

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今更かよ!!!!!!って思うかもしれませんが

子供の頃怖くて見れなかったんだよ!!!!!!

最近漫画版を読破して、めっちゃ面白かったので映画版を観てみました。

まぁストーリーは説明不要ですね。中学生が殺し合いをするやつです。

思春期の少年少女の葛藤や心理描写を実際の人間が演じてると、漫画で見るよりもリアルさが増してより一層怖くなりますね。キャストがみんな若いのに鬼気迫る迫真の演技でした。凄い。

個人的に一番評価したいのは先生ですね。漫画版ではドクズなニセ金八先生だったのですが映画版ではその役がビートたけしになってましたね。しかも役名「キタノ」

漫画版のニセ金八先生は救い様無いゴミクズドカスクソアホウンコ人間だったのですが、映画のたけし演じるキタノ先生は狂気と哀愁が混在した、等身大の人間的な魅力のあるキャラに変わってました。龍が如く6でもそんな役だったよね、たけし。

とにもかくにも『バトル・ロワイヤル』作品の持つ「思春期の人間の葛藤」という魅力を存分に引き出していたと思えた映画でした(小説は未読ですが)。

漫画版はエログロ描写が結構キツかったので、映画版の方がまとまりがあると感じました。今から観るなら映画版をお勧めします。また政治家じゃない山本太郎とか見れるしね。


あと藤原竜也はこの時から「ん゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛!゛!゛!゛!゛」って言ってて笑っちゃいました。


5.聲の形

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今更シリーズ第二弾ですね。

正直に言うと、聲の形は原作もアニメも触れてなくて、今回映画で初めて観ました。

なので原作、アニメから観ている方からしたら僕は超絶にわかです。ゆるし亭ゆるして。


んで、その超絶にわかがこの映画を観た感想は、

めっちゃ良かったです。正直泣きました。

一応ストーリーの説明をすると、とある小学校で聴覚障害を持ってる女の子(硝子)にガキ大将の男の子(将也)がイジメをけしかけるのですが、イジメがエスカレートしてしまい、逆に将也がクラスメイトにイジメられる立場になり絶望してしまう。硝子の優しさに気づいた将也は謝罪をしようとするがその矢先に硝子が転校してしまい、2人が高校生になった時に再開するが...というストーリーです。

観た感想、この作品はのテーマは「恋愛」ではなく「伝えることの難しさ」「罪と罰」であると感じました。

もちろん恋愛要素もあるのですが、それに至るまでのプロセスが長く特殊なもので、人間の抱える罪の意識や葛藤など、全てをひっくるめた人間愛(!?)の物語となっていました。

ただこの映画、観てて辛くて辛くて...泣いた理由も「よかったねー感動したねー」ではなく将也の背負った罪がとにかく辛すぎて泣いてしまいました。しかし人間誰もが抱える罪の意識や葛藤に向き合う登場人物の姿に強く心を動かされました。

もっと早くにこの作品に出会えてたら、自分の犯した罪に向き合っていける様な強い人間になれてたのかなぁと思いました(ゴロ寝)。

まだ観たことのない方がいたら是非オススメします。精神状態が大丈夫な時に観てください。



6.ATM

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クソ。観る価値無し。以上。



7.おわり

ATMをクソと酷評したのですが、ちゃんと理由があります。

最後に「つまらない映画」と「不快になる映画」についてお話させてください。

この2つは似ている様で全く違います。

今回紹介した映画のほとんどは、暴力表現やグロテスクなシーン(決まり文句)など不快な表現が多かったです。

もちろん僕とて例外ではなく、観ていて不快になる時も多々ありました。サイコパスではないからね。

不快になる要素、それらは「映画監督が視聴者に訴えかけたい事」そのものなのです。

北野武監督は言いました。

「映画は暴力的であるべき。観た人が暴力を不快で、やってはいけない事だと認識するから」

たけしは暴力表現を通じて「暴力は怖いもの」と視聴者に思わせるために、バイオレンスな要素を入れているそうです。これが「不快な映画」が内包しているメッセージ性です。


かたや「つまらない映画」は何をしたいのかがわかりません。中身がないんですもん。

映画『ATM』はATMのボックス内に閉じ込められた若者たちが入り口の外で待ち伏せている殺人犯をどう回避して脱出するかという映画です。

この映画は最後まで結局「殺人犯が何をしたかったのか?」「視聴者に何を伝えたかったのか?」全て分からずに完結します。『カムガール』と違い考察の要素も皆無です。

そんな『ATM』が伝えたかったメッセージは「ATMの外に殺人犯がいたら怖い」ですかね?はいそうですか。

この様にただ怖がらせたいだけのしょうもない映画こそ真の「つまらない映画」なのです。超絶B級映画の『ソーセージパーティ』の方が2万倍ぐらい面白いです。

そこに決定的な壁があります。

映画の魅力というものは「たった2時間で心から感動できる」ことです。くだらない超B級映画で笑ったり、超怖い映画で震え上がったりしする事も「感動」です。

映画の嗜好は十人十色。

映画を鑑賞する皆様も沢山の作品に触れて、心を打たれる良い映画に沢山出会って下さい。

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