中国の音楽市場について⑤中国でヒットしている曲について

おはようございます、かわはら社長です。

 今回は中国の全体の音楽市場に戻ってみたいと思います。
これまで何度も言っている「中国のメインストリーム」の話をしてみましょう。

「中国ではどんな歌が売れているんですか?」なんてよく質問されるのですが、毎回難しい質問だなぁ…と思っています。

日本のシーンだって一言で言えないですもんね(笑)

複数回に分けて楽曲も紹介しながらゆっくりお伝えできればと思います。
(作曲家さんから聞かれることが多いので、少しだけ専門用語を使います)

日本の歌楽曲と比べると全体的な印象が下記です。

・オケが薄い
・コードが少ない
・転調が少ない
・1番2番3番と盛り上げる比率が大きい
・BPM170以上のアップテンポ曲はほぼ存在しない
・中国要素(特に民族楽器)を使用した楽曲が本当に多い

個人的には日本の作曲家が中国のメインストリームで活躍するには中国要素(特に民族楽器)を使用した楽曲が本当に多い」という部分が一番重要かなと考えています。

ハッキリ言って、このジャンルを書けないと仕事の幅がかなり減ります。

例えば本日のチャートを見てみましょう。
サブスクなので部門別ですが、メインチャートとHot Songチャートを見てみたいと思います。

画像1

画像2

みなさんは全くどんな曲かわからないと思いますが(笑)

赤く印を付けたものが二胡、笛子、琵琶、古筝、揚琴、など民族楽器を使用している楽曲、緑色に印を付けたものが明らかに中国音階を際立たせている曲です。


ジャンルは様々ですが、もはや最大勢力と呼べるくらい中国要素×何か(POPS、Hip Hop、EDMなど様々なジャンル)は重要なジャンルです。

部門別のチャートで「国风チャート」(中国要素のある楽曲のチャート)があるくらい地位が確立され、ヒット曲の多くがこのジャンルです。

日本で和風となると和楽器バンドを除くと定期的にチャートに入るものは少ないと思いますが、中国だとTop10に常に2〜3曲はある印象ですかね。


中国要素×何か、というジャンルで言えばやはり周杰伦(Jay Chou)でしょう。中国の皆さんには懐かしい名曲を挙げてみます。

青花瓷(周杰伦)

 
弊社は民族楽器部分をディレクターの李(二胡演奏で中国の名門大学を飛び級で卒業、日本では芸大卒)が担当していますが、中国の作曲家に肉薄できないと勝負にならないので力を入れているポイントです。

例えば「笛を取り入れたい」なんて話になったときに中国楽器ということで意図もなくソフト音源でBaWuなんて選んでいたらセンス疑われますからね。

(作曲家の皆さんでも"笛"と言われてBaWu=巴乌を選ぶことが危ない理由はわからないと思いますが、使い所が難しい楽器です。)

そのうち民族楽器の解説もしていきたいと思います。

ということで次回は実際に楽曲を紹介しながら中国要素のある楽曲についてより深くお話したいと思います。

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