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給食作りは料理じゃない

はじめまして、みんめしです!
bioでは地域で活動していると大層らしいことを申しましたが、ほとんど野生に還っている管理栄養士です。どこにも所属しない自由な活動をしているからお伝えできる内容があると思い、noteをはじめましたのでどうぞよろしくお願いします!

文書をまとめることがとても苦手なので、メモの切れ端のような内容ですが、少しでも日ごろのお食事作り、健康作りの役に立てればと思います。

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さて、給食作りの手順で作ると離乳食から介護食まで、みんなのご飯が楽ちんに作れるのでは?ということに思い至った要因で、日記の1ページ目を書こうかな。

給食作りは料理じゃない

いきなり失礼な!と、美味しい給食を作ってくれている調理師さん、栄養士さん、他給食作りをしている人には怒られそうな言い草ですが、これは10年近く給食業界で勤めていた時に常々思っていたことです。

給食作りは料理じゃなくて大量調理です。

そして、料理と大量調理は全然別物。普段おうちでよく作る煮物や野菜炒めとか一つ取っても作り方の違いが明白なんですよね。あくまで、個人的な主観で、個人的手法ですが。

でも……

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どん!これは学校給食を作る給食センターの調理風景。
約9000食の超超大規模の大量調理です。

ここまで大規模でなくても100食を超えてくれば、写真のような回転釜を使ってこんな感じで作っているんですよ〜、すごい👏

と、まあ、これが料理の風景に見えるか?

という問いは別として、この規模の鍋や食材を扱うということは、基本のお料理レシピ通り、野菜を切って、炒めて、調味料を入れて、盛り付けて……、なんてことをしていては、美味しいご飯を作ることは難しい!

それに、給食作りには、たとえ9000食であろうと(一応)喫食時間2時間前調理という厳しい制約があるため、時短テクニックを求められているんです。(一応)というのは察して欲しいところでご愛嬌!

その2時間というのは、当然1種類の料理だけではありませんよね。
特に老人ホームは何の呪いか『一汁三菜』の暗黙のルールが……、他の施設ではそこまで厳密ではないのに……。という私の愚痴のオマケ付き。

加えて保育園なら離乳食の【初期】【中期】【後期】【完了期】と4パターン。病院や老人ホームは噛む力、飲み込む力に合わせたり、疾病別に対応したり、好き嫌いの対応をしたり、と【品数×柔らかさ×病気予防】と組み合わせは幾重にも。学校給食や幼稚園でも最近はアレルギー対応が進んでますね。

とにかく!かなり細かく種類分けをされて、給食作りをしてくれている人は本当にすごいと思うばかり。私が本腰を入れて業務に当たっていた時代を考えたら、本当に細かくなったとひっくり返っています。



なんて、ひっくり返っている場合ではありません。だからこそ、基本のお料理のレシピを捨て去って大量調理という手法を使うのです。

■たくさんの量を作るため
■複数の料理を短時間で作るため
■一つの種類の料理を色んな形に仕上げるため

と、ここら辺の課題をピックアップして調理していく手順は料理というよりも『パズルを分解して再度組み直す作業』だなと。

そして、勝手なことを言うと料理ができるからと言って全員が大量調理はできないです。

実際に長年お店でバリバリ働いてきた調理師のおっちゃんたちが「やってらんないぜ!」って早期退職していく姿を何回も見送ってきました。だって、パズルだから。

じゃあ、大量調理は難しいの🤔?

と言うと、そうではない。逆に楽ちんと言う人もいっぱいいるし、給食は作れても、インスタグラムなどで見るようなお洒落な料理なんて作れない〜と言う人もいます。まあ、私だったり、同職種の友人なんですけど。

パズルができれば大丈夫!
ポイントは『料理ではなく、献立として考える』ことができれば◎

例えば【肉じゃが、ほうれん草のお浸し、味噌汁】と言う、献立だとします。
これを『肉じゃがを作るのに、煮ている時間でほうれん草を茹でて、それが終わったら味噌汁を作る』とこの鍋はこの料理と考えませんか?

そうではなくて、『味噌汁の出汁を多目に作って、それで肉じゃがの人参とじゃがいもを下茹でして、ほうれん草を茹でたお湯で肉を下茹でする』と、食材単位にバラして最後にお皿に乗せる時に【肉じゃが、ほうれん草のお浸し、味噌汁】で完成させればいいんですよ。

これは、『なんだかんだ言っても包丁握って、鍋振った方が早い!』って思っている人にはすごく重宝する時短テクの一つなので、パズルとして考える癖づけはして損はなし!

また、この分解してパズルにできる癖ができると「離乳食」や「介護食」など家族ひとりだけ違う物を用意する必要がある時にめちゃくちゃ役立ちますので、ぜひ思考の訓練をして欲しいと思います。

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大量調理大量調理と言いましたが、回転鍋を使わなきゃ大量調理じゃないの?家で回転釜なんて使わないよ?

と、ご心配なく。

大小様々な現場を歩き渡り実証しましたが、給食作りの労力って9000食でも500食でも100食でも10食でもなっっっんにも変わらないんです。つらい。
じゃなくて、と言うことは、おうちでも活用できるってことですよね。
仕事としての大変なことは別物で置いておくとして、おうちでも簡単、楽ちんにできる小技はおうちに持ってきて使っていこう!

と、ここでだらっと話しても分かりにくいだけなので、少しずつ料理の紹介と一緒に大量調理の小技を伝えられていけたらいいな〜


📝みんめし


※写真は「つくばすこやか給食センター豊里」さんにお邪魔した時のものです。






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