年収300万円がコンビニでみている情報

前回の記事で、高所得者と年収300万円は、二人ともコンビニでミートソースパスタを買って食べているが、しかし見ている情報が違うと書いた。

詳細を掘り下げてみよう。

以下は筆者が考えたフィクションだ。

登場人物
高所得者A氏 男性
300万円B氏 男性


まず年収300万円台のB氏が手にする情報媒体はスポーツ新聞や漫画雑誌、もしくはサラリーマン向けの投資方が書いている雑誌や趣味の雑誌だ。


昨日の巨人戦の結果が気になるし、来週の競馬の予想が大事だ。風俗に関する記事も含む。またスポーツ新聞には、有名人の悪口やゴシップが乱立している。今日のエンタメ番組の内容のチェックも忘れてはならない。これらは日々のストレス解消に必要なことだ。

とはいえ、巨人戦の結果は取引先との雑談で必要だ。とはいえ、これは取引相手も同じレベルにあるということを意味する。

競馬に関しても、一攫千金これで一儲したいところだ。


趣味の雑誌とミートソースパスタ、そしてテレビのCMの時に流れていた新製品の酒をかごに入れて会計に並ぶ。


『明日も会社か~、めんどくさい。宝くじでも当たらないかなー』と思いながら退店する。



さて、まずB氏が年収300万円代には明確な理由がある。それは別に彼が怠け者だからという意味ではない。むしろ、辛い毎日を必死に耐えて働く模範的労働者だろう。


とはいえ、実は資本主義のもとでは、労働者は不利な立ち位置にいる

労働者とは自らが生産手段をもたない人だ。生産手段をもたないので、それをもっている人(資本家)に対して労働力を提供して、その見返りとして賃金を手にする。


日本のGDP(国内総生産)は500兆円。GDPとは一定期間内に国内で生み出された付加価値の合計だ。このうち約半分の250兆円が労働者に支払われる賃金だ。


日本の労働者の総数は6,600万人。ということは、250兆÷6,600=380万。つまり、一人当たりに支払われる賃金の平均額は380万円になる。この金額は、ちょうど日本の労働者の平均年収くらいの金額だ。


このことから、特殊技能をもったトップ数%の労働者や公務員を除いて、一般的な労働者である限り、どんなに一生懸命働いても年収は300万円台にしかならないことが判明する。


また、マルクス経済という考え方においても、正社員の労働者の賃金は以下で決まる

①1カ月分の食費や肉体回復に使うリフレッシュ代
②新しい技術の習得費用(稽古ごとや勉強代)
③ 労働者を再生産する費用(子どもの教育費)

①②③を合計して正社員で月収30万円くらいだろう。30万円×12か月=360万円だ。


一方で、非正規労働者であれば、②③はカット。
経営者からすれば非正規は都合の良い労働の調整弁に過ぎない


よって②の新しい技術の勉強代はカット③子ども教育費なんて知ったこっちゃないのでカット。むしろ、非正規の分際で子育てとは100年早いという社会的な風潮もこれを味方する。すると手元には20万円くらいしか残らない計算だ。
※地方ではさらに5万円~10万円カットだ


結果、労働者は精神的に追い詰められる。 このような辛い現実を逃れるには、現実のことは忘れて、スポーツ新聞でも読んで、テレビを見てスカッとして、酒とパスタでストレス解消することだ。そして、明日も雇ってもらって、いつの日か時給が100円アップするために活力を取り戻したいところだ。

一発逆転を願うには、宝くじが当たることを祈るしかない。


転職雑誌を手にするも自分ができる仕事は、せいぜい今と同じ。むしろ中途採用なのでさらに賃金は減ってしまう。ただし、これも正社員で転職できればの話だが。

ちなみに、投資の雑誌に書いてあった、銘柄も時すでに遅し、皆が同じ情報で選んでいるので、これといったリターンはない。美味しい情報が労働者に落ちてくる前に、その中身は骨抜きにされている。


なぜならば、資本主義は、資本家の、資本家による、資本家のためのものだからだ。これを前提にゲームのルールは決められるのだ。



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