【関係ー気配】天川エリア/佐野文彦

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1981年奈良県生まれ。京都、中村外二工務店に数寄屋大工として弟子入り。年季明け後、設計事務所を経て、2011年に独立。現場の経験から得た工法や素材、寸法感覚を活かし、コンセプトから現代における日本の文化とは何かを掘り下げ、作品を製作している。2016年には世界16か国を歴訪し、各地でもてなしの場としての茶室を作るプロジェクトを敢行。さまざまな地域の持つ文化の新しい価値を作ることを目指し、建築、インテリア、プロダクト、アートワークなど、国内外で領域横断的な活動を続けている。

佐野は、長く天川にあるであろう一つの石をこの場所の歴史や時間の象徴と見立て、石を含む空間全体を一つの作品として発表する。石を直接加工するのではなく、それ自体を取り囲む周辺環境を変化させることで、石を含む空間と私達の関係性を変容させる。場所と鑑賞者の関係性を再構築する佐野の作品を通して、足下に転がる石が生成されるまでの時間やその石が「見てきた」であろうこの地の歴史に想像を巡らせてもらいたい。

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Sense Island 展示風景 / 2019 / 撮影:忽那光一郎

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撮影:Kyoko Nishimoto

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