【ダラニスケ研究室】天川エリア/菊池宏子・林敬庸

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菊池はパフォーマンスアート(フルクサス)の影響を受け、独自のインストラクション(問いかけのレシピ)を元に、環境・状況をコンテクスト化する活動や参加型アート制作を行っている。 3代目大工棟梁・林は、日本の木造建築技術や文化を後世に伝えるために、国内外各地でワークショップ、まちづくりの活動、デジタル建築などを手がける。アートを触媒にしたコミュニティ開発や教育プログラムを作品として展開する菊池宏子と大工として培ってきた技能をベースに作品を制作する林敬庸は、これまで複数のプロジェクトで協働してきたものの、連名での作品発表は今回が初の試みとなる。

《ダラニスケ研究室》は、天川村で製造されている日本古来の民間薬「陀羅尼助丸」に関する調査や生産販売者へのインタビューなどを元にしたアートプロジェクトだ。キハダを主成分として作られる「陀羅尼助丸」は関東地方ではあまり馴染みがないものの、奈良や和歌山に製造所があり家庭にあったことを記憶している人も多い。今回の展示は効能面に注目するのではなく、天川で販売されている陀羅尼助丸の違いや、年間摂取量を可視化するなどユニークな視点で陀羅尼助丸に向き合っていることに特徴がある。また、展示什器にキハダの原木を使用したり、その塗装にキハダの皮を煮詰めて作った塗料を活用するなど細部に至るまで陀羅尼助丸に関する素材で構成された展示だ。展示を見て興味を持った方は、ぜひお気に入りの陀羅尼助を忘れずに購入することをおすすめしたい。

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地球交響楽団 / 2019年 / 撮影:忽那光一郎

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猿山の島 / 2019年 / 撮影:忽那光一郎

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天昌堂プロジェクト / 新潟市

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