ないものねだり

もうどうでもよかった。
批評も、他人の眼も、くだらないプライドも、嫌われるかもしれないという不安も、
正しいことをしようとする虚勢の努力も、愛されたいとか認められたいとかの願ったり叶ったりな脆い欲求も、
なんら眠気には敵わない。


味くらべが趣味で2種類の冷凍ポテトを貯蔵していた。
揚げた細切りポテトの味は小腹を満足させるために、味覚を刺激することはなかった。
本能の手前、常なる嗜好はどうでもいいのだ。


ただ、叶うようで叶わないような思惑が、本能とは別の神経ルートを通過しながら、いつまでも消えてくれない。


干からびた生魚の心身、絞って吐き出すように、「おやすみなさい」、絶対に踏みつけないって約束してね。




#夜中のなぐりがき

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