卒業の件について

この度、ホロライブ5期生としてデビューした魔乃アロエさんに配信BGMとEDの楽曲提供をさせていただきました。

しかしながら、デビュー後2週間の休止を経て、先日 8月31日（月）に、ホロライブを卒業することになったことが、公式から発表されました。この文章が経緯を知らない人がこれを読む可能性はそもそもかなり低いと見積もっていますが、「卒業」された経緯については長くて複雑なので、ここでの説明は省略します。

このプレスが出てから、個人的にかなりショックを受けていて、ぽっかりと大きな穴が空いてしまったような感覚です。今でも気持ちの整理がついていません。関わらせていただいたものが、少ししか日の目を見ずに幕を閉じてしまったこと自体も残念ではあるのですが、それ以上に、なぜこんなことになってしまったのか、といった気持ちに囚われてしまっています。

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今回、他の5期生のライバーさんに提供させていただいた曲を含め、いろんな人に聞いていただけたり、新しい人に知ってもらえたりすることができました。また出来上がった作品は、作りたい世界観や設定を細かくヒアリングさせていただいて、たくさんのラフを経て時間を掛けて制作したこともあり、手前味噌ながら、本当にキャラクターや演者さんの雰囲気とマッチしていて、汎用の楽曲では持っていけないレベルに世界観を作るお手伝いが、微力ながらできたのではないかと、確かな手応えを感じました。細かい経緯はどこまで話して良いのかわからないのでぼかしますが、ここまで持ってこれたのは大部分が魔乃アロエさんのおかげだと思っています。

一方で、キャラデザのGuchico先生やLive2D制作のrariemonn先生をはじめとした憧れの有名人と一緒に並べてクレジットしていただくのは、分不相応なのではないか？関係者気取りで調子に乗っていると思われるのではないか？といった不安が、襲ってくるのでした。

そしてこれは比べるのもおこがましいかもしれませんが、デビュー前後のライバーさんも同じようなプレッシャーや不安を、途方も無い規模で感じているのであろうことは、容易に想像できるのでした。

数ヶ月前にも月ノ美兎さんがデビュー当時のことを振り返っていて、やっぱり何事もなさそうに振る舞っている人でも相当なプレッシャーを感じているんだなと思いました。

1位になったんですよ総合ランキングで　でゲロ吐きそうになってそんときに咳が止まらなくなったんですよ　たしかその付近なんですけど、自分のその「10分ちょっとで分かる〜」がニコ動の総合ランキングの1位になったときに、毎日寝る前に咳が止まらなくなって呼吸困難になって吐くっていうのが1ヶ月間ぐらいずっとあったんですよ

だからこそ、そんな状況の中で浴びせられる個人への攻撃が本人からどう見えていたかを想像すると、耐え難い気持ちになるのでした。

そしてもう一つ大きく憤りを感じるのが、「本人にも落ち度があったのだからしょうがないのでは？」という風潮です。

https://shonenjumpplus.com/episode/13933686331676528876

有名だから、アイドルだから、社会人だから、みたいな理由で、個人情報を特定されたり、個人攻撃を受けていいことにはならない。もしかすると、傍観者のリテラシーがもっと高ければ防げたものがあって、こんな結果にはならなかったかもしれない。

擁護している人に対して、「情報漏えいに対する意識が低い。学生ならまだしも、社会人だったら人格を疑う」「全肯定信者さん怖い」という書き込みも見かけました。こんな攻撃を受けるリスクがあるなら、気の毒だけど沈黙しようという人もいると思います。

英語で運用されているMano Aloe Support SquadやHL Resistanceなどのdiscordサーバーや、HololiveのSubredditでは、本人を心配するコメントや応援のメッセージ、同じように怒りや悲しみを感じているという声を多く見かけることができて、それが救いでした。この場を借りて感謝申し上げます。Twitterや5ちゃんねるなどの雰囲気とは全然違った。これも日本語ですが、海外のファンは盲目だし背景が分かっていないという書き込みも見かけました。わからない。私がおかしいのか？

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複雑な気持ちをどれほどちゃんと言葉にできたか分かりませんが、だいたい以上が今回の件について感じていることです。

ポジティブに考えるなら、5期生の方々も配信で言っていたように、「魔乃アロエ」の活動終了が、本人の人生の終了とイコールなわけではないし、どんなタイミングやどんな形でもいいので、夢を叶えてくれれば嬉しいなと思います。自分もまだ志半ばですが、挫折を経てまた今頑張っているところなので、切にそう思います。

納得がいかないこともあるし、何かできることがあるならしたい、という可能性も諦め切れていないところもあります。これからもしばらくは引きずられてしまうし、悲しさや複雑な気持ちが消えることはないだろうと思います。

ただ、（これは主にTwitterなどを見てくれている人への私信ですが）、ネガティブな感情ばかり吐き出しても生産性がないばかりか、人に迷惑を掛けるだけだと思うので、できるだけ切り替えて、自分は自分のペースで自分のことを頑張っていければと思っているので、そういう気持ちでやってるんだなという前提で見てもらえれば幸いです。

それでは。