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バッティングセンター

大学時代、学校の近くにバッティングセンターがありました。冷暖房が効いてて夏は涼しく冬は暖かい。おまけにゲーセンが併設されてたんで待ち合わせ場所のひとつとして重宝してました。バッティングの料金はたしか20球で200円くらいだったか、記憶が曖昧なんですが意外と高かった。お金を払って空振りするのもどうかと思うし、疲れるし、空振りしてるのを見られるのも恥ずかしかったんで、やるより見る派でした。

ずっと見てると色んなキャラが打ちに来てて、笑わせてもらったり、上手いと唸ったりしました。お調子者の高校生2,3人がよく来てて、4コマにできるワンパターンなネタを必ずやってました。

4コマ風に言うと

1コマ目:バッターはバットをセンター方向にある的(ここにボールを当てると1プレイ無料券を貰える)に向けて予告ホームランのポーズ。ガラス越しにどよめく残りの二人。ゆっくりとマシンが動き出す

2コマ目:予告ホームランのポーズのまま。ゆっくりとマシンは動く。かたずを飲む二人。

3コマ目:予告ホームランのポーズのまま。マシンがボールを打ち出し始める。かたずを飲む二人。

4コマ目:予告ホームランのポーズのまま。ボールはバスン!と音をたてて到着してる。「打たんのかい!」と二人のツッコミ。

彼は最初の打席の一球目でちょくちょくそれをやってました。たまに女子と一緒に来てて、彼女らを笑わせてました。すばらしい奴らです。身銭を切って女の子を喜ばせる。今は大人になってるでしょうが、そこそこモテてるだろうと思います。

もう一つやってたのは3コマ目まで同じで

4コマ目:予告ホームランの構えからすばやくバントの構えに変えてしっかりとバントをする。「バントかよ!」と二人のツッコミ。すばらしい奴らです。身銭を切って女の子を喜ばせる。今は大人になってるでしょうが、そこそこモテてるだろうと思います。他にも持ちネタを披露してましたが、誰々の構えの真似みたいなのだったと思います。この2つ以外は覚えてません。

あと、プロ仕様みたいな皮のグローブをして、マイバットを持ってくるメチャ上手い人たちの打撃を見たりもしました。奴らは体つきが違います。そこのバッティングセンターは135キロが最高速だったんですが、その速度をスパーン!と打ち返すのは見てるだけで気持ち良かったです。ドーンと来た玉をスパーン!と打つ。ドーン、スパーン。ドーン、パーン。どんどんパンパンドンパンパン。それ打て 前出る あとに引くみんな輪になれ 揃ったら ドンパン踊りを始めるぞそれ打て それ打て 大太鼓…と秋田民謡ドンパン節につながっていくかのような見事なバッティングを披露してくれます。

 夜、待ち合わせしてると、酔っぱらいが何人かで来てる時もありました。酔いながらも結構うまくて、見事に的に当てて、「うぉーーー!」と喜んでました。打った本人はまだ途中なのに出てきて仲間とハイタッチ。近くにいた私にも「イェーイ」と言ってハイタッチを強要してきました。それを断るほどノリが悪くはないので私も「イェーイ」とハイタッチ。彼らは帰りがけに1プレイ無料券を私にくれました。

左打者は私の見た感じでは1割程度で少ないんですが、上手い左打者の打撃はなぜか見ていて気分が良いものです。

たま~に女の子が打ってました。男はバットと腕が一体化したかのようなスイングなんですが、女の子はやはり腕の力が小さいのでバットがあとから波打ちながらついてくるスイングで、後ろ足が浮いてたりする。微笑ましいものです。

そういう時に上手い奴がいいところを見せるべく打ち始めたり。色んな人を見ることが出来て楽しい場所でした。私が打つ場合は100キロがちょうどいい感じでした。芯をとらえたらスコーンと飛んで行くんで、気持ちいいんですよね。

私がよく利用していた時期は夏で、夕立が多い年でした。友達を待っている途中で雨が降り始め、バッティングセンターを出る時は大雨なんてことが多く、今でも夏の夕立の日は、バッティングセンターとお調子者の高校生のネタと、効きすぎたクーラーが寒かったのを思い出したりします。(表紙はボールを的に当てて喜んでいるブタ)


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