ロンドン生活113日目(Norwich②)

Norwich 二日目、その日の目的は何と言ってもアベンジャーズ本部ことSainsbury Centre for Visual Artsに行くこと。市中心部からバスで約30分、Norwich西部にあるイーストアングリア大学に向かった。

セインズベリーセンターの名前は、イギリスのスーパーマーケットチェーンSainsbury'sからきている。センターは、創業者の息子であるRobert Sainsburyとその妻Lisa が、収集した美術品をイーストアングリア大学に寄付し、それを保存・展示するために建てられた。セインズベリー夫妻は、当時はまだ無名だった建築家のノーマン・フォスターに設計を依頼し、ノーマンフォスター建築特有の航空機からインスパイアされた近未来感漂う建物ができあがった。

中に入ると、私とMさんはセインズベリー夫妻のコレクションのクオリティにすぐに惹きつけられた(Y君はアベンジャーズ聖地巡礼が済んで、内部の展示にはあまり興味がない様子だったのだが(笑))。個人的に特に驚いたのは、フランシスベーコン の絵画がとても多くあったこと。日本ではベーコンの作品を見る機会が少ないし、テートブリテンにも少ししかなかったため、まとまって見れて非常によかった。中にはRobertとLisaのポートレイトも複数あって、親交が深かったことがうかがえた。そのほかにも、ヘンリー・ムーア、ジャコメッティ、モディリアーニ、ドガ、そしてアジア・アフリカ・南米など、世界中から集められた有名無名のアートを見ることができた。

展示は、「家にいるときのようにくつろいだ状態でアートに触れ、かつ偶然のようにアートに出会う経験をしてほしい」という夫妻の願いから、作品は年代や地域、ジャンルなどによらずランダムに配置されていた。一方、どこかプリミティブなものへの夫妻の好みの偏りは容易に感じ取られ、それが展示全体を貫通するコンテクストとなっており、いい意味でまとまりもあった。何より夫妻のアートへの愛がひしひしと伝わる空間であった。


おまけ。

外に出てイーストアングリア大学の構内をぶらぶらしていると、校舎の上にアントニー・ゴームリーの彫刻があった。最近行く場所場所にゴームリーがいる。どこでもいるな、君は。